21 成人式です!
お待たせしました!第21話を更新しました!
早いもので飛鳥も成人式を迎えました。今回は懐かしい人達が出て来ます。もちろん前作を読んで頂いている方はですけどね……
今日は成人式です。私は、新成人として大人の仲間入りをするため城南市の成人式に行きます。でも、私は昨年の五月に誕生日を迎えてますので二十歳になってもう八ヶ月になるんですけどね! でも、成人式に行けば幼稚園の頃から一緒だった匠君、玲奈、久美それと瑞稀に久しぶりに逢うことが出来ます。この四人がいたから私はそんなに虐められる事もなく過ごせたと思います。私をいつも助けてくれた四人に今から逢えるのが楽しみです!
「飛鳥、早く準備しないと間に合いませんよ!」
母からそう言われながら振袖を着付けてもらってます。この赤い花柄の振袖は私と母で選んで買ってもらった物ですが、祖父が私のために軍資金を用意していたのです。
「ありがとう、お爺ちゃん」
「なあに、ワシは飛鳥との約束を守っただけじゃ」
そう言えば高校に入学した当初そういう約束をしたような…… でも、姉も三年前に買ってもらっているよね……
「ねえお母さん、ちょっと苦しいんですけど……」
「これくらい我慢しなさい。きちんと締めとかないとあとで緩くなるんだから」
でも、これはかなりキツイです。
「おはようございます!」
えっ、この声は……
「飛鳥おはよう!」
「瑞稀! 久しぶり、振袖綺麗だね」
私が瑞稀が着ているピンク色に花柄が施された振袖を褒めると……
「飛鳥の振袖こそよく似合ってるよ」
「ありがとう瑞稀」
瑞稀が迎えに来てくれるなんて高校の時以来かな……
「飛鳥、準備が出来たら行くよ」
「うん、何時のバスがあるかな?」
「もう、バスなんて関係ないから」
瑞稀は笑顔でそう言いますけど……
「ねえ、どういうこと?」
そう言って玄関から出て見ると、なんと瑞稀はオレンジ色の可愛い車で来ていました。
「これって普通車だよね」
「うん、でも軽よりちょっと大きいだけだけどね」
「瑞稀凄い!」
「私も車くらい持ってないと大変なんだよ! 教育実習に行かないとだし」
「どこに行くの?」
「希望としては我が母校城南高校で次の希望が聖華高校なんだけどね! 飛鳥は病院研修とかないの?」
「ううん、行ったよ! 玲華の如月総合病院とか橋本市の血液センターとかね、でも、医師免許がないと何も出来ないから」
「そうか……」
そんな話をしながら私は瑞稀の車で城南市文化会館に行きました。あっ、懐かしい顔が揃ってます。匠君と玲奈、松野君と梅崎君、それと久美ですが玲奈も久美も振袖じゃないんだね!
「玲奈、久美おはよう!」
「やっぱり飛鳥は振袖だった」
「玲奈も久美もなんで振袖にしなかったの?」
瑞稀も不審そうに訊きますけど……
「だって、振袖より可愛い服とか沢山あるじゃん」
と久美が言ったあとに……
「そうそう、振袖はそうそうとどこへでも着て行けないけど洋服はいつでも気軽に着れるからね」
玲奈もそんな感じです。二人ともワンピースにボレロジャケットを着ています。
「俺は玲奈の振袖姿を見たかったけどね」
匠君はちょっと残念そうです。
「飛鳥久しぶりだな、橋本大学の医学部なんだろう、凄いよな!」
松野君がそう言います。
「うん、でもまだまだこれからだよ!」
「飛鳥、俺はおまえに感謝してるよ俺が今こうしていられるのも飛鳥達が俺を助けてくれたからだ。ありがとう」
梅崎君です。彼は中学のときひどい虐めにあって中学校の屋上から飛び降りようとしたのを私達が止めたのです。
「梅崎君、あの時は大変だったんだからね!」
瑞稀はそう言うけど……
「確か、飛鳥が四階のベランダからハシゴずたいで屋上まで行ったんだよね!」
あの時は、高い所が苦手の匠君がハシゴをベランダの手すりに固定した後しっかり支えてくれてたから安心して登れたんだよね!
