表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/61

23話

 ここはラバタ国の城壁前。分厚く高い石壁が侵入を拒んでいる。城門前で睨み合う二つの勢力。和明達の軍とブードゥー率いる軍隊だ。和明達とブードゥー以外は鎧兜を着込み魔魂を手にしている。和明は馬上から大きな声を上げた。



「そっちの大将は誰だ!? 一騎打ちをしようぜ」


 その声を聞きブードゥーの軍が左右に開いた。そして黒い馬に乗ったブードゥーが姿を現し言った。ブードゥーは赤い髪を腰辺りまで伸ばし切れ長な紺色の目で顔には切り傷が散見でき黒いローブのような服を着ている。


「よかろう、その勝負買ったぞ」


 和明とブードゥーは馬から降り平野を歩き二人が近づく。和明は胸元から魔魂を引き抜いた。二人は駆けた。和明の渾身の横切りをブードゥーは右手で防いだ。金属音が響く。ブードゥーは


「わしの魔魂は粒子だ。両手を剣のようにコーティングしてくれる」


 ブードゥーが両手を振るう。和明は避けたが髪を少し切り落とされた。和明は突きを放つ。しかしブードゥーは右手で剣を掴んだ。ブードゥーは剣を掴んだまま左手で縦に手を動かした。和明の頭部に一直線に向かう。和明は


「解魂」


 瞬間移動する和明はブードゥーの背後に周りブードゥーの首に斬撃を繰り出した。ブードゥーは慌てふためき言った。


「解魂!」


 和明の剣は「ギィン」という音がして弾かれた。ブードゥーはニヤニヤ笑いながら


「わしの解魂は無敵だ。全身をコーティングし金属の強度にしてくれる。勝負はあったな和明よ」


 しかし和明はめげずに瞬間移動する。そして魔力を両手に集中しブードゥーの後ろ首に切り付けた。僅かに食い込むも少量の血が出ただけだ。ブードゥーは余裕の顔で佇み言った。


「和明よ。降伏するのだ。お前は強い、重用してやろうぞ」


 和明は全身の魔力を右手に集めブードゥーの後ろの首に切り掛かった。今度はブードゥーの首に深く切り込んだ。和明の衣服がかえり血で青く染まる。ブードゥーは血を流しながら膝を付いた。


「ウググ……まさかわしの解魂が敗れるとわ……グハッ!」


 ブードゥーは血を口から垂らすと地面に横たわり動かなくなった。和明の勝利を見た兵士達は鬨の声を上げた。ブードゥーの軍も魔族から解放された事を喜んでいるようだ。その後ラバタ国は牢屋に閉じ込められていた王を自由にし元の状態に戻り始めた。



{つづく}

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