第4話 残響
黒い影との遭遇から一夜。
街にはまだ、裂声の余波が微かに残っていた。
リムは机の上で小さく揺れ、青と金の光を交互に放つ。
『……みなと……まだ、こわい……』
「大丈夫、リム。俺たちは一緒だ」
手を差し伸べると、リムは小さく反応して光を明るくした。
レナは手帳を片手に、街の状況をまとめている。
「被害者の声は、裂けたままのところもあるわ。
一部は回復しているけど……このままだと次の波が来る」
俺は思わず眉をひそめた。
――黒い影の力は単独ではなく、連鎖的に街全体に影響を及ぼしている。
つまり、今回の事件はまだ序章に過ぎない。
リムが光を震わせ、赤色が混じる。
『……あいつ……また……』
「わかってる。だから今から、三人で動くんだ」
俺はリムを手にのせ、レナと共に街へ出る。
被害者の残り香を辿りながら、声を封じられた人々を救う。
リムの光が感情を映し出し、レナの観察眼がその行動を導く。
『……ぼくたち、連携……!』
リムが体を小さく震わせ、光を強く放つ。
俺は拳を握り、街の暗がりを見据える。
「ああ、これが俺たちの力だ。協力すれば、何だって守れる」
街角で小さな声が戻る瞬間、残響が波のように広がる。
裂けた声が戻ると同時に、希望の光が街に差し込む。
――だが、遠くの屋上で、黒い影は再び赤く揺れていた。
三人の連携が初めて本格的に試され、絆が深まる瞬間。
――しかし、事件の本質はまだ完全には明らかにならない。




