21話
酒場のテーブルを和明達が囲んで丸椅子に腰掛け話こんでいた。辺りからは酔っ払い達の喧騒がする。皆楽しそうにワイワイ騒いでいる。
「ベリンとラバタに救援に行くべきだ」
そう言うと和明は大ジョッキに入った黄色く泡立ったルービ(ビールみたいなアルコール飲料)を二口がぶがぶと飲んだ。ミルキーは思案気な顔で言った。
「私達三人が行っただけで救えるかしら?」
ルナもルービをちょびちょびやりながら
「……魔族が何人いるかわからない」
和明は腕を組み目をつぶり逡巡すると
「それならルーブラ王に直訴して軍隊を出してもらおう」
「うまくいくかしら?」
「……不安」
「駄目元でやってみようぜ」
和明達は城門前の兵士づてに翌日の朝、王と謁見することの許しを得た。和明達は宿屋のベットに入った。もちろん三人一緒のベット(二つのベットをくっつけている)だ。ミルキーがヒステリー気味な声で言った。
「和明、昨日私のふとももを触ったでしょう!」
「誤解だ! 俺はなにもしてない!」
ミルキーは和明の両頬を引っ張った。
「イタタ! やへろミルフィー!」
髪をゴムで後ろに纏めたルナが仲裁に入った。
「……ミルキー、和明わざとじゃないと思うよ」
ルナの話しを聞くと渋々ミルキーは和明を解放した。ミルキーは
「ルナちゃんがそう言うなら許してあげるわ。和明良かったわね。ルナちゃん昨日はどんな夢を見たの?」
「……パンニ(苺の外見でチョコレートの味)で出来た山を登ったの。パンニを百っ個は食べた」
「ルナちゃんかわいい! はあはあ!」
ミルキーが強くルナを抱きしめた。和明はやれやれといった顔で
「明日謁見があるからランプの火を消すぞ」
三人は一人また一人と夢の世界へ旅だっていった。
{つづく}