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第124話 連携

商人「大当たりー!!特賞の温泉旅行ペアチケットをプレゼントー!!」


『経済特区』の百貨店に鐘の音が鳴り響く。

ガラガラはドワーフ族の職人に頼むとすぐに作ってくれた。

銀貨1枚分の買い物当たり1回の抽選で、合計20組を招待する。

今後も定期的にイベントで抽選会をして温泉旅行という娯楽を定着させよう。


通行再開が遅れていた西向きの街道も徐々に作業が進められている。

新しいサブダンジョンへの仮設通路の構築はクリスの手配で数日で終わった。

このような事態を見越して、予め職人ギルドに話を通してあったのだろう。

東側はやや標高も高く地盤もしっかりしていて陸橋は短期間で出来るらしい。

ただ、西側は地盤が緩く標高も低い為、橋脚の設置に時間がかかりそうだ。

ダンジョン地上部を提供すれば直なのだが、これ以上維持費は上げたくない。

雇用創出の意味も込めて、頑張って人力で作ってもらうとしよう。


それでも商人達は逞しく、傾斜の急な西側通路も頑張って馬車を走らせる。

以前から橋の袂の傾斜は急だったし、1つの斜面が2つに増えただけの事か。

『経済特区』の減税や地下鉄開通などの報に商機を逃すまいと集まって来る。

税収はしばらく減る事にはなるが、街の賑わいはひとまず取り戻せたようだ。


ヘーゼルホーヘン伯爵領からは賠償金より先に石材を積んだ船が来た。

用意のいい事でクリスが手配した石工ギルドの人間が早速査定に当たっている。

救済措置として石材を高めに買って良いかと聞かれたので了承しておいた。

伯爵家からは金貨5万枚の賠償金がある予定なので、2万枚を上限に設定する。


残りの3万枚はまず伯爵領内の異種族奴隷の移送費用に当てる。

それでも残った分はできるだけ伯爵領から何かを買う金に当てよう。

この世界の慣習に倣って賠償金を請求したが領民を困らせるのは本意では無い。

それに、伯爵家をあまり追い詰めすぎても後で面倒な事になりそうだ。


買った金の何割かは税として吸い上げられるだろうが何割かは領民の手に残る。

領民の手に残った分が、伯爵家の財政への打撃として残るというわけだ。

加えて、領内の石材などの所有権が一部こちらに移る事になるな。

クリスには甘いと言われるかも知れないが、制裁としては十分だろう。


水無月''「アクアスプラーッシュ!」

石工「おーい、嬢ちゃん、そろそろ休憩したらどうだ?」

水無月''「はーい!じゃあ交代しますね」


巨大な篩を持つ無骨なゴーレムの肩から水無月が駆け下りる。

交代でまた別の水無月がゴーレムの肩によじ登った。


水無月303「よろしくお願いしまーす!」

石工「お、おう!よろしくな、譲ちゃん!」


そっくりな少女に戸惑いつつも、石工は気にしない事にしたようだ。

持ち込まれる小さな石材の査定についてはこちらからも人手を出している。

巨大な篩を操るゴーレムと、水魔法を使う水無月たちだ。

水無月の魔法で脆い石や泥団子を砕き、石に付着した泥なども落としていく。

余計な物で嵩増しされるのを防ぐためだ。


ゴーレムの持つ篩は4段ほどに分かれていて、大きさを揃えて行く。

手間も魔力もかかるので、樽1つ当たり銅貨1枚程度の査定料を取る事にした。

これなら、駄目元で泥や石を一緒くたに持ち込む者も少なくなるだろう。

最終的に値段を決めるのは石工たちに任せている。


陶器の欠片やガラス片なども同様に買取を行っている。

ある程度形の残っている水瓶などはちょっとだけ高めに買い取る。

ひびの入った水瓶等は、小石を詰めて緑化する予定の粘土層の上に並べていく。

焼け焦げた馬車などの廃材も加えて1区画を囲い、中に小石を敷き詰める。

その上に『経済特区』等で出た「生物由来ゴミ」を敷き詰め、土を被せる。

この土には、先ほどの小石の査定で値段の付かなかった砂利や泥も使っている。

その作業を地道にこの地方一帯で繰り返していく予定だ。

いずれ逞しい「雑草」が茂り、森の下地になってくれるだろう。


こうする事で粘土層の上に水はけのよい礫層を作り、更に腐葉土層を作る狙いだ。

同時に、中州全体の標高を少しだけ上げて水害リスクを減らしたい狙いもある。

ゴミを撒いて緑化する取組は聞いた事があるが、やり方はこれでいいんだろうか?

