暴君崩壊 3
先日起きた僕による水無先輩への下克上は、女の涙っていうどう足掻いても勝てない状況に追い込まれ無事に失敗に終わった。
当然首謀者の僕は主人に逆らった罰として、とてつもなく酷くそして残酷な罰を受ける....
遡る事先日の下克上の後、泣き止んだ先輩は「今日はもう帰る」とだけ言いそそくさと帰ってしまった。
それから昨日の夜まで僕は先輩と話もしてないし連絡もとってなかったが、突然先輩からメールがきた。
「明日のお昼休み、いつもの場所に来て」
これは...いったい...
考えられるのは先輩による僕の死刑宣告。それしかない。あの暴君からの呼び出しなんて悪いことしか起きる気がしない。
全然連絡もないのにいきなり呼び出しだよ?さぞご立腹に違いない。きっとこの数日僕への復讐を考えていたんだろう。それもとびっきりエグいやつ。
...考えるのやめよ。辛くなる。
よし、いっそもう開き直ろう!もう人生お先真っ暗になるし!
あの暴君に逆らった上に泣かせるなんて死んでも許されないようなことしでかしたしね!
でも言いたいこと言えたしスッキリしたよ。今はとても清々しい気分なんだ!やったね!
...。嘘です。後悔しかないです。開き直るなんて無理です。神様助けてくださいなんでもします。
そして翌日。とうとう僕の死刑執行日が来てしまった。いつもなら先輩が待っている空き教室で、今日は僕が先輩を待っている。
死刑宣告を受ける前ってこんな気分なんだなぁ。辛いなぁ。帰りたいなぁ。
今日一日気が気じゃなかった。変な汗は止まらないし、授業は頭に入らないし、ご飯は美味しくないし、友達はいない。最後のは今日に限った話じゃないけど。
とにかく、今日という日が来なければよかったのにって本気で思った。
そして、僕の後悔と苦悩を終わらせるかのようにドアが開く音が鳴り響いた。
ドアの向こうには怒りの形相をした暴君が僕への復讐で顔を真っ赤にしていることだろう。
覚悟を決めた僕は、ドアの方へ振り返り先輩を見た。
そこには怒りではなく、恥ずかしそうに下を向いている美少女が一人
?
え、どういう表情ですかそれ?予想と全然違う表情に僕は戸惑いを隠せない。
僕も先輩も一言も発する事なく、ただただ時間が過ぎていく。
なんだこの状況!!




