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九斬


 矢如月が取り出しその姿を晒された短剣の妖刀《飛幽》を頂戴しようと考えている真助は黒い雷を全身に纏い敵の放つ殺気を消し飛ばすほどの力を解き放ち、真助の纏う黒い雷とその力を体感させられる矢如月はその強さに気圧されそうになっていた。

 

「何だ……この力は!?」

 

「何だ……ってか?

これはオレの力だ!!」

 

 真助の力に気圧されそうになる矢如月に強く返すと真助は走り出し、黒い雷を全身に纏った真助は先程までとは比べ物にならない速度で敵に接近して手刀で敵を仕留めようとする。が、矢如月は負けじと真助の手刀を躱すと一瞬で離れた位置に移動した上でボウガンを構えて数十の矢を一度に射ち飛ばして真助を仕留めようとする。

 

 しかし……

 

「甘い!!」

 

 矢如月が放った矢に対して真助は叫ぶように言うと纏う黒い雷の一部を撃ち飛ばし、撃ち飛ばされた黒い雷は力を増しながら炸裂して全ての矢を消し飛ばし、さらに黒い雷は炸裂した余波を利用するかのように衝撃波を生み出すと矢如月にぶつけて吹き飛ばそうとした。

 

 しかし……

 

 衝撃波に襲われた矢如月はまるで霧のように消えてしまい、矢如月が消えると同時に真助の周囲に6人の矢如月が現れる。

 

 本来ならありえない事だ。1人の人間が6人も確認されるなんて事はありえない……なんてことは普通に過ごし生きてる人間の感性での話だ。真助にとっては驚くことのないこと、強いて言うなら矢如月にそんな事が出来るのかと意外に思うことだけだ。

 

「……なるほど、超高速による視認不可の移動かと思ったら見当違いか。分身、それを生み出せるってのがそいつの力か」

 

「あまり驚かないのか」

「驚かねぇな。オマエが妖刀を所持してるんなら何かしらできてくれなきゃ面白みがないからな」

 

「ふっ、情報通りの戦闘狂か。流石は戦闘種族、戦いのためなら他は気にもしないか」

「一応は思考するがな。で……タネ明かしはしてくれんのか?

まぁ……いらねぇけどな!!」

 

 6人の矢如月に驚くこともない真助は黒い雷を纏った状態を維持した状態で動き出すと6人の矢如月の中の1人に接近して手刀で敵の体を貫き、体を手刀に貫かれた矢如月が消えると真助は別の人1人のもとへと一瞬で移動すると足に黒い雷を集中させながら回し蹴りを放って首をへし折り、さらに3人目に迫ると黒い雷を纏い直しながら目にも止まらぬ速さで連撃を叩き込みながら倒してみせた。

 

 3人の矢如月が真助の攻撃によって倒れると残る3人の矢如月は真助を倒そうと動き出そうとする……が、真助は右手に雷を集めるなりその手を敵に向けてかざして黒い雷を外部へと強く放出させ、放出された黒い雷は敵に迫ると3人を同時に貫き倒していく。

 

 6人の矢如月、全員が真助の攻撃を受けるとその全員が霧のように消えてしまい、6人が消えると新たに1人の矢如月が《飛幽》を構えながら真助の背後に現れて背中から斬ろうと襲いかかろうとした。

 

 が、真助はそれを読んでいたのか敵の姿を確認することなく躱すと回し蹴りで敵の腹を蹴って怯ませると敵の顔を強く殴っていく。

 

「くっ……!!」

 

「おうおう、こんなもんか?

妖刀の使い手と思ってたのに大したことなくてガッカリだな」

「ふざけたことを……!!」

 

 真助の言葉を受けた矢如月は殴られたことにより口内を切って血を流しながら殺意を抱き、。抱いた殺意を抑えられない矢如月は至近距離から確実に仕留められるように《飛幽》を突き刺すようにして攻撃を仕掛けようとした……が、矢如月がそうしようとしたその時、真助の黒い雷を纏った手刀が妖刀を持つ左手を貫き切断してしまう。

 

「ぁぁぁぁあ!!」

「残念だったな。その程度なら簡単に読める。

というかオマエ、技量は高いくせして妖刀抜いてから力に頼りすぎだな」

 

「黙……れ!!」

 

 左腕を切断された痛みに襲われながらも矢如月は耐えつつ力を振り絞るかのように真助との距離を一瞬で離すと右手に持ったボウガンを構えて矢で真助を貫こうとした。

 

「死……

「甘過ぎんだろ」

 

 矢如月がボウガンの引き金を引こうとしたその時、真助は自身が手刀で切断した矢如月の左腕に装備されていた《飛幽》を拾うなり敵が引き金を引くより素早く投げ飛ばし、投げ飛ばされた短剣の妖刀は矢如月の額を貫くように突き刺さる。

 

 

 額を貫かれた矢如月の体は背中から倒れるように肩向き、その状態でボウガンの引き金が引かれて矢は標的のいないところを飛んでいってしまう。

 

 そして矢如月は額を貫かれたことにより死に至り、背中から倒れて最期を迎えてしまう。

 

 矢如月の最期を確認した真助は黒い雷を消すなり矢如月の遺体に近づき、彼の死因となる致命傷の一因となった額に刺さる短剣の妖刀を回収しようとした。

 

「あの世でゆっくりしてな。オマエの妖刀はオレが……」

 

 真助が《飛幽》を遺体から抜くべく触れようとしたその時、突然妖刀が怪しい光を天に向けて撃ち飛ばし、撃ち飛ばされた光が花火のように炸裂すると連動するようにして《飛幽》が砕け散り、そして矢如月の遺体が灰となって消えてしまう。

 

 目の前で起きた予想外の事に言葉を奪われる真助。彼の目の前で起きた現象、果たしてこれは……

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