12 卒業検定
お待たせしました12話を更新しました!
今回は自動車学校の続きです。この部分は最初カットしようかと思っていましたけどきっちり載せる事にしました。ちょっと医療からかけ離れてるかも知れないけど……
ゴールデンウィークがこの間終わったと思っていましたが、もう五月も下旬になります。自動車学校も行けない日やちょっと行きたくない日とかがあって路上教習が長引きましたが…… 今週の土曜日にようやく卒業検定を受ける事になりました。
「飛鳥、今日は自動車学校行くんでしょう」
「うん、行くよ!」
「なんだかこの間はちょっとやめとくとか言ってたし、家でも何も話してくれないからなにかあったのかなって思ってたんだけど」
「うん、もう大丈夫だから」
私と玲華はそう言って送迎バスに乗ります。
「飛鳥、玲華お疲れ」
美咲です。確か、もうすぐ仮免じゃなかったかな?
「飛鳥も玲華ももうすぐ卒検だよね」
「うん、今週の土曜日にね! 美咲も仮免でしょう?」
「私は方向転換とクランクが苦手で、今日上手く行けば明日から仮免コースデビューかな」
「縦列駐車は大丈夫なの?」
「あれは簡単だよ! 左斜めに侵入してあとは右いっぱいにハンドルを切れば良いんだから」
まあ、確かにそうなんだけどそのタイミングがね…… でも、方向転換とクランクが苦手というのもちょっと分からないです。まあ、人それぞれなんでしょうけど……
「あれ、カッキーと梨菜は?」
「あの二人はキャサリンのスケッチをやってるよ! なんだか調子が良いからって」
キャサリンって? 卒検大丈夫なのかな?
「先生こんにちは!」
本日も工藤先生の路上教習を受けます。
「こんにちは飛鳥さん、運転はもうほぼ大丈夫みたいね! 予測運転も出来てるようだし、いざという時もブレーキを踏むのが私よりも早いしね」
「はい、工藤先生のお陰でここまで成長出来ました」
「私のお陰ね……」
「はい」
そんな話をしながら路上教習へ行きます。初日の時とは違ってきちっと予測運転も出来ているし、目視確認も出来てると思います。なんだかこの風景ももう見納めかと思うとちょっぴり残念ですね。そうしている間にコースを回って学校へ戻って来ました。
「飛鳥さんは、あと何回だっけ?」
「えっと…… 確か、あと一回乗ったら終わりです」
「それじゃ、次回はいよいよみきわめか!」
そう言って工藤先生は原簿にハンコを押してくれました。
「それじゃ、次回が最後だね、みきわめが合格出来ればね」
「先生、ちょっとそれ意味深なんですけど……」
ハハハとお互い笑い合って教習を終了しました。通い慣れたこの自動車学校ももうすぐおしまいです……
その後、私達は橋本大学へ戻って来ました。この後は玲華と一緒にスーパーで買い物です。
「ねえ、今晩はなににする?」
玲華はなんだか私の料理を楽しみにしてるみたいです。
「今日はカレーにしようか!」
「えっ、カレー?」
「ひょっとしてカレーは嫌いだった?」
「ううん、カレーは大好きだよって、嫌いな人っているの?」
「いるんじゃない! 少数派だと思うけど」
そんな話をしながらカレーの材料を買います。お肉は豚で良いかな、人参と玉葱はこの間の残りがあるから……
「ねえ、ルーはどうするの?」
「うーん、コクのあるのとスパイシーなのを混ぜて作ろうか!」
「なにそれ、凄く美味しそうなんですけど」
玲華は小学生みたいにはしゃいでいます。
夕食のカレータイムも終わり、私はリビングで骨格標本のスケッチを始めました。
「飛鳥知ってる? 神地君と谷崎君がキャサリンとかマリリンとか言ってるんだけど」
「今日、自動車学校に行く送迎バスの中でも美咲が言ってたじゃない、なんのことかは知らないけど……」
「それがね、要するに私達医学部では、骨格標本や人体模型は必需品じゃない! だから昔から愛称があるんだって!」
「それがキャサリンなの?」
「うん、中山先輩の話では骨格標本がキャサリンで人体模型がマリリンなんだって」
私は話半分で骨格標本を描いてます。
「ねえ、飛鳥聞いてる?」
「それで、玲華はキャサリンのスケッチはどこまで進んだの?」
私がそう言うと玲華はクスクス笑いながら……
「ちゃんと聞いてるのね!」
だって! まったく……
「それで玲華はどこまで描いたの?」
「そうね、パーツの部分は描き終わったから、あとは全体を描けば終わりよ!」
「えっ、それじゃお願いだから邪魔しないでよ」
いつもの事ながら玲華はいつの間にかやってるんだよね……
土曜日、今日は卒業検定です。卒検は仮免と違って卒検コースというのがある訳ではないいみたいです。
「卒検を受ける方は路上教習スタート場所へお願いします」
受付の女性がそう言います。私達が所定の場所へ行くと自動車学校のマイクロバスが……
「卒検を受ける方は乗ってください」
なにがあるんだろう?
