37話
和明達は数十分湖で泳いだ(結局和明も泳いだ)後代えの下着に着替え古びた城に侵入した。中は荒れ果てていて扉は朽ちて壁は崩れ地面には亀裂が走っていた。和明達は薄暗い城内を用心しながら歩いていく。もちろん魔魂を手に握っている。すると前から顔や体から骨がむき出しになったゾンビ犬が三匹現れた。和明達はゾンビ犬達を一人一匹ずつ切り(ミルキーはハンマーでしばき)倒した。何個目かのボロボロで苔が生えた扉を押し開くと青い肌をした俊敏で空を飛べる羽を背中に生やしたモンスタールブルクが太っちょで少し埃を被ったドレスを着た器量の悪い女に鞭打たれていた。ルブルクは手足を縄で縛られ火傷の痕や擦り切れた傷が散見された。ルブルグは和明達を見ると
「助けてくれ! 毎日拷問を受けてたんだ!」
そう言ったルブルクを整っていない顔立ちの女が鞭でしばいた。
「グワッ、痛い! 王女様、もう許してください……」
醜い容姿の女は顔に残虐な笑いを浮かべながら
「駄目よ。世界で一番美しいのは誰?」
また鞭で顔を打たれたルブルクは涙を流しながら言った。
「イタッ。……それはタイザ国の姫君ミファー様です」
和明はア然とした顔で
「あれが絶世の美女?」
ガックリと肩を落とす和明にルナは言った。
「……噂なんてあてにならない」
それからルブルクを解放すると喜んで飛んで逃亡した。ミファーは残念そうな顔をした。その後ミファーを説き伏せタイザ国に和明の魔魂の力で瞬間移動した。なんでもこの城に連れ去られた後にミファーは魔魂(鞭)を使ってルブルクに勝ったらしい。
{つづく}