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薬術の魔女の結婚事情  作者: 月乃宮 夜見
巨大樹木:王国

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仮面の錬金術師に会う


「で。あの怪しい錬金術師を探さなきゃなんだけど」


 魔術使いの若者は薄青い髪を揺らし周囲を見回す。


「怪しい錬金術師?」


 魔女は首を傾げると


「僕達に『材料を持ってきたら強い武器を作る』って言った錬金術師の人だよ」


そう、黒髪の若者が教えてくれた。色褪せた黒い服装の人と、仮面を着けた人の二人組らしい。その上、放浪する錬金術師。確かに、聞くからに怪しい。


「すごい背の高い人だし、まあ探せば見つかるでしょ。出会った場所とか、魔道具屋とか」


「どうでしょうねぇ」


やや険しい表情で、黄色い髪の聖職者の若者は首を傾げる。どうやら聖職者の若者は、その錬金術師達をあまり信用していないらしい。


「大丈夫よ。人探しの占いを使えば、どうせすぐに見つかるわ」


魔術使いの若者は道具を取り出し、なんともない様子で振り返る。


「……もの探しの、占い」


 それを聞いた時、魔女は何かを思い出しそうになった。誰かが、物を無くした際によくやってくれたような。けれど小さな違和感があっただけで、それはすぐ消えた。


「どうかしたの?」


 「泣きそうな顔してるよ?」と問う若者に「なんでもない」と魔女は首を振る。


「あっちの方角みたいね。行ってみましょう?」


 占いを終えたらしい若者の指示に従い、若者達は街中を探す。


×


「あ、いた」


 それから、すぐに黒髪の若者が声を上げた。

 示した先を見ると、若者達の発言通りに仮面を着けた背の高い男と、色()せた黒い格好の人が居る。

 背の高い男は柳葉色の髪色だ。


「(あれ)」


 見覚えのあるその色に、魔女はふと足を止める。

それと魔力の雰囲気で、魔女は片方が三男であるとなんとなく悟る。


「どうしたの? やっぱり、怪しいよね」


 黒髪の若者が魔女の異変に気付き、錬金術師を警戒しているのだと勘違いしたようだ。


「う、何でもない(……説明が面倒だし、黙っておこう)」


首を振って、魔女は誤魔化す。向こう(三男)も下手なことは言わないだろうと信じて。


 どうやら、錬金術師の二人は魔道具屋で何か買い物を終えた後らしい。


「おや、戻ってきましたね」

「なんだ。戻ってきたのか?」


 錬金術師達は若者達に視線を向け、驚いた様子を見せた。


「材料、集めたよ」


「マジかよ。じゃあやるしか無いな」


黒髪の若者の報告で、仮面の錬金術師はやや面倒そうに声を落として呟く。


「集まらないって思ってたの?」


「まあまあな高級素材を要求したからな」


 少し怒った魔術使いの若者に、「もう数日くらい掛かると思ったんだよ」と答えた。それから、若者達は「錬成のための場所を借りてるからそこに行くぞ」ということで、移動をする。


×


「これでいいでしょ?」


 借りた場所は広い部屋で、黒髪の若者はそこに集めた道具を拡げた。


「へぇ、本当に集めたのか。で、そこの……あー、子供はどうした」


「結構な無理難題でしたよね。可愛いですね」


 仮面の錬金術師と色()せた黒い格好の人が、魔女に注目する。


「偽王国の騎士に追われていたんだ」


「目的が近いからしばらく一緒にいるよ」と黒髪の若者は話した。


「……そうか」


「それは大変でしたね」


「騎士、ね」と仮面の錬金術師はやや険しい声色になり、色()せた黒い格好の人は若者達を労る。『精霊の偽王国』は若者達が対峙するには危険な組織だからだ。


「……ま、約束通り、良いもの作ってやろうじゃないの」


仮面の錬金術師は呟き、作業に入る。


「まあ。俺達は鍛冶屋じゃねぇから、『ちゃんとした武器』は作れないけどな」


「そんな顔しないでください、ちゃんと武器は作って差し上げますし、そこいらの(なまくら)よりも良いものを与えて差し上げますからっ!」


 不安気な顔をした若者達に、「()()()()()()()()()()()()()()()()()の出来ですから」と色()せた黒い格好の人は慌てて補足した。

 つまり、それなりに質の良いものになるらしい、と魔女は頷く。だが、若者達はよく分かっていなかったようだ。


「錬金術、すごーいね」


 魔女は錬金術を興味深げに見つめる。仮面の錬金術師は真剣に作業を進め、色()せた黒い格好の人はそれの補助をしていた。


「ほら。完成だ」


「加工元のアイテムはサービスですっ!」


 それから、若者達の武器の錬成が終了する。3人分の武器を加工したらしい。


「武器に不具合が出た時は連絡寄越せばメンテナンスくらいはしてやるよ」


と、帰り際に若者達に連絡先を渡していた。


×


「……彼ら、樹木の伐採なんて出来るんでしょうか」


 若者達が去った後、色()せた黒い格好の人が不安気に問いかける。


「あの無理難題を解決したんなら、出来るだろうよ」


だが、仮面の錬金術師は興味なさそうに道具類を片付けていた。


「それに……」


小さな子供(母さん)が付いているなら解決できる。そう、小さく呟いた。二柱の神の加護を受けた特別な人。そんな魔女が居れば何とかなるだろう。


「……あの、『偽王国』……って」


「そんな事どうでもいいだろ。俺達には()()()()()な集団だからな」


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