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二十六斬


 鎧武者、そこから声を放つ『主様』に向けて強気に言葉を告げる真助。真助の言葉を受けた鎧武者は闇を強く纏うなり刀を構え、鎧武者が構えると『主様』は軽く笑うと真助の言葉に対して反論していく。

 

『笑わせないでもらえないかな?1つの流派を極めることもしていないキミにあらゆる流派を持たせたコレを倒せるわけが無い。仮に倒せるとしてもそれはキミの手に馴染む妖刀があればの話だ。妖刀はおろか無銘の刀すら壊れて能力で補うように使う今のキミには勝てる見込みは無いに等しいということだ』

「ならそのご自慢の流派詰め込み人形で証明してみろよ。大口叩いて倒されたら赤っ恥だぜ?」

 

『万に一つにもそんな可能性は無い。そしてその可能性がキミのもとへ舞い降りることもありえないのだよ』

 

 挑発するかのような真助の言葉に対して『主様』は落ち着いた様子で返し、『主様』が言い終えると鎧武者は真助を倒すべく動き出そうと一歩踏み出した。

 

 鎧武者が動こうと踏み出したと同時に真助は体勢を左に傾けながら地を蹴るとそのまま鎧武者から遠ざかるように左側へと駆け出し、真助が走り出すと鎧武者は踏み込んだ足で地を強く踏むと刀を構え直し、そして駆ける真助の進行方向の先に向けて闇を纏った斬撃を飛ばしていく。

 

 鎧武者の飛ばした斬撃は真助を直接狙わずに彼が向かおうとしてる進行先を阻むように飛んでいき、斬撃の軌道を察知した真助はこのまま進んで直撃するのを避けるべく失速すること前提でその場で止まろうとした。

 

 すると鎧武者はそれを待っていたかのように一撃目を放った勢いを殺すことなく回転してニ撃目となる斬撃を新たに飛ばし、飛ばされた斬撃は止まろうとした真助の今いる場所に向かっていく。

 

 だが真助は鎧武者がニ撃目を放つと同時に止まろうとしていた足を再び動かし、今度はニ撃目として放たれた斬撃へと自ら迫っていく。

 

「ここだろ?」

 

 最初の斬撃が標的のいない所を飛んでいく形で不発に終わる中でニ撃目の斬撃に迫ると真助は何かを感じ取ったかのように横へ飛んでニ撃目も躱し、2つの斬撃を躱した真助は地を強く蹴ると鎧武者との距離を詰めようと加速していく。

 

 真助が加速すると鎧武者は迎撃しようと闇を強く纏いながら走り出して真助へと迫って刀を振り下ろそうと構えるが鎧武者が刀を振り上げると真助は敵に迫ると背を向け、背を向けた真助は走ってきた速度のまま鎧武者との距離を詰めると同時に華麗な動きで敵の背後へと回り込んでいく。

 

 真助の華麗な動きに無駄はなくその速度に反応出来なかった鎧武者は振り上げる刀を敵もいないところへ振り下ろし、鎧武者が攻撃を空振りに終わらせると真助は右手に持つ黒い雷の刀で鎧武者の右腕を切断していく。

 

 腕を説だんされた鎧武者は一瞬怯むような反応を見せるも左手に刀を持ち直すと真助の方を振り向くと同時に斬り掛かる……が、真助は右手に持つ黒い雷の刀で受け流すように防ぎながら敵の懐へと潜り込む。

 

 敵の攻撃を受け流すように防ぎ受けた右手の刀は完全に壊れてしまうも真助はそんなこと気にすることも無く勢いよく回転しながら左手の黒い雷の刀で一閃を放って鎧武者の体を抉るような損傷を与える。一閃を受けた鎧武者の身に纏われる装甲は今の一撃で酷く損壊し、損壊した箇所より闇が吹き零れ出す。

 

『まさか……』

「これで終わりだ!!」

 

 鎧武者が追い詰められる光景に『主様』が意外そうな声を出す中で真助は黒い雷の刀で鋭い突きを放って鎧武者の頭部を穿ち、黒い雷の刀で穿たれた鎧武者の頭部は攻撃を受けた衝撃で炸裂するように破壊され、そして鎧武者は糸が切れたかのように膝から崩れ落ちて倒れていく。

 

 鎧武者が倒れると真助の黒い雷の刀はまた砕け散り、鎧武者を倒した真助の戦う姿を目にした美琴は驚きを隠せなかった。

 

「す、すごい……!!別人のように動きが……」


 美琴が驚く中で真助は倒れた鎧武者に近づくと右手に黒い雷を纏わせながら手刀を構え、手刀を構える真助は鎧武者越しに話していた『主様』に向けて話していく。

 

「わるいな主様とやら。いくつもの流派を備えていたはずなのに壊しちまって」

『……まぁ、いい。おかげで面白いものが見れた。ところで1つ聞かせてもらおうか?何故コレの動きを見切れた?』

 

「簡単な話だ。流派を持つ者には必ず癖がある、数多の流派を備えてるならその癖は絡まるように露見する……残念だが、オレから見たらこの人形は基本に忠実すぎて読みやすかったって話だ」

『訳の分からないことを……。コレに隙や癖があったとしてもそれを突くだけで倒せるなんておかしな話だ』

 

「けど倒せた。つまり我流のオレが優ったってことだ」

『そうか……では、本当か試してみよう』

 

 真助の言葉を疑う『主様』の一言に反応するかのように天から新たな鎧武者が現れ、鎧武者が現れると真助は黒い雷を纏わせた手刀で応戦しようと構えようとする……が、真助が構えようとしたその時、新たに現れた鎧武者は音もなく何かによって両断され、両断された鎧武者が倒れると遠く離れたところに刀を構えた男が現れる。

 

「誰だ……!?」

 

 鎧武者を倒したと思われる男の出現、敵か味方か分からぬ男を前にした真助が警戒する中、真助の倒した鎧武者は……

 


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