14 橋本祭
お待たせしました14話を更新しました!
今回は大学祭(橋本祭)です。いろいろとお楽しみがあったみたいですが…… なんだか飛鳥の様子が…… 大丈夫かな?
夏休みが終わり、十月から後期が始まりました。後期といえば大学祭があります。高校で言えば文化祭というところでしょうか、どんな事をするのかな? 自転車部でも何かするのかな?
「玲華、大学祭って何か私達でやるのかな?」
「大学祭? ああ、橋本祭ね!」
「橋本祭……?」
「橋本大学の学祭だから別名橋本祭よ」
「ふーん、それで私達は何をするの?」
「なんだかお笑い芸人のライブとかがあるらしいよ」
「えっ、そういうのがあるの?」
私はちょっと楽しみなんですけど!
「とは言っても、名前も聞いた事のない若手芸人だよ」
「へーえ、凄いね!」
「でも、それより飛鳥が見たいものがあるわよ」
えっ、私が見たいもの? なんだろう?
「ファッションブランド、トゥインクルのファッションショーがあるみたいよ! 私もちょっと楽しみなんだけどね!」
「えっ、ファッション雑誌のトゥインクル? これだよね」
私は最新号の雑誌を手に訊きます。
「飛鳥も流石にこういうのは知ってるのね!」
「だって、私が持ってる服のほとんどがトゥインクルだもん」
「それじゃ、飛鳥も見るでしょうトゥインクルのファッションショーは」
「うん、もちろん見るよ! それで私達は橋本祭で何かする事は無いの?」
「うん、何も聞いてないよ」
まあ、そういう事で今から楽しみな橋本祭です。
十一月になりました、さすがにこの時期は肌寒くなります。明日から橋本祭というその日、私は自転車部にいました。
「ねえ飛鳥、明日の講演会知ってる?」
遥香がそう言って来ましたけど、それって北山大学上野教授の講演会の事だよね!
「講演会って北山大学の上野教授が来るんだよね」
「そうそう、まったく橋本祭でやらなくても良いのにね」
遥香は行くつもりがなかったのかな?
「あっ、私は聞きに行こうとは思うけど……」
「えっ、飛鳥は行くつもりだったの?」
「うん、遥香は行かないの?」
「別に良いかな……」
「私は行こうとは思っていたんだけどね」
静香は行くつもりだったみたいだけど…… うん? どういう事?
「遥香は行くつもりが無かったのに一年生と二年生は全員参加になったから言っているんでしょう」
ああ、そういう事!
「静香は最初から行くつもりだったのね、裏切り者」
「あっ、でもいろいろと為になる話があると思うよ」
「飛鳥は優等生だね!」
「そんな事は…… ないよ……」
「駄目駄目、遥香にいくら言っても! 本当は行きたく無いんだから」
玲華はそう言ってますけど……
「玲華は行くんでしょう」
「行くも何も、強制だからね!」
「でもさ、強制という事は参加者が少ないのかな?」
静香はそっちの方が気になるのかな……
「そうじゃなくて一年と二年には大学側が参加させたい意図があるんじゃない」
遥香はちょっと根に持ってる?
「飛鳥は上野教授は知ってるの?」
えっ、玲華何言ってるの?
「知ってる訳無いじゃない! 北山大学病院の先生を全員知ってる訳じゃ無いから、私をなんだと思ってるのよ」
私はちょっと苦笑いです。
「だって北山大学病院は常連だったでしょう」
「常連! 何が常連なの? それに沢山の先生を知ってるの?」
まったく、玲華が余計な事を言うから……
二階堂君は講演会に行くのかな…… って、なんでそんな事思うの! あれ? 私は何故かそう思いました。
そう言う事で明日の午前中は上野教授の講演会を聞いて、午後からはトゥインクルのファッションショーです。
「あれ飛鳥、スマホのランプが光ってるよ」
あっ、そうかマナーモードにしてたんだった。メールが来てます。同じ中学だった久美からです。なんだろう?
『朝日山キャンパスでトゥインクルのファッションショーがあるんだよね! 一緒に行かない?』
久美もトゥインクルの雑誌とか買ってるのかな?
