第15話 渦心
廃工場の屋上、蒼色の光が狂おしいほどに渦巻く。
潜影は奔りながらも、意志を持って渦の核心を守る。
リムの光が青と金で渦を縁取り、中心への道を微かに示す。
『……みなと……ここが……渦の中心……!』
「よし、行くぞ!」
俺はリムを手に抱え、ユウキとレナと共に渦心へ向かう。
奔る影は渦の力を増幅し、街の感情を揺さぶる。
『……ぼくたち……絶対負けない……!』
リムの光が炸裂し、奔流の圧力を押し返す。
「ユウキ、中心の軌道を読め!」
「了解! レナ、指示を!」
三人の連携が完全に噛み合い、渦の縁と中心を同時に制御する。
リムの光が核心を照らし、俺とユウキがその隙間に攻撃を集中させる。
渦心の奔流は強烈だ。
潜影は最後の抵抗として奔り、周囲に強力な波紋を撒き散らす。
しかし、三人の連携とリムの光の力で、徐々に制御可能な範囲へと押し込まれる。
――渦心。
蒼色の現象の核心に直接干渉できる瞬間。
三人の力が完全に融合し、潜影の圧力を押し返す。
街の光と人々の感情が少しずつ安定し、渦心に潜む意志の波が弱まる。
リムの光が渦心を包み、蒼色の奔流が静まり返る。
三人は息を整え、初めて潜影の核心に到達し、街を守ることに成功した。
夜空に浮かぶ蒼色の光――
それは戦いの勝利と、三人の絆の証でもあった。




