38話
ここは心地よい風が吹くソンプ村。ルーブ国の西にある。白髪が目立つ村長は和明達に説明していた。
「この村の人を襲っているのは吸血人というモンスターですじゃ。身なりは頭がバーコード禿げ頭なおっさん顔で鉄の巨大なストローを持って赤いフンドシを履き鳥のような羽が背中にありますじゃ。奴らを倒すには青いフンドシを巻いたマザーを倒すことです。さすれば残された吸血人も絶命しますじゃ」
和明は気合いを入れて
「よし、青いフンドシのモンスターを倒せばいいんだな」
すると村の西方から若い女性の声で「嫌ー!」と悲鳴が聞こえてきた。和明達は魔魂を握り西へ向かった。
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吸血人が若い女性を押し倒し鉄のストローを胸部に突き刺そうとしていた。
「吸血人が血をすってあげるぞー」
赤いフンドシがはためき硬そうなストローが女性の胸に刺さる……と思ったが投げられた黒い剣が吸血人のバーコード禿げ頭に突き刺さり吸血人は絶命し俯せに倒れた。赤い血だまりができる。和明達は息を弾ませながら倒れていた女性の側に駆け寄った。
「大丈夫ですか?」
「ええ、なんとか」
和明の質問にそう答えるとそばかす顔の女性は立ち上がった。しかし女性は先程の恐怖からか足が震え転びそうになる。ミルキーが両手で女性の肩を支えた。
「ご迷惑をおかけしました。危ないところを助けてくださりありがとうございます」
村長が杖をつきながら早足でやってきた。和明は黒い剣を吸血人の頭から引き抜いた。
「わしの孫よ。怪我はないかい?」
「助けて頂いたから大丈夫よ。おじいちゃん」
村長の疑問にそばかす顔の女は言った。村長は和明の方を見ると
「孫を助けてくれてありがとう。吸血人はこの村の西の森を巣穴にしておる」
和明は剣を振り血を飛ばすと
「わかった。行ってくるぜ」
{つづく}