15話
剣がぶつかり合う音が響くコロシアム内。和明はシードで出場していたシュナイダーと交戦していた。和明の衣服には所々裂け血が赤く滲んでいた。和明が苦戦を強いられるのには訳があった。シュナイダーの魔魂は振るうと刀身が透明になり見えないのだ。シュナイダーがばつの字に剣で切りかかる。和明は段々シュナイダーの腕の動きだけで剣の位置を把握し始めていた。しかし歴戦の猛者であるシュナイダーは強かった。
「くっ!」
和明はシュナイダーの剣の威力に圧されていた。シュナイダーが右から左に切り付けた。後ろに跳んでかわす和明。和明は徐々にバトルフィールドの隅に追いやられる。このフィールドから出ても敗北になってしまう。和明の額から汗が流れる。和明はシュナイダーが剣を振りかぶった瞬間に両足に魔力を集中し勢いよく跳躍した。シュナイダーが和明の方に振り返る前に和明は跳躍しながら剣の腹でシュナイダーの背中をおもいっきりしばいた。するとシュナイダーが体勢をくずされの片足がフィールド外に出た。審判かが二人の傍に駆け寄ってきて言った。
「勝者和明!」
円形の観客席から歓声があがる。シュナイダーは魔魂をしまうと笑顔で和明に握手を求めてきた。
「和明さん、楽しい勝負だった。ありがとう」
「こちらこそどうも」
和明はハニカミながら右手でシュナイダーの手を握った。とそこへフードを被った人物が通路から姿を現し寄ってきた。そして龍の柄が持ち手にあしらわれた槍を胸元から引き出した――
シュナイダーは和明に飛び掛かり押し倒した。シュナイダーの背中から血しぶきがあがる。シュナイダーは「ウグ」と言うと仰向けに横たわった。フードの人物は第二撃目を放ってきた。和明はシュナイダーの傍に立ち槍を受け止める。フードの男は「ククク」と笑うと顔を覆っていたフードを脱いだ。そこには真っ赤な肌をした男が立っていた。和明は「ルーク!」と言うと槍を弾き返した。ルークは声高く言った。
「最高のパーティーをご披露しよう! 参加者はコロシアムにいる全員だ!」
{つづく}