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薬術の魔女の結婚事情  作者: 月乃宮 夜見
二人の生活

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友人達の話。


「そういえば。最近、王都で孤児院を持ったのよね」


 唐突に、友人Aは魔女に告げた。


 友人Aは卒業してから実家や生兎等の関連の病院で働き、色々と資格を取ったり経験を積んだりしていた。そして、最終的に実家や生兎の有力貴族等から許可をもらい、めでたく孤児院を持つことになったのだと。

 だが、その孤児院は譲り受けたものらしい。前任者がかなり年齢を重ねた人物のようで、もうじき閉めようと思っていたそれを、友人Aは譲り受けたのだ。

 譲り受けたそれでも良いのだと、友人Aは答える。


「えっ、知らなかった! おめでとう! ……で良いのかな?」


 子供が好きで面倒見が良い友人Aにとっては良い仕事じゃないかなと魔女は思う。

 共にいる友人Bやその2((もとい)聖女)、巻き毛の子は何も驚いた様子が無いので、知っていたのだろう。


「えぇ、ありがとう。ついこの間まで、あなたがなんだか大変そうだったから、伝えそびれていたのよ」


 『仲間はずれ?』と眉尻下げた魔女に、友人Aは少々呆れた様子で補足した。大変そう、とは夫との別居の事だろう。


 もう少し詳しく話を聞くと、友人Bや聖女の助力も受けているらしい。ついでに言うと現在、聖女は修行を重ねて、他にもいる聖女や他の聖女候補の育成も行っているらしい。


「孤児院、ってのは要するに慈善事業に入るから十字教とかそこら辺の支援を受け取るための手続きとかしなきゃいけないのよ」


少々面倒そうに友人Aは答える。

 そして、『せっかく十字教の支援を受けるなら』と、聖女に連絡をし、それを受け入れてもらったのだという。


 友人Bからの助力は主に物資の方面らしい。交魚のものらしい助力の仕方である。

 因みに現在、友人Bは交魚の頭領のうちの一人として、仲間をまとめたり、縄張りの取り締まりを行なっているらしい。


「あんまり売れなかった品とか、売れ残った品とか、余った魚とか提供してるの」


友人Bはそう教えてくれた。


 実は、友人Aは魔女の専属医でもある。なので、友人Aの活動に一切気付かなかった事に魔女は少々落ち込む。


「仕方ないわよ。最近あなたはそれどころじゃなかったんだから。すごく顔色とか悪かったのよ」


 気付いてた? と問い掛ける友人Aは、魔女が以前のように元気になった事を心の底から喜んでいる様子だった。そこで、友人達にも心配を掛けてしまったのだと魔女は更に申し訳なくなる。


「そんな泣きそうな顔しないで。あなたが気にすることじゃないんだから」


 優しく背中を撫でられながら、魔女は本当に良い友人を持ったとしみじみ思うのだった。


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