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憧れの医療  作者: 赤坂秀一
第一章 橋本大学
6/69

6 仮免試験

お待たせしました6話を更新しました!

今回は仮免試験を受けます。果たして皆んな無事に合格出来るかな……


 大学に自動車学校と充実した毎日を過ごしています。スカートとミュールを履けない以外は…… 最近の私は濃いピンク系のフリル袖のシャツにジーンズと足元はちょっと可愛い系のカジュアルシューズを履いていますが、やっぱりジーンズは違和感たっぷりです。本当はミュールだって履きたいけど、自動車学校では踵の無い靴は駄目なのです。

飛鳥(あすか)はもうすぐ仮免試験だよね」

 カッキーがなんだか羨ましそうに言います。

「それは、カッキーも同じでしょう」

「ううん、それがね…… 私、縦列駐車が苦手でこの前はポールに当てちゃってハンコをもらえなかったから…… もう少し掛かりそうなの」

 ちょっと残念そうなカッキーです。

梨菜(りな)は?」

「さあ、どうかな? 訊いてないから」

 カッキーがそう答える向こうから玲華(れいか)と梨菜が来ています。

「飛鳥、一人だけ試験コースを回るんだって!」

「えっ、私だけ?」

「私も玲華も今日、方向転換と縦列駐車を出来るようになれば次から試験コースって事だけど」

「えっ! そうなの、でもコースを覚えるのって大変なんだけど」

「ねえ、コースって何?」

 カッキーが可愛く小首を傾げますけど……

「カッキー何言ってるの!」

 玲華そんなに言わなくても……

「仮免試験のコースよ! 三コースあって、これに沿って教習があるの」

「ひょっとしてそれ三つとも覚えないと駄目なの?」

「そうよ、仮免試験の当日にどのコースで試験になるか分からないからね」

 なんだか私は面倒臭そうに話しましたけど…… カッキーもコース表持ってるよね。


 その後私は実技教習を工藤(くどう)先生から受けます。

今村(いまむら)さんは相変わらずファッション雑誌から出て来たような格好だね」

 工藤先生にそう言われてしまいました。それは教習前に言って欲しくなかったかな……

「私、可笑しいですか?」

「ううん、女の子ぽくて凄く似合ってて良いと思うよ!」

 なんだかちょっと引っ掛かるけど、それはそれでちょっと恥ずかしいかな……

「それじゃ、今日から試験コースを回りますが、まずは方向転換と縦列駐車を練習します」

「あの、コースは……?」

「まずはおさらいからね! S字とクランクは得意みたいだけど方向転換と縦列駐車は出来てるけどまだ微妙だからね」

 そういう事でまずはS字とクランクを難なくクリアした後、縦列駐車をします。

「今日はここでやるからね!」

 ここって、本物の車が車一台分の間隔をあけて二台止まっています。この間に止めるって事?

