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第6章「新時」 第1話 黎明
朝日が街を柔らかく照らす。
蒼色の波紋はすっかり消え、濡れた路面が金色に輝く。
リムの光も穏やかで、青と金が交わる柔らかな色で街を映す。
『……みなと、おはよう……』
「おはよう、リム」
俺はリムを手に抱え、街の平穏を感じながら深呼吸する。
ユウキはカフェの前でコーヒーを片手に、静かに新聞を読む。
レナは手帳に前日の戦闘の解析を記録しつつ、笑顔で三人を見守る。
街は平和だ。
しかし、潜影や波影の余波は完全には消えていない。
建物や路地に残る微細な蒼色の波紋は、いつ再び脅威に変わるか分からない。
――黎明。
新しい一日の始まりは、戦いの余波を抱えつつも、希望に満ちている。
『……ぼくたち、また守れる……!』
リムが光を跳ねさせ、未来への決意を示す。
「そうだな。これからも街を、みんなを守るんだ」
ユウキとレナも頷き、三人の絆がさらに深まる。
街の灯りが黄金色に染まり、夜の蒼色の余波を優しく包み込む。
新たな日常――それは、三人にとって小さな戦いを経て得た、大切な希望の光だった。
しかし、遠くの街角で微かに揺れる影。
――新たな事件の序章が、静かに動き始めていた。




