42 再試験とクリパ
お待たせしました第42話を更新しました!
やっと卒業試験が終わりましたが、まさかの再試験が…… とにかく卒試が合格しないと国試も受けれませんからね!
十二月中旬、長かった私達の卒業試験が終わりました。結果次第で、あとは医師国家試験を残すのみですので今年はクリスマスを楽しめそうですね!
「玲華、久々にクリスマスパーティーしない?」
私が笑顔でそう話し掛けると、玲華は顔を顰めて……
「飛鳥そんな事言ってる場合じゃ無いわよ! 卒試の結果が出ていて私、一教科落としてるから再試験を受けないといけないから……」
えっ、玲華が再試験?
「飛鳥は合格出来たの?」
そういえば私はまだ確認していませんでした。
「飛鳥、卒試の結果どうだった?」
今度は梨菜とカッキーが来ます。
「飛鳥、私二教科も落としちゃったよ! これって留年とかじゃ無いよね」
えっ、カッキーは二教科落としちゃったの?
話を訊くとカッキーは麻酔と法医学を梨菜も臨検と病理を落としたとの事です。臨検と病理は確か一教科でしたね。
「飛鳥はどうだったの?」
私は慌ててバックから試験結果の封筒を取り出します。
「まだ、封も開けてなかったの?」
「うん……」
私って呑気ですよね…… 封を開けると私にも再試験の案内が入っていました。私も法医学を落としています。
「飛鳥も落としてるじゃない!」
梨菜や玲華からそういじられてしまいました。はぁ、情け無いです。
「ところで、玲華は何を落としたの?」
「私は脳外よ…… だって脳外なんて希望してないし」
いや、希望するしないの問題じゃ無いよね……
「今村、試験どうだった? 俺、法医学を落として再試を受けないといけないんだが」
「えっ、二階堂君も落としたの?」
私はとても驚いてしまいました。
「なんか、可笑しいか?」
「えっと、二階堂君が再試なんて……」
「いや、俺だって苦手な科目くらいあるよ」
「ねえ、それじゃ一緒に勉強しよう。私も法医学を落としたから再試を受けないといけないから」
教科を落としたのは良い事では無いけど、まさか二階堂君と同じ法医学を落としたとは…… でも、私達の班で他の人はどうだったんだろう…… そう思っていたら向こうから来るのは生田君と美咲です。
「おーい生田、卒試はどうだった?」
「あっ、二階堂、実は膠原病内科を落として、今日から黒瀬と再試の勉強をしないといけないんだ」
えっ、美咲と一緒…… そう言えばあの二人、事あるごとに一緒にいたよね、そういう事だったのか! 美咲もすみにおけないですね。
「二階堂君、うちで勉強しない?」
「ああ、良いけど…… 如月、邪魔して良いか?」
「ええ、良いわよ二階堂君なら」
玲華、何だか意味深なんですけど、二階堂君が良いなら誰が駄目なのかな…… 私と二階堂君、それと玲華はマンションで再試の勉強です。何だか最近はこればっかりです。
マンションの前まで来た時でした。
「玲華!」
あの二人は……
「お待たせ」
へえ、静香と遥香この二人も再試組ですか?
「静香、ひょっとして再試なの?」
「うん、私はそんなに頭良くないから…… 飛鳥は再試は無しなの?」
「ううん、法医学をちょっと……」
「ふーん、そっか! 私は心外が駄目だったから」
「私は循環器内科が駄目だったよ」
遥香もなんだか俯き加減です。
「私達の班で再試が無かったのは松坂君と谷崎君だけかな」
「へえー、あの二人は意外と優秀だったんだ」
私がそう言うと……
「松坂なんて実習では血を見ただけで卒倒しそうだったのにね!」
「そうそう、今だに駄目なんじゃない」
玲華と静香はそんな話をしています。
「ねえ、神地君は?」
「あいつは確か、精神科を落としたとか言ってなかったかな」
なんだか静香はいろんな情報を持ってるみたいです。
まあ、人の事はほっといて私達は自分の勉強をしないとね! でも、私の班は全滅だし、玲華の班もほとんどが卒試を落としていたんだね…… 恐るべし卒業試験です。
二十四日、クリスマスイブは私達の再試験の日です。巷ではクリスマスケーキとかクリスマスプレゼンとか浮かれてるかも知れないけど、とにかくこれを無事に終えて久々のクリスマスを楽しみたいです。まあ、カッキー以外は再試一教科なので十一時前には終わりますけど…… カッキーは十二時まできっちりありますね! とにかくこれに合格しないと留年決定となります。この場合、私の学費は全額払わないと駄目なんですよね……
私達の試験官は大平准教授です。准教授自ら試験官とは…… 試験は十時半までありました。私も二階堂君も最後まで残り見直しまでして完璧です。たぶん……
「はい、それまで」
試験が終わり大平准教授に解答用紙を提出しました。
「うん、大丈夫のようですね」
「はい、ありがとうございます」
「あ、外科の練習を今日から再開しますので来て下さいね」
「はい」
「今村さんも北総で研修をするなら手術の助手は必要になるはずですから」
この間、二階堂君が言っていた北総ではスキルアップが出来るとかいうのはどうやら本当のようです。
「はい、伺います」
「二階堂君も来てください」
「はい、解りました」
私が教室を見渡すとここには私と二階堂君しかいないようです。みんな時間前に出て行ったんですね。
「今村はこれからどうする?」
「私は今日のイブを楽しもうと思っているけど、二階堂君は予定あるの?」
「いや、別に何も…… ただ、昼飯くらい一緒にどうかなと思ったから」
二階堂君って解りやすいです。私を誘う時は大体ソワソワしてますから、でも、男同士なんだよね……
「学食に行こうか、ちょっと早いけどみんないるかもしれないよ! カッキーをみんな待ってると思うから」
そう、カッキーはもう一教科再試がありますからね!