「はい、それじゃやるわよ」

 そう言われたので仕方なくやりますけどね……

「はい、ここから左にハンドルを一周回して、そこでハンドルを戻して真っ直ぐ…… はい! ここのタイミングで思いっきり右にハンドルをいっぱい回して」

 言われた通りに操作すると綺麗に駐車する事が出来ました。

「凄い、出来た……」

「はい、サイドブレーキを引いて! 忘れないようにね」

 試験コースにある縦列駐車と違って目印とかが無いので感覚だけですけど、ここで縦列駐車が出来た事は正直嬉しくてたまりませんでした。

「うん、ここでこれだけ出来れば大丈夫かな」

 その後、私は一コースを回ってスタート位置に戻って来ました。

「はい、よく出来ました。実技はそこそこ出来てるから学科も頑張ってね仮免の模試を三回合格しないと仮免試験は受けられないからね」

 えっ、そうなんですか? そこで今日の実技教習は終わりました。この後、一時間の空き時間がありますので、もちろん仮免の模試を受けようと玲華を誘いました。

「飛鳥、空き時間コーヒーでも飲もうよ」

 カッキーが言いますけど……

「カッキー、私は模試を受けるから、カッキーも梨菜も受けた方が良いよ本番までに三回合格しないといけないらしいから」

「えっ、それ本当?」

 玲華さっき話したじゃない! なんだかちょっと慌ててますけど…… 珍しいなあ、玲華は学科とか問題無いと思ってたけど……

 私達は学科の第三教室へ行きました。

「模擬試験ですね、各自パソコンで模擬試験をしますので座ってください。あと隣の人とは問題は違うけど不正行為はしないようにね」

 どうやら問題から採点まできっちりパソコンで、それも自分のタイミングで出来るみたいです。

「それじゃ原簿の番号と名前を入力してください。回答は一がマルで二がバツだから問題を飛ばすときはカーソルキーね! 時間が来たら自動で終わります。時間が余った人は教えてね。それじゃ準備が出来た人から始めてください」

 仮免試験の問題は五十問を三十分で解かなければいけません。といっても答えはマル、バツの二択ですけどね、問題はよく読まないと紛らわしい問題があります。これって国語の問題? って言いたくなります。

 そして、三十分が経過しました。試験は自動で終わりました。

「全部出来た?」

 先に終わってた梨菜が訊きます。

「私は二問残っちゃった」

 すると採点が終わりました。八十八点で私は不合格でした。

「うわっ、駄目だ!」

「私も間違いが多くて八十四点」

 梨菜も不合格です。玲華も問題は全部終わったけど八十六点で不合格でした。

「カッキーはどうだった?」

「皆んなが出来てないのに私が出来てる訳ないじゃ無い」

 いや、カッキー自信持ってよ! 皆んな不合格でした。恐るべし仮免試験です。

「はい、終わった人は時間まで見直してね」

 今日は駄目だったけど明日は合格する! 私はそう思いました。私達はこの後学科教習を受け、明日の実技教習の予約をして送迎バスで大学へ戻ります。バスの中でも四人でお互い問題を出し合って勉強しました。


 次の日も、学科と実技の合間を見て模擬試験を受けます。もう昨日のような事はしないようにしないと……

 しかし、その前に実技教習へ行きます。実技では二コースを回りますけど二コースって縦列駐車をしないといけません。本番は出来るだけ二コース以外でお願いしたいですね……

「それじゃ、今日は二コースです。しっかり覚えてね」

 工藤先生はそう言って微笑みました。

 そして、縦列駐車に挑みますが…… 一回で駐車スペースに入れられませんでした。

「はい、もう一度、まずは左斜めに入るとき左奥の角の手前に合わせてバックして、左後ろのタイヤが路肩の手前まで来たら、あとはおもいっきりハンドルを右に切って前後のポールにあたらないようにするの! 右のミラーが完全に入っていたら大丈夫だから」

 そう説明を受けてもう一度やり直します。左斜めにバックして左後ろのタイヤが路肩の手前まで来たところでおもいっきり右にハンドルを切る……

「入った!」

「はい、よく出来ましたけど何か忘れてない?」

「あっ!」

 私はサイドブレーキを引くのを忘れていました。

「はい、減点! とならないようにしないとね」

「はい、そうでした」

 でも、なんとかコツを掴んだような気がしました。

「実技はまあまあだね、学科はどう?」

「昨日はちょっと時間が足りなくて……」

「うん、大丈夫! 何度もやれば出来るから」

 という事で実技教習は終わりました。次は模試です。私は第三教室へ行きました。でも、先生がひとりだけで生徒は誰もいません。あれ、玲華達は? 仕方ないので私はひとりで模試を始めました。昨日勉強した事もあって絶好調です。全て終わった時、まだ五分ほど時間が余っていましたので見直しをします。そして、終了です。すぐに採点がされて点数が出ました。

