表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
薬術の魔女の結婚事情  作者: 月乃宮 夜見
一年目

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/600

来年


 意識だけは残しておいた回復役の親衛隊達の魔力を限界まで引き()り出させ、他の眠る親衛隊達を修復させた。

 勇者の体力もついでに治したが、もう勇者には立ち向かう意思は残されていないように見えた。だが、警戒して結界を解くまで動けないよう、細工を施す。


「……(さて)(これ)で終いにしましょうか」


 魔力だけが極限まで無くなった彼らをそのままに建物から出、結界を解く。

 途端に目を覚ました親衛隊達が、()()()()()()()()()()()()()()の話し合いをしようとし、しかし、急な魔力の減りに混乱を起こす。


 何事だと勇者に問いかけるが、その質問等に答える事無く勇者は


「……もう、いいんだ」


と、力無く呟いた。

 それを見届け、魔術師の男はその場を去る。


×


 宮廷の、魔術師の男自身の仕事場である研究室にまで戻った。山積みになった資料の山がやや崩れそうにずれたので少し直す。


「お前にしては珍しい冗談を言ったようだな」


と、背後からかけられた声には振り返らず


「そうとでも言わねば、彼の『勇者』殿は諦めぬでしょうからね」


そう、魔術師の男はいつものように返した。


「そうか。それにしても真に迫るような言い方だったような」

「其れで。今回は何の話で御座いましょうか」


 直ぐに本題に入らないので、魔術師の男は言葉を被せて声の主に本題を促す。


「もう少し楽しく話し合いをだな……まあいいか」


声の主は苦笑しながらも、


「来年の仕事が入った。場所は___で詳細は後で送る」


短く云う。


「それともう一つ。対象達は、『このままならば成人するまで異常無し』と判断された。これ以上の細かい監視は不要になる。つまり、」


 そこで言葉を少し溜め、


「来年以降の視察の任が解けたぞ。良かったな」


声の主はいつものように、朗らかに告げた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