暴君崩壊 2
「ひっぐ....えっぐ....うぅ....」
ちょっとばかしいつもの仕返しをしてやろうとしたら大泣きされた件について。
どうしてこうなった...最近の僕このセリフ多様しすぎじゃない?というかこのセリフを使う場面に遭遇しすぎじゃない?
「せ...先輩?そろそろ泣きやんでくれると嬉しいというか、なんで泣いてるんですかね...?」
「うぐっ...だってぇ...卯月が意地悪言うからぁ...いつもはなんでも言うこと聞いてくれるのに...意地悪言うからぁ...」
意地悪言った覚えはないんだよなぁ。
「意地悪は言ってないですよ?ただ少し自分の態度を改めて欲しいなぁってお願いをしただけですよ?」
「でも!ご飯作ってくれないって言ったじゃん!!」
そういって泣き出す先輩は、まるで小さい子が駄々をこねているようだった。
「もうやだ!卯月なんて嫌い!ばか!あほ!まぬけ!」
小さい子なら許せるんだけどなぁ...姪も同じように駄々こねる時あるけど許せるもんなぁ...
『でも...これ以上泣かれてもあれだし』と若干の心苦しさから、僕は仕方なく先輩を宥める事にした。
「ごめんなさい、ちょっと言いすぎました。もう意地悪しないので泣きやんでください」
「...ほんとに?ほんとにもう意地悪しない?」
「もうしませんよ、約束します」
「ほんとのほんとのほんとに意地悪しない?」
「ほんとのほんとのほんとに意地悪しません」
「明日からもご飯作ってくれる?」
「.....」
どうしよう、それはお断りしたい。飯奴隷から解放されたい。
「ねぇ...だめぇ?」
うるっとさせた瞳に上目遣いは反則だよ!ずるいよ!そんなんもう....もう!!
「勿論です、明日からも僕が作ったご飯を食べてください」
「うん!」
言い訳させて欲しい。
美少女にお願いされて断れる男はどこを探してもいないはずだよ。だから僕の行動は間違ってないはずだ...うん、間違っては無いと思う
...。
仕方ないじゃん!泣かれちゃうし、あんな顔でお願いされたら断れる男なんていないよ!未だにドキドキが止まらないよ!ちくしょうめ!どうせ僕は一生飯奴隷だよ!