23 バレちゃいました!
お待たせしました第23話を更新しました!
今回は飛鳥の事がみんなにバレてしまいました!
みんな、CBTとOSCEの試験対策で大変です。そんな中、梨菜はというと、この前の発言もあってお互い気が重いです。しかも、カッキーが板挟みでちょっと可哀想かな……
「ねえ、梨菜はまだご機嫌斜めなの?」
美咲が心配そうに訊きます。
「うん、しようがないよ! 自分から言い出した事だし、私も二階堂君も最初は何のことだか判らなかったから……」
「結局は梨菜も二階堂君の事が好きだったのよね」
「たぶんね、はっきり言わないから判らないけど……」
本当、うちの班はどうなるのやら…… 取り敢えずOSCEの試験対策としては私と二階堂君と美咲でやってます。生田君は二階堂君がいるのでやっぱり私達の方に来ます。講義の時はカッキーも梨菜も一緒に固まって私達の側にいますけど、講義が終われば、ひとり何処かへ行ってしまいます。困ったもんです。
「二階堂君、梨菜を連れて来てよ!」
「えっ、俺が…… でもあいつ俺のことも避けてるだろう」
「でも、梨菜は二階堂君の事が好きな訳だから」
美咲はそう言いますけどこの間の様子ではどうなんでしょう?
「うーん、私じゃまず相手にされないだろうし……」
やっぱり、ここはカッキーにお願いするしか無いかな……
「飛鳥……」
カッキーが来ました。梨菜はいないようです。
「カッキー、梨菜はどうしたの?」
「判らないよ! 一緒にいても何も話さないから、でも梨菜があそこまで黙ってしまうのは初めて見たかも……
本当に困ったちゃんです。
「カッキー、梨菜にこっちに来るように言ってもらえないかな……」
そうお願いしましたけど……
「一応言ってはいるんだけど、黙ってどこかに行っちゃうんだよね……」
カッキーも駄目か、どうにもならないのかな……
午前の講義が終わり昼食を取るため学生食堂へ行きます。
「今村、今から飯か?」
「桐生先生! こっちで食べるんですか?」
「ああ、病院の方は結構いっぱいでな」
まあ、お昼どきですからね!
「ん、ひとり足りないんじゃないか?」
「あっ、冬野がちょっと……」
二階堂君がそう言い掛けたとき……
「なんだ、喧嘩でもしたのか?」
「喧嘩じゃないんですけど……」
そう、なんとも説明し難いですよね。
「冬野は二階堂と今村の事が気に入らないだけですよ」
生田君がそう言いますけど、そうとしか言いようがないですよね。
「なんだ、やきもちか……」
「……」
まあ、そんな感じですかね……
「そんな奴はほっとけ! 世の中そんなに上手くいく訳ないからな」
そんな時でした。
「カッキー、ちょっと」
梨菜が手招きしながらカッキーを呼びます。
「梨菜、みんなと一緒に食べようよ」
二人は私達から離れたところでなんだか話をしています。
「まったくしょうがないな……」
その時、桐生先生が……
「あの、先生……」
桐生先生が梨菜のところへ行き、二言三言何か言ってます。カッキーも一緒になって説得してるみたいですけど梨菜は頑なに拒否しているようです。まったくもう……
「梨菜、いい加減にしてよ!」
私はその場の雰囲気もあって梨菜の側へ行きそう言いました。彼女はそんな私を見ながら……
「飛鳥は良いの? 私があんな事を言ったのに怒ってないの!」
梨菜は自分が言った言動を後悔していたようで私達に合わせる顔がないといった感じのようです。
「梨菜、飛鳥も二階堂君も別に怒ってないよ」
カッキーがそう言った時、二階堂君も私達の側に来ました。
「冬野、いつまでもウジウジするなよ! 俺はそんなおまえは嫌いだ」
ちょっと二階堂君、そんな言い方したら……
「二階堂君、私は……」
「梨菜、言いたい事が言えるのが本当の友達じゃないの」
私がそう言うと梨菜は私に抱きついて来ました。
「飛鳥、ごめんね……」
そう言うと梨菜は私の胸の中で泣いてしまいました。それを見た桐生先生は行ってしまいました。
「梨菜、私も二階堂君もなんとも思ってないからね!」
「飛鳥、あんな酷いこと言ってごめんね」
「うん、もういいよ」
すると梨菜は顔を上げ、まだ瞳を濡らしたまま笑顔になっていました。
「さあ、お昼にしよう!」
「うん」
梨菜はそう答えましたけど、なんだか表情が…… あれ、気の所為かな? 久々のみんな揃ってのお昼ご飯です。やっぱりみんな一緒が良いですね!
