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第5章「潜流」 第1話 暗潮
街に朝日が差し込む。
しかし、平穏な光の中で、微かに不穏な揺れ――空気の色がわずかに違って見える。
『……みなと……変な気配……』
「わかってる。油断するな」
俺はリムを手に抱え、ユウキとレナと共に街の様子を観察する。
街の人々は普段通りに動くが、遠くのビルの影や路地に、微細な波紋が漂う。
――暗潮。
目には見えない、しかし確実に街に潜む異変の兆候だった。
ユウキが冷静に解析する。
「波影や潜影の残滓とは違う……これは新しい力の兆候だ」
レナも手帳に書き込み、三人の警戒態勢を確認する。
「街の感情や空気に微細な変化が出ている……慎重に行動しよう」
『……ぼくたち、また守る……!』
リムの光が跳ね、街に温かさを取り戻そうとする。
「そうだな。まだ序章に過ぎない、気を引き締めろ」
三人は視線を合わせ、新たな脅威への準備を始める。
街角に潜む微かな黒い影。
――暗潮は静かに、しかし確実に動き出していた。
夜明けの光の中、三人は再び戦いの覚悟を胸に刻む。
未来への新たな戦いが、静かに幕を開けようとしていた。




