25 CBT試験
お待たせしました。第25話を更新しました!
いよいよ、CBTの試験です。まずはこれに合格しないと話になりません! みんな大丈夫かな?
来週はいよいよCBTの試験です。ここで弾みをつけて一ヶ月後のOSCEまで一気に行きたいところです。まずはこの二つに合格しないとスチューデントドクターはおろかクリニカルクラークシップの実習も出来ません。ってことは、五年生になれないって事だよね……
「飛鳥どうしたの? この世の終わりみたいな顔をしてるけど」
「玲華、どうしよう試験大丈夫かな」
「あなた今更…… 大丈夫よ! CBTはセルフチェックでほぼ合格点は取れてるでしょう、OSCEだってデモ動画とか班ごとに臨床の先生からの指導もあったじゃない」
まあ、確かにそうです。きちんと実習はこなして来たはずですが……
「それに飛鳥は実習については凄いって二階堂君が言ってたよ」
「二階堂君!」
「うん、班の中で積極的に実習をしてるって」
えっ、そうだっけ…… まあ、言われてみればOSCE実習のトップバッターは大体私だったり二階堂君だったりしてるかな…… だって梨菜は私の後ろに隠れてるし、カッキーと生田君それに美咲はその後ろの方で見てるしね、そしたら先生だって前にいる私や二階堂君を先に指名するよね……
「玲華はどうなの?」
「私は完璧よ! こんなところで躓いてなるもんですか」
相変わらず玲華は強気ですね!
私達の班は今からOSCEの実習があります。あれって恥ずかしいんですよね…… だって誰もがいる中で医師役と患者役になって演技をする訳ですから、カッキーなんて凄く本格的だから主演女優賞とか取れるんじゃないかな! 私の場合、やっぱり男優賞なのかな? まあ、そんな事はどうでも良いです。今から実習ですが、私が実習室に来た時は、もうみんな揃ってました。
「飛鳥が最後に来るなんて珍しいね!」
「今村、何かあったのか?」
カッキーも二階堂君も考え過ぎだって……
「はい、みんな揃ったかしら、これからOSCEの実習をします」
そう言うのは本郷先生です。
「あの、桐生先生はどうされたんですか?」
そう訊いたのは梨菜です。確かに予定では桐生先生でしたからね。
「桐生先生は急患で来れなくなりましたので私が担当します」
そう言う先生はワンピースとヒールの高いパンプスに白衣を着たいつものお洒落な先生です。ちなみに私の主治医ですね……
「それじゃ男子に患者役をしてもらおうかしら」
それって私も入るのかな?
「取り敢えずこの班は二階堂君と生田君お願いね! 男子は最後に交代で医師役と患者役をしてくださいね」
なるほど、私は一応女子扱いですね!
「先生は患者役はしないんですか?」
梨菜がそんな事を言いますけど……
「私はやらないわよ! あなた達の評価をしないといけないから」
なんて事を言いますけど、桐生先生は患者役をよくやってくれましたけどね、でも先生は本当は恥ずかしいんですよね! とくに患者役となれば…… まあ、それはいいか、それでは今から実習が始まります。私は医師役で二階堂君が患者です。梨菜は生田君とパートナーです。カッキーと美咲は私達の後ですね。
「生田さん診察室へどうぞ!」
梨菜が椅子に腰掛けたままそう言った時、本郷先生から早速チェックが入ります。
「冬野さん、患者さんを呼ぶ時は待合室まで行ってから呼ばないと」
確かにOSCEの医療面接では医師が患者さんを呼びに行くとこから始まりますね! でも実際に医師が待合室へ患者さんを呼びに行くなんて病院は少ないんじゃないでしょうか?
次はOSCEの課題試験です。まずは頭頸部診察です。この他にも胸部診察、バイタルサイン測定、腹部診察、神経診察、外科系基本手技、救急対応などがあります。時間は医療面接が十分、後は五分ですが、これだけのことを一日掛けてやらないといけません。
「はい、終了! まあ、大丈夫かな…… でも、ちょっとした失敗もあるからもう少し動画を見て研究しとくように!」
本郷先生は診察のときと実習のときはなんだか雰囲気が違いますね! まさか、二重人格とか……
「今村さん!」
「あっ、はい」
「今日の放課後、診察大丈夫だからね」
「はい」
あーっ、びっくりした。変な事を考えていたのがバレたと思いました。これで、OSCEの実習は終わりました。
「ねえ飛鳥、私大丈夫かな?」
カッキーはなんだか不安そうですけど……
「大丈夫だよ、カッキーはきちんと出来てるよ」
もう、女優さんみたいに役にはまっているから……
「今村、今からセルフチェックを一緒にやらないか?」
「あっ、今日は治療があるから……」
「でも、そんなに時間は掛からないんだろう」
「うん……」
私は梨菜や生田君達を見ます。
「別に邪魔しないから…… しっかり勉強しなさい」
梨菜からそんな事を言われるとは……
「それじゃ、食堂で待ってるから」
「うん、三十分くらいで終わると思うから」
「ああ、分かった」
「じゃあ、飛鳥が戻って来るまで一緒に勉強しようか」
「ああ、そうだな……」
梨菜がそう言って五人で食堂へ行くみたいです。
私は精神科の外来に行きます。
「今村飛鳥さん四番にどうぞ」
あれ、今日は三番じゃなくて四番なんだ……
「先生、こんにちは! さっきはありがとうございます」
「こんにちは、こっちに座ってね! 今村さんは良く出来てたよ」
今日の先生はなんだかご機嫌です。
「それで、その後二階堂君とはどうなの?」
えっ、早速ですか…… どうなのって言われても……
「まあ、普通ですよ」
