25話
「このモンスターわらわらいるな」
和明が剣を振るい、やかんのようなモンスター達を討伐していた。ミルキーもルナも応戦しているが敵の数が多い。しかしやかんのようなモンスターは口から水を和明達にかけるだけなので無害ではある。ここはハムスの洞窟。発光する虫ルブルがわんさかいるため洞窟といえど明るい。
「とおりゃー!」
和明が最後のやかん型モンスターを退治した。皆安堵の溜息をつき階段を下った。壁や階段には湿気で苔のようなものが生えている。地下一階には裸エプロン姿の和明達がいた。偽ミルキーは妖艶でセクシーだった。偽ルナは可愛いかった。しかし偽和明は不気味としか言いようがない。偽和明を見たルナとミルキーはえづいた。和明は悲愴な声で
「そんなに気持ち悪いか?」
青い顔をしてうなづくルナとミルキー。ルブルが一匹和明達の前を飛んだ。和明は偽ミルキーを下心を孕んだ目で刮目している。ミルキーは照れた顔で言った。
「いやらしい目でみるな! てい!」
和明はミルキーからビンタをくらいルナに足を踏まれた。偽和明達は手に斧を持ち襲い掛かってきた。和明達は慌てて魔魂を取り出し切り結ぶ。ルナが偽和明の腹を切り裂き真っ二つにした。和明のエプロンが落ち和明の下半身があらわになる。標準サイズより小さかった。ルナは頬を染め顔を背けた。ミルキーは「小さい! アハハ」と言っていた。少し時間が経つとと偽和明の死体は泥に変わった。和明は偽ミルキーのエプロンだけ切ろうとあくせくしていた。和明は
「偽、動くな! エプロンだけ切れないじゃないか!」
ミルキーは偽ルナをハンマーでしばいて倒し、ルナが偽ミルキーを頭から両断した。和明は嘆いた。
「ああ! 見えなかったじゃないか!」
ルナは軽蔑した目で
「……変態」
和明達三人は辺りを探索し階段を見つけ一歩一歩慎重に下っていった。
{つづく}




