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メシマズ彼女と春野君  作者: おいも軍曹
メシマズ暴君と春野君
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メシマズ暴君(天使)と春野君

翌日、僕はいつもと変わらずぼっちだった。

昨日は色々あったなぁ、1ページ戻れば何があったか書いてあるからわざわざもう一度書いたりはしないけど。いやぁ僕にあんなリア充みたいなイベントが起こるとは思いもよらなかった。

まぁだからといって僕のぼっちライフに変化があるわけじゃないんだけどね、悲しいけど。


そんなこんなで誰とも話さずお昼休みを迎えたその時事件は起こった。


「卯月いる~?」

女神もとい暴君もとい水無先輩が僕のクラスに突然やってきたのだった。

唖然として開いた口が塞がらない、いやなんで来てるの?意味が分からないんだけど!?

それはどうやらクラスメイトも同じだったらしく、一瞬静まり返った後一気に歓声が沸いた。

芸能人が来たのかと思うくらいの歓声が響く、それを聞いたほかのクラスの人たちもなんだなんだと集まってきている。

この状況下でぼっちの僕が先輩に声を掛けられるはずがない。気配を消してやりすごそう、大丈夫、ぼっちは影薄いからなんとかなる!


フラグだったよね、僕の発言。しっかり回収されるタイプのフラグでした。

「あ、卯月みーっけ!」

どうやら先輩には気配遮断スキルを無効化する能力が備わっているらしい、あっさり僕の存在がばれてしまった。

一斉に僕の方へと視線が集まる、やばいこんなに見られてるのなんて人生初だよ...吐きそう。

そんな僕の心情は露知らずの先輩は、好きなものを目の前にした小さい子のように目を輝かせ僕の机の前まで来た。

「もー、声かけてくれれば探さなくて済んだのにー」

「え...あ...いや、す...すいません」

全然志向がまとまらない、緊張で口の中はパッサパサだし冷汗もドバドバ出ている。

先輩と話している僕に対する視線がすごく痛い、「女神が会いに来るとか何様だあいつ」とか「あんな影薄そうな人に女神が何の用だ?」とか聞こえてくる。いやほんとごめんなさい。

「そ...それで先輩はどうして僕のクラスに...?」

「もうお昼休みだしさ、早く卯月に会いたくて来ちゃった」

もう周りの目とか全然気にならなくなるくらい、その一言に僕の心は奪われてしまった。いや可愛すぎかよ!

ほんとこないだまでの暴君どこ行ったんだよ!戻ってこなくていいけど、まだ僕の中で整理がついてないよ!

「う...うぉぉ」

何か変な声が出た、仕方ないよねこんな経験値0だもん。そりゃ変な声も出るわ。

「...迷惑だった?ごめんねいきなり...」

その言葉にはっとする、馬鹿野郎!こんな可愛い人になに暗い顔させてるんだ!経験ないからってひよっちゃダメだろ!

「全然迷惑じゃないです!むしろ嬉しいです!僕も先輩に早く会いたかったです!」

「ほんと!えへへ、よかったぁ」

あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~

ついひと昔はやったネットスラングが心の中でこだましてしまった。夢を見ているのかな?現実にこんな可愛い人がいるだなんて思わなかったよ...

「あ、お弁当忘れちゃったから取ってくるね!卯月は先に行ってて!」

そういって先輩はぴゅーっと教室を出て行った。もうお転婆さんなんだからっ!


さてと、それじゃそろそろ行こうかなと席を立ち周りを見渡す。顔から血の気が引いた。


そういえばそうだった、ここ僕のクラスだった

僕と先輩の会話をばっちり聞かれていたわけですから、この後の展開は皆さんお分かりですよね。


クラスメイトとその他大勢による、僕への質問という名の言葉のリンチが始まった。



♦♦♦



ようやく解放され、よろめきながらもいつもの場所へと向かった。

ドアを開けた先にいる諸悪の根源と目が合うと、むすっと頬を膨らませ僕の方へとかけてくる。

「ちょっと、遅いじゃない!お腹空いて死にそうなんだけど!」

つい先ほどまでのしおらしい態度はどこに行ったのか...

「先輩が出て行ったあとクラスメイトに質問攻めにあったんですよ」

「そんなの無視すればいいじゃない!あたしを優先しなさいよ!」

顔が熱くなる、いやラブコメ的な要素は皆無なのはわかってるんだけどね?

それでも今の先輩の言葉は耐性のない僕の心をかき乱すのには十分な威力を持っていた。

「これからは何よりもまずあたしを優先すること!いいわね?」

「は、はい!」

この先どれだけ振り回されることになるんだろう。考えるだけで頭が痛くなってくる。

けど、意外と嫌じゃないって思ってる当たりこの人に付き合わされてる毎日を楽しんでるんだろう。


せめて、楽しいだけでの生活が送れますように。

心の中でそう願い、今日も先輩と楽しい時間を過ごしていく。

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