私と二階堂君が食堂へ行くとみんないました。
「飛鳥は最後まで粘ったみたいね」
玲華からの第一声です。
「うん、何だか早く出ると不安で後悔しそうだから」
「二階堂君もそうなの?」
今度は静香が訊いています。
「いや、俺は今村が残っていたから……」
えっ、そうだったの? もう二階堂君は何をしてるんだか……
「まあ、仲が良くて良いねお二人さんは」
コーヒーを飲みながらみんなから、そう言われてしまいました。まったくもう……
「ねえ、卒試も終わった事だしみんなでクリパしない」
遥香がそう言いますけど……
「良いけど、どこでするの? 今からじゃどこも空いてないと思うよ」
梨菜がそう言います。
「それじゃ、玲華の部屋しか無いよね」
「まあ、しょうがないか……」
そういう事で、急遽準備をしないといけないですね! カッキーが戻って来たら手分けして準備に取り掛からないと…… でも、私と二階堂君は大平准教授に呼ばれていましたね! 今日は何をやらされるのやら……
外科の練習が終わり私と二階堂君は玲華の部屋へ急ぎます。もう準備は終わってるかな?
「玲華、ただいま!」
「あっ、お帰り」
リビングから楽しげな声と共に玲華の返事がありましたので私と二階堂君もリビングへ行くと……
「これ、どうしたの?」
「スーパーで買ったんだよ、あとケーキもね」
えっ、オードブルは買えるとしてもケーキは予約してないんだから無理じゃないの?
「ねえ、ケーキとかよく買えたね」
「そうなの、でも、予約無しで買えたんだよ」
静香と遥香もそう言いますけど……
「飛鳥、そこのスーパーはいつもケーキがあるじゃない! クリスマスだからとか関係無いでしょう」
まあ、そうかもしれないけど……
「あれ、これってもうカットしてるの?」
「だからカットしてるのを買って来てホール二つ分にしたのよ」
なるほど…… それにしても良く出来てます。
「それじゃ、全員揃ったところで始めようか」
何故か静香が場を仕切ります。
「ビールの人」
「はーい」
私以外全員ですね。
「それじゃ、乾杯」
「かんぱーい」
ここのところ試験ばかりだったので久々に解放された気分です。
「飛鳥、外科の練習って何をしてるの?」
「えっ、カテーテルの入れ方とか、腹腔鏡の使い方とかだよ」
「へえー、凄いね!」
「今日は縫合の練習をしたけど」
「縫合? どうやったの」
「ただ、コンニャクを縫っただけだよ、あれが一番皮膚に近いんだって」
玲華も梨菜も何だか微妙です。
「ねえ、ドボン問題って知ってる?」
またもやカッキーが妙な事を……
「それ、なんだよ?」
「国家試験にドボン問題があるって聞いたんだけど」
それってなんだろう?
「それは禁忌肢の事だな」
谷崎君の話では国家試験の問題の中には選んではいけない選択肢があるらしく、それを四問くらい選ぶと合格点を取れていても不合格という事らしいです。
「ただ、意外と都市伝説みたいなとこがあるからよく解らないんだけどな」
「でも、禁忌肢っていうのは存在するんだろう」
「ああ、それで落ちるかどうかは解らない」
なんとも、また厄介ですね! 卒試よりは難しくないとは聞いてましたけど…… 国試もまた大変そうです。
なんとか再試験も無事終わり、久々のクリスマスで試験疲れを癒す事が出来たようです。あとは国家試験ですね!




