表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
薬術の魔女の結婚事情  作者: 月乃宮 夜見
魔女と悪魔の結婚生活

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

217/600

約束と契約の話。

建国のお話。


 ある時。

 強い力を持つ8つの国の王族、約束の締結者の9名が中立の約束をした。


 8つの国の王族はそれぞれ、死を呼び死者を護る犬、呪い占う猫、毒を吐き殺す蛇、人と交わる魚、生を与え幸運を呼ぶ兎、祈り願う羊、薬を生み悟る猿、人と通じる鳥の、魔の力を持っていた。

 8つの国の影響力は凄まじく、大小あれど、その属国や同盟国を数多も抱えている。


 彼らは繁栄のために力を使い勢力を広げ、天を、地を、穢した。それを『父なる天の白い神』と『母なる地の黒い神』に咎められ、力を奪われる事になる。

 それを、光と熱の力を持つ者が、力を彼らに返すよう二柱へと進言した。


 二柱は答えた。

『返す代わりに互いを侵害しないと、天を、地を穢さぬと誓え』

『そしておまえは“約束の代償”の楔としてその身を捧げなさい』

と。


 8つの国の王族と神は契約を交わし、締結者と神は約束をする。


 証拠として『神に与えられた土地』を基盤とし、9名と締結者の補助の4名の使い、彼らの血縁者、身寄りのない者などで構成されたそれが、薬術の魔女と魔術師の男の住む国の成り立ちだった。



 妖精の血を持っていた締結者は国の王となり、神と人と『約束』の(くさび)となった。

 魔獣の血を持つ8つの国の王族等は『古き貴族』として、国と王と『約束』を守るために身を置いた。


 楔の王とその血縁は、決して古き貴族と交わってはならない。また、血の高潔さを守るため、補助をした4つの公爵家から嫁及び婿をとる。

 魔力の質を上げるため、転生者や転移者と婚姻することも稀にあった。


 死犬、呪猫、毒蛇、交魚、生兎、祈羊、薬猿、通鳥の八つの『古き貴族』の家は、約束を違えない為、祖国との結び付きを絶やさぬ為に、継承権を持たぬ祖国の王族と婚姻する決まりがある。

 死犬の祖国はやや特殊なので少々異なるが、他の家は皆そうだ。


 そして、古き貴族の家は『神が引いた』とされる国境の変動を防ぐため、国境を古き貴族家だけで塞ぐように、土地を与えられた。


 8つの国の属国、同盟国も、その約束と契約は有効である。



 だから、どう考えても奇妙なことだった。


 他国から戦争を仕掛けられるなんて。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