3話
牢屋での三日間はあっという間に過ぎた。三日間何も食べていないためか和明はげっそりしていた。眠ってもいない。
そんな時カルツとシュナイダーが和明の牢屋の前に立っていた。
「セブラス王子、時間ですので……」
シュナイダーはそれしか言わず和明に手錠をつけた。シュナイダーに手錠に繋がっている鎖を引っ張られ地下の階段を上り、一階のある扉をくぐるとそこは城の広い庭だった。庭には兵士と国王さらにはギロチン台が準備されていた。
ギロチン台をまのあたりにした和明は気が狂わんばかりに頭を振りギロチン台に近づくのを嫌がった。
「嫌だ! 俺はセブラスなんかじゃねえ」
王は言った。
「ここまできて見苦しいぞ。それぐらいの気概はみせよ!」
和明はギロチン台にセットされ後はギロチン台で首を切り落とすだけとなった。
王は言った。
「これから――」
突然庭に乱入してきた兵士は言った。
「セブラス王子が十万の兵士を連れられご帰還なされました!」
王は言った。
「なに?」
そこに和明とそっくりの顔のセブラス王子がやって来た。
「父上! 隣国ラバスタより十万の兵士を借りてまいりました」
「なんと十万!? それならタイザス国に勝てる!」
「父上、私はこれから十万の兵を連れ前線にうってでます。後のことはまかせます」
「うむ!」
セブラス王子はマントを靡かせその場を去った。
和明は言った。
「だから、言ったじゃねえか、別人だって!」
王は言った。
「ギロチン台を外してやれ!」
「はっ!」
兵士により和明はギロチン台から解放された。和明は言った。
「よかったー。本当に殺される所だった」
王は腰を曲げ謝った。
「すまなかった! えー、和明殿。あまりに容姿がそっくりなものでな。本当にすまなかった。今一度謁見の間まで来て欲しいのじゃが」
ここは、謁見の間。
「和明殿に詫びの品を渡せ」
「はっ!」
一人の兵士が小さな袋持って和明に近づき渡した。和明は中身をみると数十枚の金貨が入っていた。
「これで許してもらえるとは思っておらん。本当にすまんかった」
「いくつか質問があるんだけど?」
「なんなりと聞いてくれ」
「この世界で手っ取り早く生きていくにはどうしたらいい?」
「そうじゃな……魔魂を開化させ、ギルドの仕事をこなすとかはどうじゃ」
「魔魂ってなんだ?」
「魂を武器に変える、その武器のことじゃ。シュナイダー見せてやれ」
「はっ!」
和明の後ろにいたシュナイダーが立ちあがった。和明も立ち上がりシュナイダーに視線をおくる。シュナイダーは右手を胸の前まで持ってくると胸からなにかを引き抜いた。その正体は大きな剣だった。
「あれが魔魂じゃよ」
「どこに行けば魔魂を使えるようになるんだ?」
「街にある魔魂屋じゃよ」
「わかった、サンキュー」
{つづく}