第4話 潮音
雨はほとんど止み、街に残る水滴が蒼色に光る。
リムの掌で光が揺れ、青と金が混ざり合い、街全体に微かに波紋を描く。
『……みなと……あそこ……』
リムが小さく光を跳ねさせ、廃工場の屋上を指す。
「よし、行くぞ」
俺はリムを手に乗せ、ユウキとレナと共に廃工場へ向かう。
屋上にたどり着くと、蒼色の小さな光の核――蒼雫が浮かんでいる。
その光から波紋のように青い水滴が広がり、街の感情を揺さぶっている。
『……怖い……でも……守る……!』
リムの光が強く揺れ、青と金が赤に触れそうな影を押し返す。
ユウキも小さく頷き、冷静に観察する。
「この核が原因か……」
レナが手帳に走り書きしながら分析する。
「周囲の波紋を制御すれば、影響を抑えられるはず」
三人はタイミングを合わせ、蒼雫の周囲に光を展開する。
リムの光が蒼色の波紋と重なり、微かな揺れが生じる。
『……ぼくたち……できる……!』
初めて、蒼色現象の中心に光を届けることができた。
しかし、蒼雫の内部から微かに異なる声が漏れる――
それは人間の声ではなく、何か意志を持ったかのような響き。
――潮音。
蒼色の波紋はただの現象ではなく、意思を持って街に影響を及ぼしている。
三人は初めて、その“存在”と対峙したのだ。
屋上の風に揺れる水滴と、リムの光が交わる瞬間、
三人の絆が、再び試される――そして新たな戦いの序章が始まる。




