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薬術の魔女の結婚事情  作者: 月乃宮 夜見
巨大樹木:知恵

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知恵伐採8


「『月の島国』は魔導機と情報通信が発展した国です。おそらく犯罪の取り締まりも全て自動化されているはず」


 そう、隊商長は魔女と若者達に伝える。魔女の長女は自由気ままに活動しているようで、船内を自由に歩き回っているらしい。


「以前は普通の国だったんですけど、確か統治者、というか樹木の主の影響でどんどんハイテクになって行ったんですよ」


確認のためか端末へ視線を向けつつ、隊商長は経緯の説明をしてくれる。


「一応、樹木が生えたおかげで一番発展した国となっています。樹木の破壊を許してくれるでしょうかね」


「え、樹木の破壊って何か罪に問われるの?」


黒髪の若者が聞き返すと、隊商長は少々困った表情になった。


「……国の法律によると思いますけどね。まあ、あいにくどこの国でも樹木の破壊を禁ずる法律はありませんから、気にすることはないと思いますよ」


「そっか」


この数日間で『月の島国』が法律を変えてしまえば話は変わるが、現状はそんな法律はない。だから、仮に『月の島国』で樹木がどれほど大事にされていたとしても、破壊自体が罪に問われる事はない。


「樹木のおかげで発展してる国、っていうとどんな感じで発展してるのかな」


「樹木の影響で周辺の鉱物とか希少なものが出やすくなていて、それで機械産業などが急速に拡大していった感じですね」


「そうなんだ。……どんな魔導機があるかな」


「まあ、食品類は輸入に頼りがちのようですけれど。使える土地全部を工場にした結果、農地や畜産に使う土地が足りなくなったという感じでしょうかね。ハイテク化も行き過ぎるのは考えものですよね」


「へー」


黒髪の若者の問いに、隊商長は丁寧に答えてくれる。魔術使いの若者は、その国の魔道具に興味を持っている様子だった。聖職者の若者は、その国の宗教だ。


「『月の島国』で信仰されているのは、通鳥と同じく『炎拝教』です。『白き神』を主神とし二元論の教えが根付いていますが、『黒き神』を絶対的な悪であるとは定めていません。少し、複雑なところがありますね」


隊商長は軽く、『炎拝教』について教えてくれる。


「そして、基本的に『炎拝教』では王族や各家の主人が神官をやっています。うちの伴侶(やつ)も神官ですね。教えの説法と、結婚の取り仕切りができます」


 どうやら『金の国』では通鳥の方面にある侯爵家などの『炎拝教』を信仰する貴族家では、当主が神官をやっているそうだ。


 魔女は祖国にいる通鳥方面の知り合いのことを少し思い出す。


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