「今村さんの普通は、ちょっと違うからね!」
解っているなら聞かなきゃ良いのに、もう……
「案西先生とも偶にメールをしてるんでしょう」
「はい、気になるとことかあれば…… 本郷先生とは月に二回は話せますけどあとは忙しそうなので……」
本郷先生はちょっと苦笑しています。本来なら本郷先生が主治医だし、相談するならそういう事ですからね……
「最近眠れない事とかはない?」
「はい、大丈夫です」
「そう、それじゃ問題無さそうね! まあ、試験前だから気をつけるよに!」
「はい…… それと先生、手術なんですけど……」
「えっ、どうしたの? 急に」
「手術をするとなるとやっぱり国外になるんでしょうか?」
私は二階堂君の事もあるのでやっぱりそこは気になるところです。
「そうね、手術の頻度としては国外の方が多いけど、日本でも一部の大学病院等が行っているはずよ! なに、その気になったの?」
「そんなんじゃ…… ないですけど、二階堂君の事もあるし、このまま医師になったら手術をする時間とかも無いかも知れないから……」
本郷先生はひとつ溜息を吐いて……
「そうね…… やるんだったら大学を卒業してすぐかな! 医師免許の合否が三月にあるけど、医師免許の交付には二、三ヶ月ほど時間が掛かるの、でも登録済証明書が一ヶ月くらいで郵送されるから初期研修が開始されるのがゴールデンウィーク前になるの」
「それじゃ手術をするならそのタイミングしかないんですね!」
「まあ、そういうことだね! 紹介出来る病院探しとこうか?」
「…… でも……」
「するか、しないかは後で決めれば良いじゃない! とにかく病院だけ探しとけば良いんだから……」
「はい」
なんだかとんでもない展開になりました。でも、受け入れてくれる病院があるのなら選択肢の一つにしておくのも悪くはないでしょうか……
そして、CBTの試験の日が来てしまいました。私…… 大丈夫でしょうか……
「飛鳥、ここまで来て悩んでいるんじゃないでしょうね!」
玲華は張り切っていますね!
「私が悩んでいるのは…… ごめん、何でもない」
「なによ、そこまで言って!」
「試験が終わったら話すよ」
玲華は私の顔をジッと見つめて……
「ネガティブな事を言ったら許さないからね!」
「うん」
「それなら良し、行くよ!」
私は玲華に引っ張られ試験会場であるマルチメディア室に来ました。かなり広い教室で机に一台づつPCがあります。一度、CBTの模擬試験で来ましたが、本番ともなると雰囲気がまるで違う教室のようです。教室には静香や遥香、梨菜やカッキーの姿もあります。もちろん二階堂君も後ろの席に座っています。まあ、受験票があり受験場号順に机に座って行きますからね。今回の試験は私達を含めた三十人くらいが受験するみたいです。
「今村、頑張ろうな!」
二階堂君が私の席に来てくれました。
「うん、一緒に医師になろうね」
そう話をした後、CBTの試験が始まりました。試験は一ブロックから六ブロックまであり一ブロックから四ブロックまでは五選択肢択一式で六十問あります。試験時間は一ブロック六十分です。ブロックの合間に十分程度の休憩をした後また試験が始まります。とにかく、全部で三百二十問試験があり、うち八十問は新問題です。これは正解率によっては来年からプール問題になりますが、今回は採点問題外なので解けなくても問題ありません。それが本当に新問題であればの話ですけど……
午前の試験が終わりました。みんな無口です。思い思いのところがあるんでしょうけど…… ちょっと空気が重いです。
「二階堂君、どうだった?」
二階堂君は私の顔を見ながら笑顔を作り……
「まあまあかな…… 新問題と思われるものがいくつか出ていたけどあれが本当にそうなのかだよな……」
確かに、新問題なら採点外なので問題ないのですが、プール問題の場合採点に影響しますからね!
食事が終わった後もみんなやっぱり無口です。玲華は眉間に皺が寄っていてなんだか怖い顔をしています。午後からブロック四の試験の後、ブロック五の多選択肢択一で四十問の試験があります。多選択肢なのでちょっと大変ですけど問題がちょっと少なくなるので大丈夫かな…… ブロック六は、またちょっと問題が変わりますが、どっちにしてもマークシート式なので解らなくてもマークを入れておけばひょっとするかも知れません。でも、雰囲気が悪いな……
四時半にCBT試験の全部が終わりました。やっとみんなの顔が明るくなったような……
「カッキー、どうだった?」
彼女は顔を顰めたまま……
「私、駄目かも……」
そんな事を言います。
「大丈夫だよ! あれだけ勉強したんだから」
「でも、セルフチェックに無いような問題があったよね」
美咲です。
「それは新問題だよ! あれは採点外の問題で来年以降にプール問題になるかも知れない問題だよ」
谷崎君がそう言います。
「そうなんだ……」
「それより飛鳥、悩みって言う話は!」
玲華、ここで言わないでよ! まったくもう……
「なんだ、悩みがあるのか?」
ほら、二階堂君が反応した。
「どうなのよ!」
「玲華、マンションに帰ったら話すから」
そういう事で今日はみんな疲れたからここで解散ですが…… やっぱり二階堂君は私の事が気になるようで玲華と三人でマンションで話をする事になりました。はあ、気が重いです……
CBTの試験は終わりました。一ヶ月後OSCEの試験があります。しかし、飛鳥は二階堂君の事も考えて、手術をする事を考えているようです。さて、どうなりますか?




