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薬術の魔女の結婚事情  作者: 月乃宮 夜見
二人の生活

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250/600

次女の話。


 例えば、次女。


 彼女は、梅紫色の髪に瑠璃色の目を持つ、見た目が魔女によく似た女の子だ。それでいて、悪魔のような妖しさを合わせ持っていた。

 だが、中身は悪魔に似て苛烈。そして、魔女とよく似て天然……の()()が出来る、要は腹黒かった。

 その上、少し厨二病(格好付けたがり)で、独自の論理的筋道(ロジック)で動く。

 簡単に言えば、魔女と悪魔の性格の()()()()()()()()がよく似た子だった。


「あの子が……色々と一番大変だったかも」


 思い出し、魔女は呟く。


「……そうですね」


同意し、悪魔は頷いた。


 他の子供達と比べ、次女は非常に妖精や精霊が見える(たち)だった。


 明るく朗らかで、人懐っこく笑顔の眩しい子。一目見れば、大抵の人物が好感を持つような子。


 誰にも臆さず話しかける事ができ、交友は広く浅くを常としていた。

 次女が最も懐いていたのは一つ上の長女で、屋敷や出掛け先など、大抵どこでも一緒に居たのだ。

 それから兄である長男にも懐き、後述する養子を含む下の家族には少し()()()()()()()()世話を焼いたり色々指示したりしていた。


 心無い周囲から『魔女と悪魔の子』『相性結婚で生まれた可哀想な子』だと言われても、『魔女と悪魔の子……なんかかっこいい』と思っていたらしい。

 その後、()()()()()を理解し微妙な心境になったのだが、そう揶揄(からか)われても『そうだとも、食べちゃうぞー』と軽く流して気にしていなかった。


 四つになった時、呪猫に呼ばれて使役する精霊を選んだ。『家の仕来(しきた)りだから』と言われて、『使役……かっこいい!』というノリで儀式を受けた。

 だが、気に入ったものが居なかったので一旦儀式は中断され、六つになった時になんとなくで獣と契約を結んだ。誰も住んでいない古い家の隅で(うずくま)っていたものを軽く拾ってきたらしい。

 それから、同じような軽いノリで四体追加で契約をする。

 六体目に関しては、『流石に駄目だ』と呪猫当主から静止があったため五体で止めた。

 そして、初等部を卒業したのちに呪猫で修行を受けるそれを受け入れた。

 呪猫当主の子を含む他の呪猫の血筋の者をあっさりと追い抜き、現在は呪猫当主直々に色々な術を教えてもらっているらしい。


 もう一つ、『次期当主になれるかもしれない』と言われ、当主からも誘いがあったが、当人は『両親が納得してくれたら』と聞き流している。

 因みに両親は『当人がやりたいなら』と、流している。


 そんな次女は『常識に従う意味』を教える事が大変だった。

 小さい時は姉の長女ものだった歩行器で素早く移動たり、悪魔の足元を(くぐ)ろうとしたりし、『危険だから』と妨害の結界を軽く張れば指先で破壊してみせた。

 気に食わない対象は平気で排除しようとするし、中々に短気で家族を揶揄(からか)う者には精霊を(けしか)け命を奪おうとする始末。

 どうにか、次女が納得出来る理由を探して落ち着かせたものの、今も少々危ういところがある。


「占いとかの雑誌も書いてるんだっけ?」


 ふと魔女が問うと、


「そうですね。当人は、()()()()に『それっぽい事』を書いているだけらしいですが」


そう、視線をやや逸らして答えた。

 結構当たると人気らしい。



やけに当たるバーナム効果(フォアラー効果ともいう)。


こっちの世界ではバーナムさんは居ないので別の名前だと思いますが。


……群衆該当要点効果?

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