「今から卒検コースを回りますので確認していてください。ちなみに、コースの道順は教官が早めに教えますので安心してください」
そう説明がありました。私達はマイクロバスでコースの下見ですが、結構狭いところへ入って行くようです。でも、マイクロバスが入って行く訳だから問題ないかな……
いよいよ卒検開始です。
「飛鳥、今回は一緒みたいね」
玲華からそう言われてメンバーを見ると私と玲華と梨菜は同じ教習車です。もちろん教官は工藤先生ではないですよ!
「それでは今村さんお願いします」
そして、卒検が始まりました。とにかく今まで通り予測運転と目視確認をすれば大丈夫…… なはずですよね! 私はとにかく教えられた道を確実に運転するだけです。仮免と違って、ただ路上を走るだけです。縦列駐車やクランクを通ったりする訳じゃないですからね…… でも、もう訳が解らないうちに終わってしまいました。先生からの感想もよく解らないまま終わってしまいました。
「ありがとうございました」
私はそう言って車を降りて行こうとしたら……
「あっ、まだ後部座席に乗っていてくださいね」
そう呼び止められてしまいました。全員終わらないと解放されないみたいです。
玲華と梨菜の検定が終わり、ようやく検定試験が終了しました。結果はすぐに出るみたいです。私達は待合室で結果を待ちます。
「飛鳥、梨菜どうだった?」
カッキーも終わったみたいです。
「結果は今からよ」
玲華はそう言いながらも落ち着きがありません。
「それでは結果を発表します」
合格者の名前が発表され私達は自分の名前を探します。
「あっ、飛鳥の名前あったよ!」
玲華が言いました。
「えっ、どこ……」
そう言って探していると……
「あっ、玲華の名前があった」
「えっ、どこよ!」
そう言っていると……
「二人してなにお互いの名前を探し合ってるのよ!」
カッキーが羨ましそうにそんな事を……
「良いじゃないの仲が良いんだから」
梨菜に改めてそう言われると何だか恥ずかしいんだけど……
「みんなの名前あったよ、ほら!」
梨菜が指を刺します。
「あっ、本当だ」
私達三人は揃ってそう言ったので四人で笑ってしまいました。合格した私達はお昼ご飯を食べたあと一時半から高速教習があります。
「ねえ、お昼はどうする?」
自動車学校の食堂は他の教習生でいっぱいです。
「確か学校の隣にうどん屋さんがあったと思うけど」
カッキーがそう言うのでいってみる事にしました。そこは、人はまあ多いけど入れない事もなかったのでここでおうどんを頂く事にしました。
「それにしても自動車学校も、もう終わりだね」
「うん、ちょっと長い様な物足りない様なだね」
カッキーがそう言うので……
「そうだね!」
そう私が同意した時でした。
「なに言ってるの! これから高速教習だよ解ってるの?」
梨菜がそう言い出します。
「梨菜どうしたの?」
カッキーがちょっと心配そうです。
「だって高速教習なのによくご飯とか食べられるよね……」
「いや、高速教習は高速体験をするだけで、これで補習がつく訳じゃないよ」
それでも梨菜はちょっと元気がありません。
「梨菜、ひょっとして怖いの?」
玲華、いくらなんでもそれは無いよ!
