45/60
第5話 渦縁
夜の街に、黒い影が渦を巻くように動く。
リムの光が青と金で渦の縁を描き、波影の輪郭を浮かび上がらせる。
『……みなと……渦、強くなる……!』
「集中だ、絶対に油断するな!」
俺はリムを手に抱え、ユウキとレナと共に渦縁を進む。
波影は奔流のように街を駆け回り、微細な波紋で三人を揺さぶる。
『……ぼくたち、絶対守る……!』
リムの光が炸裂し、渦の縁を押し返す。
「ユウキ、波紋の動きを読め!」
「了解! レナ、指示を!」
三人の連携が完全に噛み合い、渦縁の制御が可能になる。
リムの光が奔る影を遮断し、俺とユウキが隙間を突いて干渉する。
波影の攻撃は複雑で、街の灯りや反射を利用して予測を難しくする。
しかし、三人の連携と戦術的判断で、少しずつ制御可能な範囲に押し込まれる。
――渦縁。
波影の奔流は縁に沿って三人を試すように動き、戦術と連携の精度を問う。
この縁を押さえなければ、核心への攻撃は不可能だ。
街の蒼色と金色の光が揺れ、波影の黒と交錯する。
核心に迫る戦術――それは三人の絆と判断力を試す、渦中の戦いの鍵となった。