不安はあるが、今更ググる事も出来ないし、あとは試行錯誤を繰り返すしかない。


後はせっかく積み上げた土などが流されないように、護岸もしっかりしないとね。

護岸という事になると、石垣やコンクリートで固めるのが簡単で確実だろう。

しかし、川辺の生態系の保護という観点からすると色々と問題もあるらしい。

代表的なものだと、亀などが上陸して産卵するのが難しくなる事とかだ。

この河に何が住んで居るのかは知らないが、困る生き物は他にも居るだろう。

生態系は複雑に絡み合ってるから、それが森に影響を与える可能性も大きい。

出来るだけ自然に近い河岸が残る形で護岸を進めていきたい。


消波ブロックの様に岩を沈めていきたいが、買った石を使うのは勿体無いかな?

大きな石材は中州を東西に横断する陸橋に優先的に使いたいからね。

となると、廃棄された厚手の瓶に石を詰めて沈めるとかかな?

でも、そう都合よく大量の厚手の瓶の廃棄とか出ないよな?

薄手の瓶じゃすぐ割れてしまうだろうから、護岸用としては頼りない。

かといって、沈める為に丈夫な瓶をわざわざ作るのもどうなんだろう?


そういえば、街道整備の時にはコンクリートっぽいものも使われてたな。

あれが安くで使えるのであれば、適当に整形して消波ブロックを造って貰おう。

あとは中州外縁部に残した切り株をローズの魔法で育てて土を抱え込んで貰う。

樹といえば、植木型定点監視ゴーレムなんてのもあったな。

ゴーレムだから水中に置いても根腐れの心配は無いし、周囲の警戒にも役立つ。

護岸事業の一環として配置するなら怪しまれる事も無・・・いや、どうだろ?


そうそう、自然との共存という意味では、南北に走る水路にも一工夫してある。

半地下となっている地上1層の上部は、あちこちで穴が東西に繋がっている。

森を道路などで分断すると、生き物達の餌場や繁殖地への移動を妨げる事がある。

そうでなくとも、生息域が分断され、それぞれの区画で近親交配が続いたりする。

この穴は、蟲や小動物を行き来させてそういう問題を予防する為のものだ。


また、屋上に加えて壁面に当たる日光も勿体無いのでも緑化を進めていこう。

普通の建物だと建材の劣化とかの問題も起こってくるのかもしれないけどね。

地球でやるならカーテンウォールにソーラーパネルを仕込むとかになるのかな?