『私も行くつもりだから良いよ!』
そう返信しました。すると直ぐに……
『それじゃ、朝日山キャンパスに着いたら連絡するね!』
という事ですけど…… あれ、久美は車で来るのかな? バスで来るのかな? 確か大学入学前に一緒にショッピングに行った時免許証を見せてもらって数日後に車が来るとか言ってなかったかな、うーん……
翌日、橋本祭が始まりました。まずは北山大学上野教授の講演会です。演目は『臨床医としての心得』という事らしいのですが……
その時!「チーン」という効果音が講堂内に響き渡りました。私はまずいと思いスマホを手にします。すると他の人達も一斉にポケットに手を入れたり、バッグを覗いたりしています。どうやら自分のスマホが、という事でのチェックでしょう。なんと、壇上の上野教授までポケットからスマホを出して操作しています。やっぱりみなさん気になるとこですよね! 私はこっそりスマホを確認すると久美からメールが来てました。『駐車場空いてるかな?』やっぱり久美は車で来るつもりのようです。私は『車じゃなくてバスが良いよ』とこっそり返信した後マナーモードにしました。
「飛鳥、何コソコソやってるの?」
小さい声で隣の玲華が訊いていますので……
「マナーモードにしてなかった!」
そう小声で言ったら……
「あなただったのね!」
小声で言われてしまいました。その後は何も無かったかの様に講演は順調に進み時間通りに終了しました。
「全く恥ずかしいんだから」
「仕方ないでしょう、玲華だってあの時マナーモードにしてたじゃない」
私と玲華がそう言っていると横から静香と遥香が話して来ました。
「珍しいわね、飛鳥と玲華が言い争うなんて!」
「それがね、訊いてよ静香、講演時の『チーン』って音……」
「あーっ、知ってる! 講堂に入る前にマナーモードにすれば良いのにね!」
遥香は玲華に合わせてそう言いますけど……
「でもさ、やっぱり忘れる事もあるんじゃない! 上野教授もマナーモードにしてなかったみたいだし」
静香もそう言うのでそれに合わせて、うん、うん、誰だって忘れる事はあるんだから! そう頷いていたら……
「あれは、飛鳥が犯人だったんだよ」
玲華にそうチクられてしまいました。
「えーっ! なにやっての飛鳥は!」
「もーう、信じられない」
遥香と静香にそう言われてしまいました。まったく、なんなのよこの二人は…… 大体玲華が言わなきゃ判らなかったのに……
『チーン』
あっ、メールです。
「あっ、その音だ!」
静香、もう良いから…… メールは久美からだったので私は大学の入口まで迎えに行きました。
「飛鳥!」
久美は手を振りながら私の側へ来ました。
「あれ、久美ひとりなの?」
「うん、そうだよ!」
「玲奈は?」
「玲奈はファッションショーなんて興味無いんだって」
なんですって! ファッションショーなんて滅多に見れないのに…… そう思いながら久美と合流した私は玲華の元へ。
「玲華は一度会ったことあるよね」
私が訊くと……
「うん、そうね! クリニックでクリスマスをした時だったかしら」
「うん、後、橋本大学の合格発表のときもだよ」
玲華の言葉に続いて久美も話をします。
「そうか、あの時は瑞稀が付いて来て欲しいっていうから」
「あっ、確かに言ってたよね!」
そういう話をしながらキャンパスを歩きます。
「ねえ、飛鳥! この時期だとショーの主流は春物かな……」
「うん、どうかな? でも、もう十一月だし冬物はちょっと遅いかな……」
「でも、雑誌ではまだ冬物の特集だよね!」
まあ、そうだけど…… こういうファッションショーは季節を先取りしているだろうしね!
私達が昼食の後、会場に行くとかなり派手な楽曲が流れていてランウェイも準備されており、その周辺には沢山の女性とカップルと思われる人達もいました。
「うわーっ、人が多いね」
「仕方ないわね、あのブランドはかなり人気があるから」
久美と玲華がそう話をしている時モデルさんが出て来ました。ほとんどのモデルさんは春物と思われる服を着ています。中にはお洒落で奇抜な着こなしをしてるモデルさんもいます。
「ねえ飛鳥、あの淡いピンクのワンピー可愛くない?」
「うん、良いよね! それにその後ろにいるモデルさんのミュールが可愛いよ」
「でも飛鳥、かなりヒールが高そうよ」
確かに、七センチか八センチくらいありそうです。
「私があんなのを履いたら足を確実に捻りそう」
「そうね、飛鳥は精々四センチくらいのヒールだもんね」
「玲華はいつもスニーカーでしょう」
「悪かったわね、どうせ私にはミュールとかパンプスは似合いませんよ」
「なに、玲華と飛鳥はまた喧嘩してるの?」
静香と遥香が私達の背後から声を掛けて来ました。
「別に喧嘩なんてしてないわよ」
「ほら、モデルさんがランウェイの方に来たよ」
遥香が玲華をスルーして話し掛けます。
「やっぱりカッコ良いね」
モデルさんは次々と手を振りながらランウェイを歩き先端でポーズを決めて戻って行きます。モデルさんはみんなスラリと背が高くヒールの高いパンプスやミュールを履いていてとても綺麗です。無理だけどちょっと履いてみたい気もするけど……
「ねえ、あれ飛鳥が着ると良い感じじゃない」
静香が言います。モデルさんが着てるのは胸元に白いリボンの付いたブラウスに淡いピンクのロングスカート。足元にはシルバーのヒールの高いパンプスです。
「あのハイヒールは絶対無理、絶対転んじゃうよ」
「えっ、それは無いでしょう! あれくらいは普通に履くよ」
静香はそう言うけれど……
「久美もあれくらいのヒールは履くの?」
そばにいた久美に訊くけど……
「私があんな高いの履く訳ないでしょう。精々四センチが限界だよ」
「でも、飛鳥なら似合いそうよね」
似合うかも知れないけど…… やっぱり無理!
まあ、そんな話をしながら新作の冬物、春物の服を着たモデルさんを見ながらああだこうだ言いたい放題言っています。
「あれってモデルさんが着てるから良く見えるのよね」
遥香は溜息を吐きながら言います。
「遥香もある程度身長があるから似合うと思うよ」
静香はそう言ってますけど、確かに私より背の高い遥香はきっと似合うと思います。
「でも、ああやって見せつけられると着てみたいよね」
私がそう言うと……
「飛鳥、これ以上はハンガーラックの中に入らないんじゃない」
「飛鳥はそんなに洋服をもってるの?」
玲華が余計な事を言うから静香も遥香も反応してるじゃない。
「私、そんなに持ってないよ!」
「あれだけあれば充分でしょう」
そこでまた、玲華のツッコミが……
「飛鳥は結構なお洒落さんだからね」
「もう、久美までそんな事言わないで……」
そう言ってみんなで笑いながらファッションショーを見ています。しかし、大学の文化祭がこんなにも大掛かりなものとは…… しかし、二日間の橋本祭が終われば、また試験です。
お楽しみの橋本祭も終わり、また試験があります。後期は年が開ければ一年時の実習も講義も終わりです。果たして飛鳥達は二年生になれるでしょうか?




