41話
和明は駆け片手斧を持った男の胸に剣の柄の先で強打する。打たれた男は悲痛な声を上げると倒れた。ルナは解魂し巨大な剣の腹でサングラスの男達をのしていく。ミルキーはハンマーを振り回し次々に黒いスーツの男達を気絶させていく。
「ウオー!」
怒声をあげながら両刃の大きな剣を振りかざしたサングラスの男が和明の背後に迫る。和明は切られたかと思ったが瞬間移動しかわした。そして大きな剣の男の頭を剣の腹で殴った。殴られた男は赤いたんこぶができ気を失い倒れ伏した。三十分もすると勝敗は決した。黒いスーツの男達は一人を残して意識を失っていた。最後の一人は「ヒー」と叫ぶと足早に逃走した。和明は魔魂をしまい
「なんとかなったな」
「……油断大敵」
ルナはそういうと空を指差した。羽の端から端まで三メートルはあろうかという黒い怪鳥が空から羽ばたきながら降りて来た。怪鳥は「クエー」と声を上げると和明達に向かって羽ばたいた。すると小さな竜巻が起こり和明達を襲った。余りの早業に間一髪の所で和明が剣の柄を口にくわえルナとミルキーを掴み瞬間移動した。怪鳥は和明達の姿を探して顔を左右に振る。しかし姿は無い。
「こっちだよ」
和明の声はなんと怪鳥の背中からした。怪鳥は振り返り和明達を視界に入れた。しかしそこまでしか怪鳥は行動出来なかった。なぜなら和明が怪鳥の首を撥ねたからだ。和明達は落下する怪鳥の背中から三メートル程の距離を飛び降りた。
{つづく}