表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/60

第2話 波紋

雨はまだ降り続け、街のアスファルトを濡らしている。

蒼色の光が水たまりに揺れ、夜とは違う冷たくも神秘的な雰囲気を作り出す。


リムは掌で小さく揺れ、青と金の光が交互に反射する。

『……みなと……あの水滴……変だよ……』

「わかってる、リム。俺たちで調べるんだ」


ユウキは雨に濡れた髪をかき上げ、静かに頷く。

「最近、街のあちこちでこの蒼い水滴が現れて、人々の感情や記憶を混乱させているんです」


俺はリムを手に乗せ、視界を広げる。

『……ぼく、助けたい……!』

リムの光が強く揺れ、蒼色の波紋を追うように伸びる。


三人は街を巡りながら、蒼色の水滴の影響を受けた人々を確認する。

声が出なくなったり、記憶が曖昧になったりと、影響は軽微だが確実に広がっている。

――これが、前章の黒い影事件とは違う、新たな脅威の形だった。


「リム、ユウキ、タイミングを合わせろ」

俺は街角の水たまりに光を照らし、蒼色の波紋を視覚化する。

リムの光が青と金に変化し、波紋を押し返すように広がる。

ユウキはその隙間から情報を読み取り、俺に指示を飛ばす。


『……ぼくたち、連携……!』

初めて三人の力が完全に噛み合った瞬間、蒼色の波紋が微かに収まり、街に落ち着きが戻る。


「なるほど……これなら、人々を安全に守りながら、現象の原因を追える」

レナが手帳に書き込み、作戦を整理する。


――波紋。

蒼色の現象が街に広がる中で、三人の連携と力を確かめる初めての試練だった。

そして、この波紋が引き起こす大きな事件の序章に過ぎないことを、俺たちはまだ知らない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