「九十八点だ!」

 つい言ってしまいました。その時、周りを見ると玲華と梨菜がいました。

「あっ、終わった!」

 玲華です。

「どうだった?」

 私が訊くと……

「九十二点よ!」

 玲華も合格です。その後梨菜も九十六点で合格でした。

「あれ、カッキーは?」

 私が訊くと……

「カッキーは実技教習中!」

 その後も、皆んな難なく教習も終わりです。私達は今度の土曜日が仮免試験の予定になりました。大丈夫かな……


 試験当日、私達は受付をするために待合室へ行くと仮免試験のコースが発表されています。二コースです。それって確か……

「ねえ、二コースって縦列駐車のあるコースよね」

 珍しく梨菜が動揺してます。

「大丈夫だよ! 梨菜が一番上手いんだから」

 カッキー、余計にプレッシャーが掛かってると思うよ。梨菜も溜息を吐いていますけど…… しかし、よりによって二コースとはね。


 そして、一時間目の教習が始まったと同時に仮免試験の実技検定が始まりました。三班に分かれて試験が同時進行で行われ他の教習車も一緒です。当然の事ですが教官はいつもの工藤先生ではありません。私は一番手です。緊張するな……

「今村さんお願いします」

「はい」

 私は今まで工藤先生に教えてもらった通り運転を始めます。誰もなにも言わないから失敗はしてないよね…… まずは坂道発進、オートマチック車なので問題ありません。S字とクランクは得意にしてましたので大丈夫! 隣で教官がたまにチェック表みたいなものにチェックをするのが気になりますけど…… 最後に縦列駐車です。工藤先生に教わった通りに出来たと思います。もちろんサイドブレーキも引きました。

「はい」

 隣の教官からも返事がありました。これを忘れると減点だからね! と工藤先生の声が聞こえてきそうです。その後、スタート位置に戻り私の試験は終わりました。

「はあ、終わった」

 思わず口にしてしまいました。

「はい、今村さんは落ち着いて運転出来てたと思います。もう少し目視確認を的確にしてください。それじゃ、他の人が終わるまで後ろの席に乗っててください」

 どうやら同じ班の生徒が終わらない限り解放してはもらえないようです。


 そして、実技検定が終わりました。合格発表がすぐにあると聞いてますけど……

「玲華、どうだった?」

「うん、たぶん大丈夫! だと思う…… 飛鳥は?」

「私も大丈夫だと思うけど……」

 梨菜とカッキーが戻って来たところで合格発表がありました。皆んなで確認しますけど…… 私と玲華の名前はすぐに見つけることが出来ました。

「あった!」

 梨菜はあったみたいです。あとはカッキーだけど……

「あった! 私の名前あったよ」

 カッキーの名前…… あっ、そうか! 柿本彩香(かきもとあやか)だよね……

「取り敢えず実技は皆んな合格だね」

「うん、良かった!」

 梨菜とカッキーはやっぱり良いコンビです。

 実技試験はなんとか無事終わりました。あとは学科です。学科試験はお昼を食べた後、午後から始まります。でも、私達は食欲がありません。学科は皆んな余裕もあるのでたぶん大丈夫だと思うのですが、やっぱり緊張します。


 お昼休みが終わり第一教室で仮免試験の学科が始まりました。原簿の番号と名前を記入したあと、問題に取り掛かります。散々問題集を解いていたので似たような問題ばかりです。これなら、全問正解も狙えるかも知れません。

 試験開始から二十五分が経過したところで問題は全て解き終わり、少しずつ見直しをしている時に終了が告げられました。これで仮免試験は全て終了しました。果たして発表は……

「合格発表をします。原簿番号が表示された方が合格です」

 私達はそれぞれ自分の番号を探します。

「あった!」

 皆んな番号が表示されていたみたいです。合格です。という事で、五月の連休明けから路上教習が始まります。

 

なんとか皆んな無事に仮免試験合格です。これで五月の連休も心置きなく楽しめるでしょう!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 4月のうちに仮免とは、みんなずいぶんがんばって通いましたね。やる気があって微笑ましいです(^^) 私も免許は5週間くらいで取りましたけれど、確かあれは大学二年の夏休み中のことだったかな…。…
2021/05/30 05:40 退会済み
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