無力感
前話は3か月前...。高校入学してから忙しすぎたんです。許してください、なんでもしません。
<8話:無力感>
「なんて情けないんだ、俺は!」
痛む右目を押さえながら逃げている。
アリアネさんはゴブリンの群れで見えなくなっていたように見えたが、生きていた。
そして、俺に向かって【応急回復】を放った後、満足そうな顔でゴブリンの棍棒によって叩き伏せられ、今度こそ倒されてしまった。
その満足げな顔と魔法は俺に生き延びてほしいのだと思わせた。俺より、貴族である彼女の方が生き延びるべきであったのに。
「『私はただの聖職者であって、もう貴族ではありません。』って怒られるな...。」
アリアネさんとルチアは、この前、結婚して、冒険者を辞めた魔法使いの代わりとして参加したばっかりで、才能はあるが、新人だった。
だから、俺とダリトでパワーレベリングをするつもりだった。
だが、結果はこうだ。アリアネさんは倒され。ダリトは重傷。俺も怪我をしている。無傷なのはルチアだけだ。
「あの二人は無事に逃げることができたのか...?」
そもそも、本来は簡単にクリアできるはずだったのに、あの一番最初に吶喊してきた喋るゴブリンのせいで全てが覆った。そのあとは他のゴブリンまでもが狂気的なほどの突撃をしかけてきたんだ。
それに、遠距離から投石攻撃も受けた。あれもゴブリンが投げてきていた。
普通では絶対にありえないことだ。
「やはり、あの喋るゴブリンは上位種だったのか?」
しかし、それにしては普通のゴブリンと喋ること以外、大差なかった。
いや、未完成だったが巣の周りに防壁のように丸太が建てられていたな。
あんなにゴブリン共の技術が進むこということはやっぱり上位種が出たとしか考えられない、か。
この辺りのゴブリンの上位種といえば、真っ先に思いつくのは、10年前に生まれたゴブリン・ロードしかない。
「早く戻って、ギルドに報告しないと...。戻ったら俺は罰せられるのだろうか?アリアネさん...男爵の令嬢を行方不明にしてしまったのだから...。いや、そんなことは今考えるべきではない。」
俺は歩みを進めた
目が覚めた。
ここはどこだったけ?
背中が引きつっている。筋肉痛みたいだ。
ベットがやけにガサガサしていて寝心地が悪い。...ベット?
二度寝しようと閉じたままだった目を開く。
岩肌が見えて、いつもの様に異世界に来たことを思い出させるが、なぜかベットのようなものに眠らされていた。
「あ...そうだった、冒険者が来て、それで...。」
あの時、自分は背中からざっくり切られて、そのまま気を失ったんだ。最近やけに気絶している気がする。
今こうして自分が生きているということは。ゴブリンが勝って、追い払うことに成功したんだろう。
僥倖だな。よし、二度寝しよう。どれだけの犠牲者が出たかは寝てから考えよう。
現実逃避しようとして、伸びをしたら、
「ロード様!起きられたのですか!?」
これは、長老の声だ。
起きてることがバレちまったから。仕方なく起き上がった。
あれ、今、長老なんて言った?
「おおよかった。新たなゴブリン・ロード様が亡くなられたらどうしようかと。」
「ゴブリン...なんだって?」
「ゴブリン・ロード様です」
思わず、目を見張り、固まるしかない。
なるほどそうか。
この異世界に来たなら何かあると思ったが、ダークファンタジーか。
目標は世界征服ですか?
「なんで、自分がゴブリン・ロードになってるんだ?」
「ほぅ、前ロード様とは違い大きく動揺しないとは、とても胆力のある素晴らしい御方だ。」
うわ、歯がムズムズするようなお世辞だ。
「して、なぜゴブリン・ロードに進化できたのかというと、儂にもわからぬ。」
自信満々に断言された。
「しかし、ロード様はどのような生活を送られるのかは知っておる。」
なるほど、長老がロードの教育係兼、お世話係なのかな?
思いのほか冷静になのは、寝起きの為、混乱するような元気がなかったからか?
読んでいただきありがとうございます。




