二十二斬
《斬鬼会》の兵士たちが迫り来る中で刀を構えた真助は大型のメイスを構えた美琴と共に敵を迎撃するべく走り出し、敵の軍勢に迫ると攻撃を仕掛けていく。
「おらぁ!!」
手にした刀を強く握るなり勢いよく振るなり斬撃を飛ばして兵士たちを吹き飛ばし、斬撃を免れた兵士たちが迫ってくると真助は不敵な笑みを浮かべると手にした刀に軽く黒い雷を纏わせながら斬り倒していく。
斬撃を受け吹き飛ばされた敵は勢いよく倒れ、真助に斬り倒された兵士は肉を大きく抉られる形で倒れ血を流しながら意識を失い、真助は倒れた兵士の1人の首を掴んで持ち上げると敵の軍勢の方へと放り投げ、兵士が投げ飛ばされると敵はそれを避けようと二手に分かれるように動き、真助は刀を持ち直すと二手に分かれるように動いた片方へと迫り走ると次々に敵を斬り倒していく。
「オラオラ!!次来い次!!」
「こ、コイツ……!!」
「危険すぎる!!第二波はまだ……
「余所見すんじゃねぇぞ!!」
真助が次々に斬り倒していく様を見た敵の兵士たちが狼狽え始めると真助はそれをも斬り伏すかの如く勢いで更なる攻撃を放って敵を倒し、敵の兵士の数人は真助の攻撃から逃れようと美琴の方へ向かおうとし始めた。
「あ!?逃げんな!!」
「作戦変更だ!!まずはあの女を……
「はぁぁぁぁぁあ!!」
敵が狙いを美琴に変えて動こうとすると真助は逃げるなと叫び、その叫びが聞こえながらも無視する兵士たちは美琴に接近して攻撃しようとするが、兵士たちが美琴を倒そうと作戦を立てようとしていると美琴は大型のメイスを両手で持ち上げるなり豪快に振り回して敵を薙ぎ払い、さらに美琴はメイスを勢いよく振り回して烈風を巻き起こすとそれを解き放って離れたところで構える兵士たちをも吹き飛ばし倒していく。
「うわぁぁぁあ!!」
「へぇ、派手に暴れる女だな」
「細かい事考えるのは苦手なのよ。これくらいの方が気持ちいいから……ね!!」
細く考えるよりもこのやり方がいいと真助に話す美琴はメイスを振り上げると迫り来る1人の兵士に向けて振り下ろして敵の武器を粉砕し、さらにメイスを敵に直撃させるとその勢いのまま敵を地に叩きつけ骨を砕き潰していく。
「ぎゃぁぁあ!!」
「……えぐい倒し方するな」
「コイツらに情けはいらないでしょ？
それに私の事言うならアンタも大概よ？」
「そうかもな」
美琴の敵を叩き潰すメイスでの攻撃に驚かされる真助は美琴の言葉に軽く返すと刀を逆手に持つなり背後から迫り来る敵の胸に刀を突き刺し、さらに刀を刺した敵の持っていた武器……刀を奪い取ると自身の右側から来る敵に対して真助は刀で素早く突きを放って敵の脳天を穿ち殺す。
脳天を穿った刀を敵から引き抜くと真助は背後から迫り殺された敵の胸に刺した刀をも抜いて回収すると二刀流となって構え直す。
「まぁ、ここにいるやつらは全員悪党だから殺しても構わねぇからやり方は拘らねぇがな」
「見方を変えれば《斬鬼会》はテロリスト、テロリストを掃除したと解釈してもらえば罪は免れるかしらね」
「罪とかどうでもいい……オレの邪魔するなら倒すだけだ!!」
「倒すのはいいけど1人か2人は情報聞き出すために残しときなさいよ!!」
「余裕があったらな!!」
敵を殲滅すべく真助が意気込む中で美琴は敵を薙ぎ払いながら万一の情報収集のための捕虜確保について伝え、真助は『余裕があったら』と承諾したかしてないかハッキリしない返事だけをして敵を倒していく。
勢いを増す真助と美琴、2人に対して数十倍の圧倒的な数による物量で攻めてきた《斬鬼会》の兵士の軍勢は押しに押され圧倒されて残存勢力の一部は次第に退きつつあった。
数では圧倒的だったがそもそもの話、彼ら兵士たちの個人の力は真助と美琴の双方及びどちらかにも適わぬほど弱い。つまり、数を揃えたところである意味無駄だったのだ。
もはや手こずることも無い相手に対して真助は2本の刀に黒い雷を纏わせ力を高めさせると敵を一掃すべく一撃を放つ態勢を取る。
「これ以上は時間の無駄……運良く1人生きてることを願ってろ!!」
「待ちなさい!!確実に確保……
「性に合わねぇから却下だ!!」
美琴の忠告を無視し、挙句やり方が性分に合わないとして拒否した真助は自身の好むやり方で敵を一掃しようと一撃を放とうとした。が、その時だった。
一撃を放とうとした真助が2本の刀を振ろうとしたその時、彼は何かをその身で感じ取ると攻撃しようとした手を止め、真助が攻撃を止めると天から何やら闇を纏った何かが落下してきて敵の兵士たちを吹き飛ばし戦塵を起こしながら全滅させていく。
何が落ちてきた？闇を纏うそれが何か分からぬ真助と美琴が警戒しながら武器を構えていると兵士たちを吹き飛ばし現れた闇を纏う何かが起こした戦塵の中より姿を見せる。
姿を見せたそれは……髑髏の意匠の仮面をつけた鎧武者だった。
「何だ……コイツ!?」
「嘘……でしょ!?」
