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ブレイブス  作者: 亜生
7/8

暴虐の剣王 2

アレッシアが少し休み、起き上がるとクロンが側で心配そうに自身を見ていた。「大丈夫かアレッシア?まぁ、なんとなく理由は分かっているが。まさか、あんなに拒絶するなんて、少し可哀想だぞ」クロンは苦笑をしている。「まさか、あんなに気持ち悪いとは・・思い出したくもない。ひぃ、寒気が」普段の強気な態度がアレッシアから感じられないため相当堪えたのだろう。「そろそろ、試験の開始らしいがどうする?俺1人でもクリアしてこようか?」クロンは心配そうに声をかける。「いや、大丈夫だ。募集した僕自身が行かなくてどうする。それに、ただ気分が悪くなっただけで、体の調子が悪くなった訳じゃないさ」アレッシアは準備運動をし始め、健康をアピールしてる。「そうか、あんまり無理をするなよ」クロンがそう声を掛けると、「そろそろお時間です。私はこの屋敷のメイド長であるボーナです。よろしいお願いいたします。では、試験会場に案内します」と年がかなりいっているおばさんのメイド長であるボーナと名乗る人が現れた。「試験は外でやるらしいぞ」クロンはアレッシアと共にメイド長について行く。「今日は晴れか。春だから少し暑いが、汗はあまりかきたくないな」アレッシアは匂いを気にするそぶりを見せる。「試験には何人来てますか?」クロンはボーナに話しかける。「すみませんが、まだ話せません。会場に行けばすぐに分かります」ボーナはお辞儀しながらそう言う。すまんねとクロンがジェスチャーをする。そうこうしているうちに、邸宅の広い庭に来ていた。花などはなく、草だけが生えており、運動にはピッタリな広さであった。「主人のスッラはもうすぐ来ます。少々お待ちください」ボーナはそう言うと一礼し、邸宅に戻っていった。辺りを見回すと周りには6人ほどの人がそれぞれ2人組になって話していた。「これあれか、顔採用かこの試験は」その人たちの顔を見てクロンは察してしまう。「だと思ったよ。僕が申し込んで本当によかった」アレッシアはそう言いつつも心底嫌そうな顔をしている。その気持ちは他の人も思っていたらしく、「なんなの、あいつ気持ち悪い。デュフフって笑い方も最悪だし。なんで、ここに申し込んだのよレアンドロ」金髪のショートカットヘアの少女が、上は金で下は黒の髪色をしたごつい男性に話しかける。「大丈夫だよカーラちゃん。お前の年にはさすがにそんな欲情しないって。ただの愛玩対象だろ?・・・多分だけど」レアンドロと呼ばれた男はニヤけ顔を少女に向ける。「ちゃん付けするな!カーラって呼びなさい。あと、絶対に愛玩対象じゃなくて恋愛対象にみ・ら・れ・て・る。絶対に!」カーラの怒りを頭に片手を置くことで止めるレアンドロ。その姿を見てクロンは笑顔になった。「まるで親子だな。仲がいい」「そうかい?騒がしくて幼稚だよ」アレッシアは腕を組みそう言った。「みなさん、お待たせしました」スッラが邸宅からのそのそと現れ、後ろにメイドたちがついていった。アレッシアは一瞬ひくついたが、クロンに大丈夫か尋ねられると、なんとか無表情を保つことに成功した。「さぁて、試験を行います。まず最初に、皆さん遠路はるばるご苦労様でございます。近頃、物騒な噂が多く、私自身不安を感じることが多くなり、このような場を設けさせていただきました」スッラはこんな感じで挨拶と募集した理由、その他この場所で働く時の規則や気をつけてほしいことなどを軽く説明をし、そして試験の方法という本題に入った。「今回の試験ですが。予想している方もいらっしゃると思いますが、ペアが4組ありますので、それぞれ順に戦ってもらって残ったペアに今回の護衛をしてほしいと思います」アレッシアはそれを聞くとクロンにこしょこしょと話しかけた。「とりあえず、お前は前衛で僕は後ろだ。私が下がれって言ったらちゃんと下がってくれ。頼むぞ」クロンは親指を立て、了解の意を示した。「そうですね、金髪の女の子のペアの人は、黒髪のロングの女の子のペアと。黄緑色の子のペアは赤髪の女の子のペアの子と最初は戦ってください」まさに女しか見てない説明の仕方にクロンは少々呆れてしまったが、気を取り直し魔法で空間から槍を取り出すと片手で持って、赤髪の子のペアに向かう。女性ペアのその2人は赤髪の子は少し不良っぽく目つきが悪そうで素手で戦うようだ。もう1人の長身茶髪の女の子は魔法士なのか遠くで待機している。クロンが深呼吸をした後、アレッシアに声をかける。「緊張してないか?」アレッシアはキョトンとし、自身を込めて笑みを浮かべる。「大丈夫だよ。お前は自分の心配をしろ」クロンは前を向く。「ああ、じゃあ行くか」クロンが走り出すと、赤髪も拳を握り締めながらこっちに走り出した。

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