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薬術の魔女の結婚事情  作者: 月乃宮 夜見
巨大樹木:壮麗

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壮麗伐採5


「次の『美の国』は宗教色の強い国です」


 客車に揺られながら、隊商長は魔女と若者達に告げる。


「そして。あんた達にあらかじめ言っておくべきことがあります」


それから、極めて真剣な表情になった。


「絶対に、『癒しの神』を軽んじるような事は言ってはダメです」


「『癒しの神』?」


「その態度がすでにアレなんですがね」


 隊商長の言葉に黒髪の若者が首を傾げる。それに隊商長は苦笑し、魔女や他の若者達に視線を配った。魔女達の居た国の国教は十字教だ。ただ、地域によっては異なる宗教を信仰している多神教の国でもあった。

 簡単に言えば魔女は精霊信仰を重視しがちで伴侶は星辰道の信者……ということになっている。魔女と伴侶で信仰している宗教は違えど、互いに理解はしているので問題になったことはない。


「『癒しの神』とは、十字教の主神です。簡単に言えば、聖職者達の祈祷や癒しの力の源です」


「ふぅん?」


よく分かっていなさそうな黒髪の若者を見、「この人本当にうちの国の人なんですか」と他の若者達に隊商長は怪訝な視線を向ける。だが、「昔からそうなの」と魔術使いの若者が少し困ったように答えただけだった。


「あと、他の神の話はしてはいけません」


「他の神?」


「……知らないんなら良いんです。とにかく、余計な事は言わないように」


さらに首を傾げる黒髪の若者に「宗教への理解度が低すぎませんか」と隊商長は呆れる。雰囲気的にいうと『こいつもしかして道徳と倫理観の無い人なのか』と疑われているような状態である。サイコパス扱いされているとは知らない黒髪の若者は呑気そうに「あとで詳しく教えて」と他の若者達に告げていた。


「あと、『樹木を伐採しに来た』なんてことも言ってはいけません」


 「いいですか」と、より注意するように隊商長は云う。


「『美の国』は樹木を『癒しの神』の化身だと思っているようです」


 すると、魔術使いの若者は「それはまずいわね」と少し顔をしかめた。「どういうこと?」黒髪の若者は、やはりよく分かっていなさそうだ。


「つまり。『樹木の伐採をしに来た』と言ったあかつきには逮捕されるかもしれません」


そう言われて「そんな、ただ樹木を伐採するだけだよ?」と黒髪の若者は驚いている。「……驚く場所、やっぱりズレてるわね」と魔術使いの若者は呆れた。


「国内退去で済めば良いと思いますが」


若者達に視線を向け、次に魔女に視線を向ける。確か『魔女』も『美の国』の中ではより良くない存在として認知されているはずだ。ただ、今は『薬術の魔女(ウェネーフィカ)』ではなくただの少女(の見た目をした人物)として活動しているので多分問題はないだろう。


「最初はそうでもなかったんですが、ある時から急に樹木を大事にし始めて。今じゃ巨大樹木の保守派ですね」


教皇が変わった、という話は無いらしい。だが、何やら対立が起こっていて少し国内が荒れているのだとか。


「樹木の見学自体はできるようですから、それに乗じて入り込めたらいいですね」


運良く乗り込めたら、あとは魔女と若者達で樹木を勝手に伐採するだろう。


×この世界観の宗教について×


作者はあまり宗教に詳しくないので色々と目を瞑ってください。


十字教

 現代ヨーロッパ風+都会

 『癒しの神』を中心とした

 謙虚・親切・貞淑がモットーの宗教

 世界で一番広まっている

 黒き神より白き神(癒しの神)を信仰


聖十字教

 現代ヨーロッパ+古代風

 ↑の過激派でやや派手気味

 己が宗教を広め他宗教を撲滅する傾向

 黒き神を『悪きもの』として排除傾向にある


星辰道

 中期東洋〜近世東洋

 『黒き冥府の神』を中心とした

 平定・安定・厄払いが中心の宗教

 『白い神の星光』も信仰している


徳教

 水墨画、仙人、中華系

 『黒き冥府の神』を崇拝し

 不老長寿を目的とした健康推進の宗教

 特別な薬を作ろうとしている


輪廻説教

 インド、東南アジア風

 とある『覚醒者』の教えを中心とした

 不安なく生きるための宗教

 修行多めで悟り(輪廻からの脱却)を目指す


予言回教

 中東アラブ風

 『癒しの神』の使徒『預言者』を待ち望む宗教

 教育要素が強く戒律が厳しい

 錬金術の起源でもある


炎拝教

 中東+極道風

 『白い天球の神』を中心とした

 仁義・礼拝・生と死を考える宗教

 『黒い神の光熱』も信仰している


樹木信仰

 北欧・東欧系

 天地を繋ぐ樹木を崇拝する

 多神教

 宗教ではなく習慣のようなもの


精霊信仰

 民族系+西洋

 精霊の畏れを忘れないよう祈る

 多神教

 十字教の要素もある


太陰信仰

 月と『白い神』を信仰する

 一神教


太陽信仰

 日と『黒い神』を信仰する

 多神教


星海信仰

 星と海に祈りを捧げる

 多神教


このくらいあります。


魔女のいる国は多宗教国家です。


死犬→十字教、精霊信仰

呪猫→星辰道

毒蛇→予言回教

交魚→輪廻説教

生兎→十字教、精霊信仰

祈羊→十字教

薬猿→徳教

通鳥→炎拝教


国教としては一応十字教です。大聖女もいるので……

スパモン教的なものはあるようなないような。


詳細はhttps://x.com/sinojijou/status/1798203687812333643?s=46&t=Yi5pLMdiS_mxDEDYkpoqQgに下げてるかも。(進化論とか)

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