「だって初めて自分の運転で高速道路に乗るんだよ……」
ハハハ、まさかの図星とは……
「大丈夫だよ、教官も乗るんだから」
私達はそう話しながらお昼ご飯を食べ自動車学校へ戻って来ました。
私達は高速教習をするために学科の第一教室へ入ります。ここで高速道路の運転について講習を受けたあと、いよいよ実技教習です。私達が乗る教習車は112号車です。何だか見覚えがある車です。
「はい、今村さん、柿本さん、如月さん、冬野さんこっちにお願いします」
やっぱり工藤先生です。
「最後も工藤先生なんですね」
「たまたまよ! それにしても今日は一段と可愛らしいわねロングスカートなんて」
「先生、飛鳥は普段からこうなんです。最近は自転車通学だからレギンスとかジーンズが多いですけど」
「ちょっと前まではミュールも履いていたしね」
玲華もカッキーも言いたい放題です。
「あら、そうなの? 本当にファッション雑誌のモデルさんみたいよね」
ここで服装の事でいじられるとは……
「はい、今回は合格者が十人だったので私の車だけ四人乗せてるからちょっと窮屈だけど我慢してね」
そういう事で、私達は車に乗り込みます。
「あっ、今村さんは運転席ね」
「あっ、はい」
私が最初に運転するのね……
「説明は聞いてると思うけど、高速教習は橋本インターチェンジと鷹取インターチェンジの一区間を交代で乗ります。慌てなくて良いから時速八十キロでお願いね。それじゃ今村さん出発して」
私は指示通り橋本インターチェンジに向かって車を走らせます。
「飛鳥は良いわね、こんなに優しい教官から教えてもらって」
玲華は羨ましそうに言っていますけど……
「あら、如月さんは誰から習ったの?」
「私は高崎先生です」
「あっ、そうか…… あの先生は結構厳しいもんね! 私もたまにだけどもっと厳しく教えないと駄目ですって注意されたことがあるくらいだから」
「教官同士でそう言う事もあるんですか?」
「そりゃね、ベテランは若手の育成もしないといけないみたいだから…… まあ、私はそんなに若くないけどね」
そう話しながら橋本インターチェンジに到着です。
「それじゃ、ETCレーンの方へ行って時速二十キロ以下でゲートをくぐってね!」
「はい」
私は言われた通り時速二十キロでETCレーンを通過して本線の方へ向かいます。私が加速車線に入ったとき本線左側に車がいましたが右側に進路変更してくれましたので楽に本線に合流出来ました。
「本線に入るときは充分に注意してね、後方から車が来てる時はスピードを落としてタイミングを図るのも大事だから」
私は気がついたら時速百キロを超えて走っていました。
「今村さんスピードが出過ぎてるからちょっと落とそうか」
「はい」
「普通車はスピードが出やすいから気をつけてね」
自転車で少々スピードが出ると怖かった私ですが、車は別に問題無いようです。ひょっとして私はスピード狂? あっ、という間に鷹取インターチェンジに到着です。ETCレーンを通って出口の先で交代です。次はカッキーの番です。
「それじゃ柿本さん運転席へ」
今からカッキーが運転します。
「先生、ETCカードを持ってない人はどうなるんですか?」
玲華の質問です。
「ETCカードを持ってない人は一般レーンから入って通行券をもらうの、それで出口で通行券を渡して料金の精算をするのよ」
そう教えてもらいました。まあ、常識かも知れないけど初心者には解らない事ですよね……
私達は交代で高速教習と女子トークを楽しんだ後、最後の梨菜の運転で学校へ戻って来ました。
「はい、お疲れ様でした。それじゃ第一教室に入ってね」
「先生、ありがとうございました」
私達はそう言って第一教室へ行きます。そして、卒業証書を受け取り自動車学校を無事卒業する事が出来ました。
自動車学校も終わりこれから試験があります。その後夏休みがあるのかな?
関係無いですけど、新作の『姫雫』も読んで頂けると嬉しいです。よろしくお願いします!