まあ、ダンジョンであればその辺の心配は要らないらしいので気にせず行こう。


市街地の南北に伸びる水路部の壁面には見栄えのいいツタ植物を這わせよう。

市街地本体はそれだと防衛力が落ちてしまうので、そっちは苔を植える事にする。

開拓村の砦と同じ様に、ヘチマの様な植物の薄切りを貼り付けて行こう。

苔が育つまでは見栄えは悪いが、いずれはいい感じの風情が出る筈だ。


防衛力といえば、市街地本体の周辺は水濠にすべく掘り進めている。

半地下になっている地上1層を掘り出しているような感じだ。

反対側はコンクリートっぽい何かと石垣で固めていって貰う。

注水と排水は地上1層にある水路を使って行う。


これで市街地本体へのアクセスは南北の入り口にほぼ限定される。

南北の通路は数十メートルの間隔を開けてからトンネル状になっている。

400メートルほど続くトンネルにもいろいろな防衛設備を準備しておこう。

両脇の森(予定)を通るなら、それはそれで忍者部隊とゴブリンの餌食だ。

水濠もダンジョンの外だが『領域』内なので、水棲ガーディアンを置くかな。


空からの敵に対しては地下3層の天使部隊が吹き抜けから出撃して対応する。

先日の竜騎兵辺りが相手ならウィセル達で戦力的には問題は無いだろう。

ただ、発見から到着まであまり時間が無かった事が気になる部分ではあるな。

屋上農園もあるし、早期警戒機みたいなガーディアンも必要になりそうだ。


一樹「なるみ、広域の索敵能力に特化したガーディアンって造れるか?」

なるみ「んーと、魔力感知タイプなら天使型でいいと思うよ。光学観測も兼任でいけるね」


そういえば、最初の頃にも似たような会話したな。


一樹「熱源感知だと?」

なるみ「近距離なら蛇型でいけるけど、広域だとドラゴンか竜人だね。こっちは匂いにもけっこう敏感だよ。風向きにも依るからあんまり当てにはできないけどね」

一樹「あー、召喚コストがめっちゃ高い奴か」


それにしても召喚アプリに竜人族なんていたっけ?


