暴虐の剣王 3
赤髪が手を振り上げるとそこから水の鞭のようなのができ、どんどん長くなっていった。「"フルードウィップ"」そう言うと赤髪は水の鞭をクロンに当てていった。「なるほどね。これは近づけないなあ」クロンは槍を使い水をあしらいながら、アレッシアの様子を見ていた。アレッシアは羽を弾丸のように長髪の女に放つが橙色のオーラで作られた壁によって防がれている。「"ジャイアントウォール"か、となると、相手は力属性と水属性か。無理矢理この水魔法を突破してもいいけど、アレッシアが終わるまで待つか」クロンは鞭で相手に近づくことができない一方で、アレッシアが魔法対決で優位になっているのが分かっていた。
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「なんで?」長髪の女は困っていた。防御の魔法で攻撃を防ぐのは良かったのだが、魔法を放とうと、相手の場所を見るために壁のない方に出ると、羽が飛んできて攻撃ができていない状態であった。「なんて、正確なの。しかも、威力が異常だわ。どんだけ、魔法を練習するとこんなことになるの」徐々に近づく敵に相手の魔法士としての別格さがわかり、近づかれると不味いと気づく。長髪は1人ではどうにもできないため「こっちの奴を一瞬攻撃してくれない?結構強いんだけど」と赤髪に助けを求めた。「・・・分かった」赤髪はぶっきらぼうにそう言うと腕を右から左へ移動させ、水の鞭をアレッシアに当てに行った。同時に自身も壁から出て、"ハイ・ボム"という球状の力魔法をアレッシアに向けて放った。
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「へぇ、同時にか」アレッシアは歩きながら追い詰めようとしていたが、2人の攻撃に気づいた。「なら、こっちもかな」アレッシアは翼を出し、急激に上に飛んでいきながら、飛び散ったり翼に付いている羽を空中で相手の方向に向けて静止させた。そして、上空でその方向に向かってマシンガンのように大量に放っていった。「"フェザー・バレット"これでいけるだろ、クロン」アレッシアはこの魔法で相手の魔法を貫き消滅させて、さらに2人に向かって放っていった。
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「流石だなあ、アレッシア」クロンはあまりの魔法の凄さに少し笑ってしまった。「敵はどうやら2人とも守備で精一杯か」相手の2人とも魔法で羽を受けるのが精一杯で攻撃をする余裕がないようだ。よしと心を決めるとクロンは槍を持ちながら、赤髪に向かって走っていった。羽の攻撃がようやく止み、クロンの突撃に気づいた赤髪は水の鞭をすぐに生成しクロンに向けるが、「やっと、ここまで来たよ」とクロンは少し跳んで躱し、槍の間合いに入っていった。赤髪はニヤリと笑うと槍の矛先を手で少しずらすとクロンの前に殴りかかりながら魔法で加速し、入っていった。「おっと」クロンは怪物の片腕を出して、攻撃を防ぐ。赤髪は追撃するように殴りかかるが、クロンの槍に攻撃を塞がれ、届かない。連続の殴りかかりが止まると、クロンは怪物の腕で赤髪を殴らせた。赤髪はシールドの魔法で防ぐが、「次はこっちだぜ」とクロンは槍で赤髪の足元をはらう。赤髪はこけて体勢を崩し、クロンの連続の突きをモロに食らってしまう。「くっ」赤髪の少々は苦悶の顔を浮かべると、"バースト"と言い、魔法の衝撃波を放った。クロンは衝撃波を受け、少し吹き飛ばされるが、防御の姿勢を前もってとっていたため、距離を取られる程度に済んだ。「そんな、簡単には逃さねえよ」クロンは赤髪との距離を詰めようとする。赤髪は腕を振り、水の鞭をクロンにむける。「甘いよ」クロンは体を低くして躱し赤髪に飛びかかる。「・・・くらえ」赤髪は腕を振った方向に戻し鞭をすぐにクロンに当てようとする。「甘いんだよ。最初に言っただろ"モストロ・アン"お前の鞭は怪物が受ける」怪物の片腕が横からくる水の鞭をクランから守る。ブシャァという音が大きくなる。赤髪は攻撃に構えるために後ろに下がろうとする。「逃がさないよ」赤髪の足は既に怪物の片腕に掴まれていた。赤髪はそのまま倒れてしまう。「"オレンサスカンド"」クロンは魔力を槍の先に集中させ、赤髪に魔力ごと突き、爆発を起こす。地面には衝撃の跡で大きなクレーターができていた。赤髪の女は外皮は削りきれ、衝撃で気絶してしまっている。「残りも倒すか」クロンはそのまま長髪の方へ向かう。
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長髪は困っていた。「なんで、なんで、なんで」自分では到底叶わない緑髪の魔法士。地面に降り、羽を放ちながら、一歩ずつ自分に近づいてくる。恐ろしくて全然反撃ができない。頼りの相方も槍使いにやられてしまった。どうすればいいのか。そんなことを考えているうちに、後ろから自身の頬に槍を近づけられる。「どうする?」クロンは笑顔で問いかける。「ま、参りましたあ」長髪は両手を挙げ、ヘナヘナと地面に尻をつく。「なんだ、攻撃しないんだ。つまらないの」アレッシアは腕を振りながらクロンは近づく。「まあ、次もあるしな」そうクロンが言いながらもう一方の試合の方を見てると、とっくに終わってたらしく、カーラとレアンドロのペアもこちらを見ていた。「遅かったじゃない。とは言っても、こっちはこのバカが1人で倒しちゃったんだけど」カーラはレアンドロに蹴りつける。「いやあ、カーラちゃんにお手を煩わせるわけにはいかないからね」レアンドロはカーラにウインクする。「わ・た・しの実力をあのキモい奴に見せられないじゃないの。もう、いいわ。次は私も戦わせなさいよ」カーラは頬を膨らませる。「さって、そっちは準備いいか?」レアンドロはクロンたちに声をかける。「いいぞ。いつでも来い」アレッシアは挑発的に答える。レアンドロはその言葉を聞くと剣を片手に持ち、炎を纏い始めた。「クロン、なんとしても勝てよ」タイプ相性が悪いアレッシアはクロンにレアンドロを任せる。「いけるだろ、今ならな!」戦いでアドレナリンがでてクロンは興奮をしている。レアンドロとクロンはお互いにゆっくり歩き、槍と剣を交えはじめた。