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六十九斬


 新たな妖刀《狂鬼》を手にした真助と妖刀《神災》を手に構える弥勒が睨み合う。

 

 時間稼ぎの如く弥勒の相手をしていた刀哉とクライスは真助と新たな妖刀に託すかのように纏う力を消して武器を下ろし、美琴は真助の言葉を受けて引き下がった空牙とともに真助を見守るように立っていた。

 

 刀哉たちが見守る中、真助は息を吐くと黒い雷を強く纏いながら先に動き出し、真助が動き出すと弥勒は闇を纏うと迎え撃とうと走り出す。

 

 動き出した2人、互いの距離が迫ると敵を仕留めようと妖刀を振り、真助と弥勒の振った妖刀同士は敵を倒そうとする過程で相手の妖刀とぶつかると火花を散らすと共に周囲に強い衝撃を発するほどの力のぶつかり合いを引き起こす。

 

 《狂鬼》と《神災》、真助と弥勒の妖刀がぶつかり合うことで引き起こされる衝撃は妖刀を握る2人を引き離すように吹き飛ばしてしまうが真助は着地すると同時に黒い斬撃を飛ばし、弥勒も着地すると闇を纏った斬撃を飛ばす。

 

 黒い斬撃と闇を纏った斬撃は先程のように敵を倒そうと斬撃同士でぶつかり合うが、真助の黒い斬撃は弥勒の斬撃とぶつかり合うと黒い雷を帯びるようにして力を増して弥勒の斬撃を押し切ってみせ、黒い斬撃はその力を高めながら弥勒へと迫っていく。

 

「ちぃ……!!」

 

 禍々しい鎧を纏った弥勒は斬撃が迫ると闇と共に禍々しい気を解き放って黒い斬撃を消し去ろうとするが真助の斬撃の力は禍々しい気と闇を吹き飛ばしながら弥勒に襲いかかる。黒い斬撃は弥勒に直撃したかのように見えたが弥勒が解き放った禍々しい気と闇を消し飛ばした際に軌道が逸れたのか弥勒へは直撃せずに敵の左肩を斬るようにして終わってしまう。

 

「この……っ!!」

 

 黒い斬撃を左肩に受けた弥勒はそれによって負った傷を闇を用いて消そうとするが、弥勒が負傷を消そうとすると真助は黒い雷を纏いながら加速すると弥勒の背後に現れて敵を仕留めようとする。


「仕留める!!」

「……好きにはさせん!!」

 

 真助の背後からの接近と襲撃を感知した弥勒は闇を纏って自身の機動力を高めて超速で動き出すと真助の攻撃を躱し、真助を翻弄するかのように超速で真助の周囲を駆け回ると彼を仕留めようと闇の刃を無数に放っていく。

 

 四方八方から迫り来る闇の刃、弥勒の放った無数の刃が迫る中で真助は左手を軽く噛んで噛み傷をわざとつけると血を少し流させ、流れた血を素早く《狂鬼》の刀身に落とす。《狂鬼》の刀身に真助の血が触れると真助の全身に黒い雷とは似た異なる気にも似た強い力が纏われ、強い力を纏った真助は弥勒に対抗するかのように超速となって弥勒の放った無数の闇の刃を一瞬で斬り落として全て防いでみせた。

 

「なっ……」 

「こんなもんかよ弥勒。オマエのご自慢の妖刀の力は。

オレを倒すんだろ?だったらその力、見せてみろ!!」

 

 自身の放った無数の刃が防がれたことに弥勒が驚きを隠せず動きを止めてしまうと真助は弥勒に本気を出させようと《神災》の力を見せろと強気に発言した上で黒い雷を纏いながら再度接近して連撃を放ち、真助が連撃を放つと弥勒は《神災》を用いて防ごうとするが真助の放つ連撃は放たれる速度だけでなく一撃一撃の力も高いせいか次第に弥勒の防御が追いつかなくなってしまい、それどころか気がつけば防ごうとする弥勒が後手に回されるほどの速度となった連撃が彼の纏う禍々しい鎧に幾度となく命中して装甲を破壊していた。

 

「あ、ありえない……!!」

「いつまでも現実から逃げてんじゃねぇぞ弥勒!!」

 

 自身が追い詰められていることが信じられないでいる弥勒が一方的に攻撃を受け続けている中で真助は実力差があることは現実であること、その事実から目を逸らしていると言葉を放つと共に黒い雷を纏わせた《狂鬼》で鋭く素早い突きを放って弥勒の胸を穿とうとし、真助の放った一撃は防がれることも無く弥勒の胸を守る鎧に直撃する。

 

 真助の妖刀の突きが直撃するとその一撃の力が弥勒の全身を襲うように彼を吹き飛ばし、吹き飛ばされた弥勒が倒れると同時に彼の身を守るように纏われていた禍々しい鎧が砕け散って消えてしまう。

 

 ありえない、と弥勒は譫言のように呟きながら何とかして立ち上がろうとし、何とかして負傷した体を立ち上がらせた弥勒が《神災》を構えると彼の妖刀が悲鳴にも奇声にも聞こえるような不気味な音を発しながら禍々しい気と闇が混ざったような力を弥勒に纏わせていく。

 

「……どうやらオマエの悪巧みで止められていた魔力の流れが戻り始めたようだ。これならここから挽回してオマエを……

「挽回なんて思考、生温いぞ弥勒」

 

「何?」

「長々と付き合うつもりは無い。次で最後の一撃……オマエとのこれまでの全てに終わりを告げる!!」

「……調子に、調子に乗るなよ真助ぇぇぇ!!」

 

 真助の言葉を受けた弥勒は怒りの感情を剥き出しにするように叫びながら妖刀によって纏わされた力を高め増幅させ、弥勒の力が高まると真助は《狂鬼》を構え直すと共に黒い雷を全身に駆け巡らせると弥勒を斬るべく走り出す。

 

「いくぞ弥勒、これがオレとオマエの……妖刀に見染められたオレたちの因縁の幕引きだ!!」

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