私の1ページ_14
マンションの立地よりも広さと安さの方を選んだという、最寄り駅までの少し長い距離を全員で帰る。まだ夜が明けきっていない時間帯で車が通らないのを良いことに、細い車道に広がって歩いた。
サークルの友人宅で、大学に入ってから初めてのオールだった。どうでもよくて、でも真剣な話題で夜通し喋って笑っていた。
駅へ向かっているうちにぐんぐんと太陽が昇ってきて、夜で冷やされた空気がまた少しずつ温められていく音がする。友人たちの眠そうな顔が朝日に照らされている。たぶん私も同じような顔つきをしているのだろう。
きっと私は、この朝をずっと覚えている。