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薬術の魔女の結婚事情  作者: 月乃宮 夜見
二人の生活

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魔女の部下の話5。


「うん、ありがとう」


 これから始める会議への用意が終わった旨を伝えると、魔女は表情を綻ばせた。


「いつも助かってるよ。二人とも」


 ただ、魔女に必要な物を用意し魔女を『軍医中将』たらしめるために補佐をする。それは補佐官二人の仕事であり、補佐官なのだから()()()()()()()()であった。


「いいえ、お構いなく」


「仕事なので、当然ですが」


 補佐官1と補佐官2はそれぞれの返答をする。補佐官1は嬉しそうに、補佐官2は溜息混じりに。


 補佐官である二人は主に魔女の指示に従い、魔女が仕事を(よど)みなく行えるようにする。或いは、魔女の考えの危ない箇所を指摘をしたり、考えやすいよう類似案件を持ってきたりするのだ。

 

 なのに、魔女はそんな補佐官にも感謝を伝えるらしい。

 他の貴族家の者や権力を持った者は、そのような言葉は滅多に口にしない。それどころか『もっとより良い仕事を』と要求する者が多い。

 監視員として色々な貴族の元へ潜入していた二人にとっては少々奇妙に映る。


「ん、どうしたの」


 そう首をやや傾げた魔女に補佐官二人はなんでもないと返した。


×


 補佐官2は、魔女と共に会議の場所へ向かう。

 補佐官1は留守居のために部屋に残った。実際は、これから参加する会議の場に『家名を持たない毒蛇の血の者』の存在を良しとしない者が居るから少し(はばか)った、というのもある。


 今回は上役員の会議で、総司令官や各軍部隊の大将、他の中将等、が集まる。

 航海部隊や航空部隊等も集まるような、非常に大事な会議だ。

 なので、大半は軍人や貴族の家系で大変に高貴な品性を持つのだろう。


「堅苦しいなぁー。……サボっちゃいたい」


 小さく魔女が小さく零すそれを


「ダメです」


と補佐官2は牽制する。


「分かってるよ」


 魔女はこれでも、軍の中ではまだまだ若造らしい。また、軍学校を出ていないのに中将になっている事が気に食わないと言われてる。

 魔女は気にしていないというものの、やはりやり辛いのかもしれない。

 そう思考する間に、会議の場へ辿り着いた。


×


 歩兵中将、砲兵中将、騎兵中将、工兵中将、人事中将、軍医中将と、錚々(そうそう)たる顔ぶれだ。

 それに航海兵大将、航海部隊中将、航海支援部隊中将、航空兵大将、航空部隊中将、航空支援部隊中将と、他の部隊の者まで揃っている。

 一体何の話し合いをするのだろうとは思いつつも、補佐官2はまるでそこにいないかのように気配や魔力の放出を抑える。

 本来、補佐官でも会議の場に居てはいけないからだ。だが、『魔女』の補佐なので特別に許されている。


「ちゃんと揃ったね」


 それから少しして、総司令官が現れた。


同僚や年下相手でも敬語を崩さない補佐官1

上司なので魔女には一応敬語を使う補佐官2

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