「今は大学とか行ってるの?」
「いや、俺も松野も一條高専でコンピュータ系を学んでいるよ」
「そうか、頑張ってんだね!」
「うん」
そう言えば匠君も工業系の大学だったよね、確か一條工業大学だったかな……
「匠君は大学でどんなことしてるの?」
「俺は実習でいろんな物を作っているよ! 今はロボットの製作をしてるんだ」
「へえーっ、ロボットか凄いね」
「飛鳥は大学でどんな事してるの?」
玲奈に訊かれました。
「医学に関する講義と実習だよ」
「実習ってカエルの解剖とかするの?」
カエル……? それなら中学校や高校でもやったような…… でも、ご献体と呼ばれる人の解剖とかは流石に言えないかな…… いろいろと説明が面倒臭い。
「うん、まあそんなところだね」
ちょっと苦笑いの私です。
「ねえ瑞稀、運転する時は草履じゃないよね」
久美が瑞稀に訊いてます。
「うん、もちろんだよ!」
「瑞稀は振袖に上履きを履いて運転していたよ」
「まあ、そうだね…… あれは人に見せられないかな」
「うん、そうだね……」
でも、振袖で運転はやりにくそうだったような……
その後私達は、式典があるので文化会館の中へ、入口で名簿を持った人が私の事をジッと見て「今村飛鳥さんですか?」と訊かれたので、すかさず私は免許証を見せました。やっぱり戸籍も女性化しないと駄目かな……
式典が終わった後、匠君と玲奈はなんだか約束があったらしく二人で行ってしまいました。まあ、匠君は一條市だし玲奈は城南市から橋本市に通っている訳だからあの二人も久々に逢えたんでしょう…… 私と瑞稀は一旦家に戻ります。私が振袖の締め付けに耐えられなくて着替えに戻る事を言ったら……
「飛鳥が着替えるのなら私も着替える」
だって! そういう事で一旦久美と別れてあとで橋本駅で合流する事にしました。
「はあ、楽になった! 和服がこんなに辛いものとは……」
「何言ってるの、慣れてないからですよ!」
母はそう言いますけど、やっぱり最初からワンピーとかスーツにすれば良かったかな…… このあと私は、瑞稀と一緒に橋本駅へ向かいます。久美と玲華が待ってるはずですから。
「あれ、飛鳥は振袖じゃないの?」
玲華からそう言われました。それもそのはず私は、振袖を着て式典に出ることを玲華に伝え、一旦城南市に戻ったからです。
「そうなんだけど…… もう苦しくて」
「でも花火大会のときは浴衣を着てたでしょう」
「浴衣と振袖は違うよ」
母が締めすぎただけかもしれませんけどね。
まあ、そう言いながら取り敢えず四人で食事をと思いましたが、どこも多いようです。流石は成人の日です。どこもかしこも新成人で溢れています。まったくよその星から新星人が地球侵略にやって来たような…… 字が違うか……
「飛鳥どうしようか?」
瑞稀がそう言いますけど私に訊かれてもね……
「玲華はどこか穴場とかは知らないの?」
久美もまた、無茶な事を……
「うーん…… それじゃ、私の部屋でみんなで料理でもする?」
いきなり玲華がそんな事を言いますけど、それって私がシェフって事じゃ無いよね…… 玲華がそんな事を言い出したので私達四人はマンション近くのいつものスーパーへ食料調達です。
「ねえ、お寿司とオードブルがあるからこれで良くない?」
「玲華、最初っから作る気なかったでしょう」
久美が玲華にそう言ってます。この二人いつからこんなに仲良くなったの? まあ、これだと私が作らなくても良いから良いんだけど……
「久美、玲華の事知ってたっけ?」
「えっ、玲華と最初に会ったのは大学の合格発表の時! それと医学部の橋本祭でファッションショーを見た時かな」
「そうね、そのあとウインドショッピングとかも行ったかな」
玲華が言いますけど……
「玲華、二人で行ったの?」
「だって、飛鳥は今津赤十字病院に行ってたしね!」
あっ、あの時だったのか…… そんな話をしながら私達は食料調達のあと玲華の部屋へ行きます。
「飛鳥、ドアを開けて!」
玲華はお寿司とオードブルを持っているので両手が塞がっててポケットから鍵が取り出せません。
「はい、はい」
私がドアを開けると……
「どうして飛鳥が玲華の部屋の鍵を持ってるの?」
今度は瑞稀が不思議そうです。まあ、普通はそう思うよね……
「私ね、今飛鳥と一緒に住んでるの!」
玲華のその言い方はなんだか恥ずかしいです。
「玲華良いの? ひとつ屋根の下に若い男女が住むのは……」
まあ、私が健全な男子ならそうなるでしょうけど……
「瑞稀も知ってるとおり飛鳥は私より女子力高いから大丈夫よ」
二人とも絶対にふざけてるでしょう。そんな話をしながら玲華の部屋に到着です。
「それじゃお茶を淹れるね」
そう言って私がキッチンへ行った矢先にお寿司とオードブルは開けられ、みんな摘んでます。
「ちょっとお茶が入るまで待っててよ! それに取り皿くらい出しなさいよ」
私が慌ててリビングへ戻ると……
「大丈夫だよ、ちゃんと取っておくから」
玲華はそう言いますけど、取り皿とお箸はいるでしょう。もう、行儀が悪いな…… そんな時、私の電話が鳴ります。誰だろう?