食事も終わり午後の講義に行く時です。梨菜が私を呼び止めます。
「飛鳥……」
「どうしたの梨菜」
「飛鳥のID可笑しくない?」
えっ、何? このタイミングなの…… 私はちょっと驚いてしまいました。
「飛鳥のID、性別が間違ってる」
それを聞いてみんなが私のIDを確認します。
「本当だ、これ事務局に言った方が良いよ」
美咲までがそんな事を…… 私はちょっと俯き加減で何も言えません。二階堂君もちょっと困った表情です。でも、もう打ち明けないと駄目ですよね……
「ねえ飛鳥、ひょっとして私、また地雷踏んじゃった?」
「…… 梨菜、あのね…… 私、実は…… GIDなの……」
私はそう言ったあと二階堂君を見ますが、彼も一度頷きました。
「GID…… それって男ってこと! でも、胸はちゃんとあったよ! さっき飛鳥に抱きついたとき、でも私より小ちゃかったけど……」
「小ちゃいは余計よ!」
はあ、これでまた話が拗れないと良いんだけど……
「飛鳥、本当なの……」
梨菜は申し訳なさそうに訊きます。
「ごめん、隠すつもりは無かったんだけど…… でも、みんな私の側からいなくなるんじゃないかって不安で……」
「そうか、だからうちの班は男子が二人、女子が四人いるように見えたのか」
生田君が前からの疑問が判ったように言いました。
「飛鳥、もっと早く言ってくれれば良かったのに……」
カッキーはそう言ってくれました。
「うん、ごめん……」
私が項垂れていると……
「俺も最初に聞いた時は驚いたんだ」
二階堂君です。
「二階堂、おまえ知っていたのか?」
生田君が変な目で二階堂君を見ながら訊きます。
「ああ、俺が今村に告った時に聞かされた」
「それでも好きなのか?」
「ああ、可笑しいと思われるかも知れないけど、俺は今村の事が好きだ!」
二階堂君がみんなの前でそう言ってくれた事はとても嬉しかったけど…… みんなはちょっと微妙な表情です。
「はあ、私はそんな飛鳥に負けちゃったのね…… 二階堂君、飛鳥の事泣かせたら許さないからね!」
梨菜がそんな事を……
「梨菜、ありがとう」
「まったく、性別がどうとかで私達が飛鳥から離れる訳ないでしょう」
「うん、みんな有難う」
これで、私の班には私の秘密を知られる事になりました。でも、何度も言いますけど隠すつもりは無かったんですけどね…… でも、なんだかスッキリしました。あとは自転車部でも話さないとだけど……
講義が終わった後、玲華が血相を変えて私のところへ来ました。
「飛鳥! あの事みんなに話したの?」
玲華、あんまり大きい声で言わないでよ!
「玲華、あの事って何!」
ほら、言わんこっちゃない…… 遥香と静香が一緒に来ていました。
「あっ、飛鳥どうしよう……」
「どうしようって訊かれてもね……」
私も玲華を見ますけど……
「なによ、私達に隠し事なの?」
静香達の後ろから松坂君達三人も来ました。
「なにか、この後面白い事でもやるのか?」
相変わらず神地君は……
「ごめん飛鳥!」
「玲華、しょうがないよ! 講義も終わったから取り敢えずここから出よう」
そして、人気の少ない講堂の裏へ行きます。梨菜とカッキーも近くで心配そうに見守ってくれています。
「ねえ、こんなとこに連れて来てなんなのよ」
静香は何事かとちょっと不安そうです。
「飛鳥、いいの?」
「うん、そろそろみんなにも言わなきゃいけないと思っていたから」
みんなは何事かと私の事をジッと見ています。
「あの、私は実はGIDです」
そう言った時でした。
「なーんだ、そんな事か」
静香は私の事知ってたの?
「ねえ、GIDってなに?」
遥香は意味が判って無かったみたいですけど…… 男子は三人とも複雑そうな顔です。
「ねえ静香、なんなの?」
「遥香、性別違和って判る?」
私がそう訊くと、遥香はコクっと頷き驚いていました。でも静香は何故知っていたんだろう?
「なあ、静香はなんで知ってんだよ」
神地君が不思議そうに訊きます。
「みんな飛鳥のID見た事ないの?」
「えっ!」
みんなが私のIDに注目します。そう、IDの性別欄にはMの表示があります。本来ならFが記入されているはずなのです。
「最初は間違いなのかと思っていたけど二年になっても三年になっても表示が変わらないからたぶん、そうなのかなって思ってたから」
静香は観察力が凄いです。普通誰もが見ないところをちゃんと見ています。これは医師としてかなり重要な事です。
「玲華はもちろん知っていたのよね!」
「うん、知ってたよ」
「どうして教えてくれなかったのよ」
遥香はどうしてそこまで拘るかな……
「人の事をそんなに言える訳ないでしょう!」
「みんな、ごめんね! 隠すつもりは無かったんだけど言い出せなくて……」
「ねえ、二階堂君は知ってるの?」
「うん」
「それじゃ手術とかするんだよね」
「うん、まだ判らないけど……」
「でも、それじゃ二階堂君と一緒になれないよ」
「だから、まだ判らないよ、医師になるために必死でそんな余裕ないし、大学卒業したら研修とかあるだろうし……」
まあ、遥香の気持ちは分かるけど、そんな簡単な事じゃないんだよ……
「でも、飛鳥は今までと何も変わらない訳だからみんな今まで通りで良いよね」
玲華がそう言ってくれました。
「玲華…… ありがとう」
「ああ、別に何が変わった訳じゃ無いし今まで通りだよ」
神地君もそう言ってくれました。
「うん、そうだよ」
谷崎君もありがとう。
「みんな、ありがとう! もっと早く言えば良かった……」
今回の出来事で私の事はほとんどの人に知られてしまいました。でも、なんだかスッキリしました。
今回、飛鳥が本当は男でGIDで女性化してる事をみんなに話してしまいました。でも、最初は驚いた友人達でしたがみんな分かってくれたみたいで本当に良かったね飛鳥!




