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第5話 暗旋

夜。街灯に照らされた路地は、異様な静けさに包まれていた。

リムの光が微かに揺れ、青と赤の混じった色を放つ。


『……あいつ……もうすぐ……』

「分かってる。準備はできてるか?」

リムは小さくうなずき、金色の光が加わる。

「よし、行こう」

レナも手帳を握りしめ、決意の眼差しで頷く。


黒い影は路地の奥に立ち、微かに揺れる赤黒い光を纏っている。

その気配だけで、空気がねじれるように重い。


『……怖い……でも……守る……!』

リムが体を震わせ、光を最大に放つ。

俺はリムの背に手を置き、力を合わせる準備をする。


「レナ、あの光のパターンを覚えてくれ。

 奴の動きは感情の波に反応している」

「分かりました!」


三人は互いの力を合わせ、黒い影へと接近する。

リムの光が赤と青の感情を映し出し、影の動きを可視化する。

レナはその情報を瞬時に解析し、俺に指示を出す。


影が突然動いた。

街灯の影を利用して、一瞬で屋上へ飛び移る。

『……速い……!』

「落ち着け、焦るな!」


リムの光が怒りと恐怖を増幅させ、影の動きを封じる。

俺とレナは息を合わせ、街灯の影と光の隙間を狙う。


そしてついに――

影の一部が揺らぎ、赤黒い色が乱れる。

『……やった……!?』

リムが光を爆発させるように放つ。

黒い影の動きが一瞬止まり、街の空気に緊張と静寂が戻る。


「まだ倒してはいないが……

 奴の行動パターンは掴めたな」

レナが手帳を閉じ、安堵の息をつく。

「これで次は勝てる……三人で」

俺も頷き、リムを抱き上げる。


――暗旋。

黒い影との初めての直接対決で、三人は互いの力を確認した。

しかし、この先には、より強い試練と、街全体を揺るがす真実が待っている。


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