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第10話 波止

雨上がりの街に、穏やかな光が差し込む。

蒼色の波紋は徐々に収束し、街には人々の声と笑顔が戻り始めた。


リムは小さく揺れ、青と金の光を柔らかく照らす。

『……みなと……街、戻った……』

「そうだな、リム。よくやった」

俺はリムを手に抱き、微笑みながら街を見渡す。


ユウキも静かに頷き、手帳に解析結果を書き込む。

「蒼雫の渦は制御できた。しかし、完全に消えたわけではない」

レナが冷静に分析を続け、次の行動を示唆する。


蒼色の波紋の中心――渦点は穏やかな光を放ちながらも、微かに揺れている。

その揺れは、まるで次の脅威を予告するかのようだ。

――波止。

街を守った三人は、一時的に安堵するが、未来の危険に備える必要がある。


『……ぼくたち、もっと強くなる……!』

リムが小さく光を跳ねさせ、希望を示す。

「そうだな。俺たちなら、どんな波も止められる」

ユウキとレナも頷き、三人の絆がさらに深まる。


街の灯りに映る青と金の光――

それは、守り抜いた証であり、次なる戦いへの礎でもあった。

そして、三人の前には、未知なる脅威――新たな影の気配が漂い始める。


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