39話
和明達は森に入った。木々が乱立しているが草は少なく歩きやすい。しかし木の根が地面から顔を出しているので注意しないと転倒しそうだ。すると早速バッサバッサと低空を吸血人が飛んで来た。バーコード禿げが風で揺れている。
「セクシーなお嬢さん血を吸わせておくれ」
吸血人はそう言うとミルキーに鉄のストローを突き刺そうとした。ミルキーは
「あんたなんかに吸わせる血は無いわ」
ミルキーのハンマーが吸血人の側頭部に直撃した。吸血人は血を吐いたかと思うと昏倒した。すると騒ぎを聞き付けたのか三匹の吸血人が飛来した。皆同じ姿だ。バーコード禿げ頭に赤いフンドシ、おじさん顔。和明は駆け一番身近にいた吸血人の首を撥ねた。血が噴き出す。和明は返す剣で残りの二匹の胸を切り裂いた。
「グエエー!」
「グギャーー!」
吸血人の死体を踏み越えしばらく進むと開けた場所に出た。そこの中心に吸血人の三倍の大きさがあろうかと言う吸血人がいた(吸血人の身長は百六十センチメートルぐらい)。見た目は吸血人と同じだが青いフンドシを巻いている。和明は意識を集中し瞬間移動し、親玉吸血人別名マザーの顔の前に姿を現しマザーの目を切った。
「グゲー! よくも、許せん!」
マザーは鉄のストローで和明を叩こうとして剣で受け止められる。その隙に接近していたミルキーは「解魂」と言うとジャンプしマザーの腹をハンマーでぶっ叩いた。マザーは悲鳴を上げ体に流れた電流により動きが鈍くなった。そこでマザーの正面に立っていたルナが解魂し幅一メートル長さ十メートルの剣で切りつけた。マザーは避けようとするも体が痺れて動けず真っ二つに切り下ろされた。マザーは
「グガアー!」
マザーの体が地面に「ドシン」と重力により落ちた。マザーを倒した証拠に青いフンドシを奪い持ち帰る和明達なのでした。
{つづく}