一樹「ん?600億!?普通のドラゴンより高いじゃないか」

なるみ「変身機構はいろいろ複雑なんだよ」

一樹「普段は人型ってのは便利だけどな。まあ、どの道今の魔力貯蔵量じゃ無理か」

なるみ「そうだね。けど、今なら天使は召喚できるね」


最初に勧められたのも天使だったか。

あの時の魔力収支ではとても召喚できなかったけどね。


一樹「そうだな。ちなみに音源感知とかは?」

なるみ「えー、海中ならともかく空気中で広域音源感知は難しいよ。エシャロットさんでいいんじゃないかな?」

一樹「それもそうか。じゃあ、敵かどうかの識別はできないかな?敵意とか害意とかの検知ってできないか?」

なるみ「んー、それもちょっと難しいかも。けど、魔力感知の精度を上げれば緊張してるとか興奮してるとかはある程度わかると思うよ」

一樹「お、それはいけるのか。あ、でも、それだとサイコパスな侵入者相手には対応が難しいかな?」

なるみ「そうだね。でも、存在自体は検知できるから、あとは怪しい動きとか、場所によってはボディチェックとかで対応だね」

一樹「わかった。じゃあ、天使を索敵機能重視の能力構成で行こう」

なるみ「こんな感じかな?ではではー」

一樹「召喚実行!」


ターンッと中指の腹でリターンキーを弾く。

中空に光の繭が浮かび上がり、栗毛の少女の裸体が現れる。

目を閉じたまま小さな胸を見せ付けるようにゆっくりと反転する。

胸元に虹色の光が走り、犬のイラストの描かれたブラが現れる。

続けて小さなお尻を見せ付けるように周りながら、腰周りに虹色の光。

今度はおしりにデフォルメされた犬の顔の描かれたパンツが現れる。

最後に全身を虹色の光が包み、ミニスカートのセーラー服を完成させた。

光の繭が消えるのと入れ替わりに茶色の翼が現れ、ゆっくりと降下する。


一樹「名前はプピラエルにしよう。よろしく頼む」

プピラエル「はい!プピラエル着任します!よろしくです、しれー!」


プピラエルは元気好く挙手の礼で応えた。


一樹「上空から周囲を警戒して不審なもの、危険なものを見つけたら教えて欲しい」

プピラエル「はい!上空から周囲を警戒し、不審なもの、危険なものを発見したら報告します!」

一樹「そういえば、興奮状態にあればそれも検知できるんだったな?」

プピラエル「はい!遠隔ですとおぼろげにはなりますが、検知は可能です!」

一樹「では、不安や恐怖も検知できるか?」

プピラエル「はい!同じくおぼろげではありますが、検知は可能です!」

一樹「わかった。では街や街道の様子も見守って、侵攻や犯罪、事故等の予兆を掴んだら他のガーディアンと共同で適宜対応してくれ」

プピラエル「はい!了解しました、しれー!」

一樹「では頼んだ」

プピラエル「はい!失礼します!」


プピラエルが改めて挙手の礼をして部屋を出て行く。

セーラー服に「しれー」呼び、何のイメージかは今更言うまい。


一樹「なるみ、男爵邸を制圧した時のようにプピラエルの観測データを解析して共有する事はできるよな?」

なるみ「できるよ。でも、屋敷1つって訳じゃないし、常時稼動でしょ?それなら専用のサーバが欲しいな」

一樹「分かった。メインダンジョンと『ゴブリンダンジョン』、山脈横断トンネル、開拓村、ケリヨト市で5箇所か。召喚に必要な魔力は10億ポイントかな」

なるみ「それくらいかなー?全部で50億ポイントだね。あと、ミスリルも1台300グラムくらい欲しいな」

一樹「ん?1台2億ポイントじゃないのか?」

なるみ「え?簡易版NCWサーバでしょ?さすがにテキストデータメインのサーバと同じじゃ追いつかないんじゃない?」

一樹「それもそうか。ミスリルは足りるのか?」

なるみ「うん、だいじょうぶ」


NCWって、ネットワーク・・・・なんだっけ?ネットワーク統制型戦術?違った?

そういえばガーディアンも短時間なら『領域』外でも活動できるんだったな。

魔道具やゴーレムに魔石を積んだら、ミサイル的な使い方もできるのか?

次に攻め込まれたら伯爵家の兵舎か屋敷にぶち込んでやるのもいいかもしれない。

ゴーレムは識別能力が余り高くない様だが指定の座標に突っ込む位はできるだろう。


ん?それなら俺が直接攻撃魔法をぶち込めばいいだけの話か?

いや、俺がその場に居ない可能性もあるし、魔法の射程外って可能性もあるか。

戦場では何が起こるかわからないし、攻撃手段の選択肢は大いに越した事は無い。

でも、やるにしてもどこでミサイルの発射実験をすればいいんだ?

これ以上緑地は減らしたくないし、兵器開発を敵に見せたくも無い。


まあ、ミサイルはともかく、索敵情報の解析と共有のサーバはあったほうがいいな。

例によって2.5倍スケールの美少女フィギュア、姿はメガネをかけたプピラエルだ。

哨戒も1人では手が足りないだろうからプピラエルを150人追加で召喚しておいた。

50人はスク水にゴーグルとヘルメットを着けて『領域』上空の哨戒をしてもらう。

100人は様々な子供服に身を包み、顔は帽子とサングラスやメガネで隠している。

髪型もそれぞれ変えて街を巡回し、攻撃衝動や恐怖心の検出を担当する。


一樹「なるみ、周囲の索敵結果を表示できるか?」

なるみ「んーと、こんな感じでいい?」


巨大プピラエルのスカートが揺れ始め、パンツがチラチラと見え隠れする。

中空にケリヨトのダンジョンが半透明で表示され、中で幾つもの点が動いている。


なるみ「一定サイズ以上の動物を点で示してみたよ。白は普通の反応、興奮状態は赤、強い恐怖や不安は黄色、味方のガーディアンは青にしてみた」

一樹「いいね、分かりやすい」


次は消波ブロックと警戒を兼ねて植木型定点監視ゴーレムの召喚だな。

ほぼ水没した状態になるし、水芭蕉の鉢みたいな感じにしておくか。

後で本物の水芭蕉の鉢も消波ブロック代わりに並べておこう。

監視用ゴーレムは100体召喚し、西側と取水口周りに配置する。


この砦を普通に見れば、最大の弱点は北端の取水口だろう。

ここに毒を流すか詰まらせるかすれば街は一気に壊滅状態だ。

実際には飲用水は他から取ってるし、貯水もそれなりにしてるけどね。

それでもノーダメージでは無いし、攻撃があった事自体は認識する必要がある。


開港後は警備兵も置くし、茂みが育てば忍者部隊も巡回する。

加えてコバルトたちに頼んで定期的に化学的な水質検査もやって貰おうかな。

地球のタガメの様に極度に毒物耐性の低い生き物を取水口辺りで飼うのもいい。

これについては後でアネモネに相談してみよう。


プピラエル「しれー!攻撃性興奮反応です」

一樹「早速か、どこだ?」

プピラエル「たった今第2の砦を出ました」


目を向けると、真新しいリュックを背負ったルークが西に向かう所だった。

俺に剣を向けた男だが、従軍中の事と言う事で数日前に開放している。

あの分だと父親との話し合いはうまくいかなかったのかな?


