29話
赤い魔本を生け捕りにした後一時間森をさ迷った。ピンクの魔本が見つからないのだ。ルナが回り込み青い生きた魔本を一刀両断した。ルナは苛々した口調で
「……ピンク色無い」
ミルキーがルナを宥める。
「ルナちゃん、後少しの辛抱よ。きっともう少しで見つかるわ」
そんな話をしていたら和明達の頭上から桃色の書籍が姿を見せ下りて来た。和明は有頂天になって言った。
「よし! ついに見つけたぜ。皆どんな魔法を使うか分からないから注意するんだ」
現れた魔本が二つに開けピンク色に発行し左右に揺れ動くと黒いフリルが沢山ついたメイド服を着た和明が出現した。絶句する和明と静観するルナとミルキー。偽和明は
「見せまーす!」
そしてスカートの先を持ち上げ誰も喜ばないパンチラを披露した。赤いショーツを履いていた。ルナは気持ち悪いのか目を背けた。ミルキーは「ウゲー」と喚いた。一陣の強い風が凪いだ。偽和明の攻撃力は益々アップしていく。
「脱ぎまーす!」
偽和明は背中に両手を回しチャックを下ろしていく。そしてメイド服を脱ぐと上下赤い下着の姿になった。ブラのホックをのけパンツ一枚になった。そして赤いパンツを――
「ていやー!」
和明は瞬間移動で魔本の正面に姿を現し剣の腹でピンク色の本を何度もしばいた。魔本は気絶したのか動かなくなった。まにあったかと思った和明は背後から悲鳴を耳にした。
「……オエー!」
「気持ち悪いー!」
和明が振り返ると赤いパンツを右手に持つ偽和明のかくばった尻が見え、次の瞬間には消失した。野鳥が「ホーホー」と鳴いていた。魔本を獲得した和明達であったが一週間程蟠りが出来た。
{つづく}