暴君襲来 6
僕の渾身のもこ○ちには全く触れず、サンドイッチを見つめる水無先輩。
その姿はまるで餌を前にして待てをされた犬のようで...
「ねぇ!?食べていい?もう食べていい?」
どうやらこれ以上我慢は出来ないようだ。もう少し躾をしっかりしないとだめだな。
・・・あっぶね!なんかいけない道に踏み込んでなかった!?
美少女が我慢してる姿はいろいろアウトだね!これ以上は考えないようにしよう。
ぱぱっと食卓料理を並べて僕は水無先輩にこう言った。
「お待たせしました、それじゃ食べましょうか」
「うん!いただきます!」
今日一の笑顔で応える先輩。だからそれ反則ですって!心が絆されちゃうって!
1人悶々としている僕を横目に先輩は大きく開けた口でサンドイッチに齧り付いている。
「ん〜美味しい!甘酸っぱい人参がすっごくいい!チキンもパサパサしてないし、これなら毎日食べたい」
大絶賛である。よほど気に入ったのか食べる手は全然止まらない。
「ねぇ、もっと欲しいんだけど...」
発言に一瞬ドキっとしてしまう僕。童貞歴16年は伊達じゃない。
「はいはい、もう一個作るんで少し待っていてください」
「いやよ!今すぐ食べたいの!あ、あんたのでいいわ貰うわね」
「いやそれ僕の食べかけ!」
なんて言ってる間に、僕の食べかけのサンドイッチは先輩の口に吸い込まれていく。
「すぐ出来るんだから待っててくださいよ!」
流石の僕も少しばかり語気を強めて文句を言う僕に対し
「ふるふぁい!ふぉなふぁふいふぇるんふぁふぁふぁふぃふぁふぁふぁいふぇふぉ!」
いやもう食べることに集中しなよ。ほとんど何言ってるかわからないよ。あと食べかすボロボロ零しすぎだよ。何歳だよ。
こんな醜態を見たら生徒どころか先生方も膝から崩れ落ちるだろうなぁ...
もうなんかどうでもいいやと開き直った僕は「そうえば...」とふと思い出したことを聞いた。
「水無先輩ってどうしてあの時全裸だったんですか?」
「あんた、よくもまぁそんなど直球にセクハラかませるわね」
「いや先輩に対してセクハラするような下心なんて、そんなもの持ち合わせてないんで」
「っていうか、どう考えても僕より先輩の方がアウトですからね!?校内で全裸とか普通に公然猥褻ですよ!?」
「うるさいわよ!卯月の癖に生意気よ!」
おや?いつもなら「言いふらすわよ?」とか「調子に乗ってると痛い目見るわよ?」とか脅してくるのに、なんか反応が違う。
「まぁいいです、で?どうして全裸だったんですか?」
「.......よ」
「え?」
「だから!学校で全裸になったらなんか面白そうだなって思ったからよ!」
・・・理由仕様もなっ!
仕様もなさすぎる言葉に、僕の中の何かが崩れた気がした。
いやまぁ全裸に特別な理由があっても怖いけどさ、それでも仕様もなさすぎるでしょ!
僕は今までこんなやつの飯奴隷になっていたのか...
面白そうだからっていっても普通全裸にはならないでしょ...ましてや高校2年生だよこの人...
溜息すら出すのがもったいないと感じるなんて思いもしなかった。
「で、実際面白かったですか?全裸になってみて」
「いや全然、あんたに裸見られたしいいことなんて何もなかったわ」
「普通全裸になる前に気づきません?」
「ぐぬぬ...」
図星だったんだろう。僕に対して何も言えないことを悔しがるように顔を赤くしている。
あれ?もしかして今なら反撃のチャンスなのでは?
そう思った僕はこの機会に日ごろの鬱憤をこれでもかと目の前の美少女に浴びせた。