考察。
「……なんか、物減った?」
次女に負ぶわれたまま、長女は訊く。
「それと、魔術占術色々の守りが薄くなってる」
切長の目をつい、と軽く動かし周囲を見て長女は指摘した。
「何かあった?」
「確かに、前よりは薄くなっているけど。それって経年劣化じゃないのか?」
次女越しに長女に視線を向け、長男は問う。
「ちょっと待って。その話、お姉ちゃん下ろしてからでいい?」
「あ、悪い」
割り込んだ次女に、長男は謝る。
「お姉ちゃんも。そろそろ自分で歩いてよ」
「や」
即答で、長女は頭をゆるゆると横に振った。「仕方ないなぁ」と、小さく溜息を吐いて次女は長女を椅子に座らせる。「あっちのソファが良かった」「自分で動いてよねー」
「だって、あのぱぱが術を劣化させたまんまにする?」
ソファにだらしなく寄りかかった状態で、長女は問い掛け首を傾ける。濃藍色の髪がさらりと揺れた。
「……確かに、そうかもしれない」
神妙な顔で次男は頷く。
「それに、あの人の魔力の性質を考えると、弱まりが早すぎる」
「で、おかーさんどこ?」
兄姉達の会話が丁度途切れた所で、きょろきょろと周囲を見回していた次女が問うた。
「どこだっけ」
と、三男は兄2人を見る。
「さっきまでそこに居た、筈だけど」
変な事に巻き込まれていないかと、次男は警戒した。
「母さんの部屋じゃない?」
そう、お茶を飲みつつ長男は答える。
と、
「ないーっ!」
と、叫ぶ魔女の声が聞こえた。
×家族間での呼称の設定
長男
妹弟:名前
シンプル。
長女
兄:おにいちゃん
妹弟:名前+ちゃん
ちゃん呼びの理由は「おねーちゃんのよゆう」だそうです。
次女
兄姉:お兄ちゃん、お姉ちゃん
弟:愛称+くん
愛称は名前の頭を伸ばす感じ。曰く「おねーちゃんだから」。
甘えている時は兄姉をおにぃ、おねぇ呼びをする。
悪巧み時は「おにーちゃん♡」
次男
兄:兄さん
長女:姉さん
次女:お姉ちゃん
三男:呼び捨て
次女の呼び方は当人が「あたしはおねーちゃんだから!」と言っていたから。
三男
長男:兄さん
長女:姉さん
次女:姉貴(姉ちゃん)
次男:兄貴(兄ちゃん)
兄ちゃん姉ちゃん呼びがちょっと恥ずかしかったらしい。次女を「姉貴」と呼んだら長女に「じゃあ私は姉御」と呼ぶよう言われたが辞退した。なんか違うんだよ。
魔女が「ママだよ! ママって呼んでー」と言っていたが息子陣営は頑なに拒否。母さん、父さん呼びをされて今に至る。
長女、「発音が一番楽だから」とまま、ぱぱ呼び。
次女、普段はおかーさん、おとーさん呼び。たまにママ、パパと呼ぶ。
次男の嫁(魔獣殲滅部隊副隊長)にママ呼びを提案。恥ずかしがりながら呼んでくれた。嬉しかったらしい。




