第13話 奔影
夜の街に、蒼色の影が奔り、微かに人々の感情を揺さぶる。
リムの光が青と金で跳ね、影の輪郭を可視化する。
『……みなと……来る……!』
「よし、行くぞ!」
俺はリムを手に抱え、ユウキとレナと共に潜影に立ち向かう。
潜影は意思を持って奔り、街の光や水面に反射して揺らめく。
攻撃のタイミングは不規則で、三人の連携が問われる。
『……ぼくたち、守る……!』
リムの光が炸裂し、奔影の進行を押し返す。
「ユウキ、波紋の動きを読め!」
「了解! レナ、指示を!」
レナの声に合わせ、三人の光と動きが完全に同期する。
リムの光が奔影の進行方向を遮断し、俺とユウキが隙間を狙って干渉する。
潜影は渦の余波を利用し、微妙に三人を揺さぶる。
しかし、三人の連携は以前より強固で、奔影の動きに遅れず対応する。
――奔影。
潜影が放つ奔流のような影は、街の感情を巻き込みつつ三人の絆を試す。
しかし、リムの光と三人の連携によって、初めて制御可能な範囲に押し込まれた。
街の蒼色の光が少しずつ安定し、潜影は一瞬、静止する。
その間に三人は呼吸を整え、次の攻撃に備える。
戦闘は始まったばかりだが、初めて潜影に干渉できたことで、三人の自信は深まった。