「もしもし……」
『今村、俺だけど』
二階堂君です。
『今から逢えないか?』
えっ、どうしようかな……
「うーん、中学生のときの友達と一緒で……」
「飛鳥、誰から?」
玲華はたぶん誰からの電話か解ってるみたいです。だって顔がニヤけてるから……
「二階堂君だけど」
「うちに来てもらえば良いじゃん」
「えっ、なになに誰なの?」
瑞稀も久美も興味津々です。
「二階堂君、良かったら今から来ない?」
『良いのか?』
「うん、みんな興味があるみたい」
『分かった! じゃあ、あとでな』
本当に来るんだ…… まあ、私が誘ったんだけど……
「二階堂君来るって?」
「うん」
「飛鳥、二階堂君って?」
「飛鳥の彼氏だよ!」
「えーっ!」
まあ、驚かれても仕方ないかな……
「飛鳥、それって良いの?」
久美からもそう訊かれましたけど…… やっぱり可笑しいかな? その時チャイムがなります。
「えっ、もう来たの?」
私の代わりに玲華がインターフォンに出ます。
「はーい」
『あっ、俺だけど今良いか!』
この声は聞き覚えがあります。
「友達が来てるけどそれでも良い」
『ああ、俺は構わないよ』
そういう会話のあと下のメイン扉を開けた玲華はキッチンへ行きコーヒーの準備をします。コーヒーだけは美味しいんだよね!
「玲華、甲斐先輩だよね!」
「うん」
玲華はちょっと可愛くなってます。分かりやすいな。
「ねえ、甲斐先輩って?」
今度は久美が興味を持っています。
『ピンポン』
玲華はチャイムが鳴ったあと慌てて玄関へ行きますけど……
「えーっ!」
玲華は大声をあげました。
「どうしたの玲華!」
私も玄関へ行くと、そこには甲斐先輩と二階堂君がいました。
「えっ、どうして?」
「いや、俺が入るとき一緒だったんだ。まさか行き先も一緒だったとは……」
「取り敢えず上がって、二階堂君も」
二人がリビングへ行くと瑞稀は軽く頭を下げ、久美は何事かよく判らず二階堂君に見惚れているような……
「あっ如月これみんなで食べて」
二階堂君は玲華に紙袋を手渡します。
「ひょっとしてこれケーキ?」
「うん、ここのは美味しいから」
「ありがとう。真司は……」
「あっ、俺は手ぶらだ」
まったく玲華はなにを望んでいるのか……
「瑞稀は知ってるよね」
「うん、甲斐先輩は判るけど……」
「ねえ、甲斐先輩って?」
そうだよね、久美は高校が違ったから判らないよね。
「高校の時の化学部の先輩で、玲華の彼氏さん」
瑞稀が久美に説明しています。
「それで、そちらは?」
久美の顔がちょっと赤いんですけど……
「大学で一緒の班の二階堂君」
私もちょっと顔が赤いかも……
「それと飛鳥の彼氏でしょう!」
玲華からすかさず突っ込みがありました。
「えーっ、カッコいいじゃん飛鳥!」
もう二人はただ驚き二階堂君もちょっと照れています。
「あの、飛鳥の事は知っているんですよね……」
瑞稀は心配そうに訊いています。
「はい」
二階堂君は一言だけそう言いました。
「飛鳥、良かったね!」
「うん」
「ところで関は来ないのか?」
甲斐先輩が訊いてますけど……
「あっ、彼は今写真の撮影に行ってるから……」
瑞稀はそう言ってます。ちょっと淋しそうです。
「瑞稀も彼がいるの?」
「うん」
久美はひとり私達の事を羨ましそうに見ていました。私達の成人の日はこんな感じで人数も増えたので買ってきたお寿司とオードブルでは足りないです。したがって、私が腕を振るい簡単な焼肉丼とお味噌汁を作りみんなにご馳走しました。
「飛鳥凄い! 美味しいよ」
みんな喜んで食べてくれました。こんな感じで私達の成人の日は終了しました。ただ二階堂君は私の振袖姿を見ることが出来ずに残念そうでした……
飛鳥も無事成人式を終え大人の仲間入りです。これからは自分の行動に責任をもって行動しないと…… 大人って厳しいよね!




