暴君降臨 1
北の大地にある言わずと知れた超有名校--聖麗学園。
眉目秀麗、成績優秀、スポーツ万能、芸能界所属...等々華々しいステータスを持つ生徒が多数在籍しており、ここに入学できたものはその後の進路は必ず安泰とまで言われるほどだ。
まぁ全員が全員華々しいわけではなく、他の学校と同様にカースト制度がある。
いじめが横行しているわけではないのだが、単純にクラスに居辛い。だって住む世界違いすぎるしオーラと存在感に押しつぶされそうになっちゃうんだもん。
そもそも、そんなカースト底辺をうろつく僕がこの学校に入れたことが奇跡というか運命の悪戯というか...。
なんにせよ今更後悔したってどうにもならないし、高校生活の三年間はひっそり生きてその後の人生を謳歌してやれば問題ないでしょ!
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そう息巻いていたあの頃の僕。どうやらそれはかなわない夢みたいだよ。
「ねぇ言ったよね?あたしピーマン嫌いだから入れるなって!こんな嫌がらせありえないんだけど!?」
「いやちゃんと食べてくださいよ、彩とか栄養面考えてるんですから....」
「知らない!好きなものだけ食べたい!だから卯月のハンバーグとこのピーマン交換ね!」
「はぁ?ちょ、ちょっと!僕のおかずピーマンだけじゃないですか!!」
「文句言わずに食べなさいよみっともない、16にもなって恥ずかしくないの?」
「いやいや、そっくりそのままお返ししますよそのセリフ!?」
昼休み、誰もいない部室、目の前には美しい黒髪の美少女が僕の弁当からハンバーグを奪い去りピーマンを押し付けてくる。なんだこの状況。
当事者である僕も意味が分からない。なんでこんなことになったんだっけ。