一樹「おそらく問題はないと思うが、領を出るまで監視を続けてくれ」

プピラエル「はい!対象が領を出るまで監視を続けます!」


そういえば、父親はルークが村を出た後に若い女と再婚していたらしい。

知らぬ間に増えていた若い継母への戸惑いもあったのかもしれない。

さて、あいつの怒りは今どこに向かってるんだろうな?


アーニャ「一樹!ひさしぶりね!」

一樹「アーニャか。元気そうだな」

アーニャ「ええ。一樹も元気そうね。街を見る限りでは門前で追い返せたのかしら?おめでとう」

一樹「ありがとう。他の2人はどうしてるんだ?」

アーニャ「残念ね、今日はマリーは居ないの」

一樹「そうなのか?別行動とは珍しいな」


開拓村に戻ると、拠点では懐かしい顔が出迎えてくれた。

戦禍を避けて王都に行っていたが、戻ってくれたようだ。

またビデオ教材の件とかマリーにいろいろ依頼を出したいな。


アーニャ「マリーはもう来ないわ」

一樹「そうなのか?何があったんだ?」

アーニャ「結婚したの。冒険者は引退ね」

一樹「そう・・・なのか。おめでとう」

アーニャ「ありがとう。今度会った時に伝えておくわ」

一樹「そうだな、頼む。何か祝いの品を贈ったほうがいいよな。何がいいんだろう?こういうのはどうも不慣れでな」

アーニャ「一樹、無理はしないで」

一樹「いや、大丈夫だ。見ての通り領は賑わっているからな。けっこう金はあるんだよ」

アーニャ「そっちじゃないわ。分かるでしょ?」

一樹「・・・そうだな。いや、覚悟はしていたんだ。駄目だな、友人の結婚を素直に祝えないなんて」

アーニャ「そうね」


アーニャはどこか寂しげに笑った。


アーニャ「リリーも結婚したの。パーティー『白百合』は解散ね」

一樹「そうか・・・とりあえず結婚はおめでとう」

アーニャ「それも伝えとく、と言いたいけど、リリーとはもう会う事もないかもしれないわ」

一樹「そうなのか?」

アーニャ「リリーって南部の貴族様の遠縁だったんですって。イーランプライズ子爵ってとこね。その子爵様の口利きで配下の騎士家に嫁入りしたの」


政略結婚なんだろうか?

キャシーもそうだが、貴族家の娘ってのは大変だな。

それにリリーは貴族としての恩恵を受けていたようには見えなかった。


一樹「そうか。いい相手だといいんだがな」

アーニャ「そうね。少なくとも粗雑な扱いを受ける事はないと思うわ。なにしろ、子爵様のご紹介だし、強い女を欲しがる騎士家は多いもの」

一樹「そういうものか」


下級貴族だと嫁まで戦わないといけないのか?

上位貴族の令嬢の護衛とかだろうか?

或いは強い男を産む事を期待しているのか?

状況はよく分からんが、大変そうだ。


一樹「それにしても、マリーに婚約者が居たとは知らなかったな」

アーニャ「居ないわよ、そんなの」

一樹「どういう事だ?」

アーニャ「仲人おばばの紹介ね」

一樹「えっと、勝手に相手を決められちゃうのか?」

アーニャ「あたしも詳しい事は知らないけど、一応3、4人の候補の中から選べるみたいよ」

一樹「それにしたって急すぎるだろ?」

アーニャ「そうかしら?時間も相手も限られているのよ。決断を先延ばしにするほど条件は悪くなるわ」

一樹「まあ、そうかもしれないな」

アーニャ「『ただ一人の運命の相手など存在しない。仮に居たとしても、それを見定めるには人生は余りに短すぎる。決断せよ。良き伴侶たらんとする気持ちを互いに持ち続けていれば、最良の夫婦となれるであろう。』、王国ではそう教えられているわね。実際、決められない子はいつまでも決められないものよ」

一樹「それは確かにそうかもな」


日本でも晩婚化が社会問題になっていたな。

その一方で、出産適齢期である筈の20歳前後の母親がヤンママなんて呼ばれる。

匿名掲示板では婚期を逃した人間たちの嘆きがしばしばネタにされていたっけ。


アーニャ「念のため相手の男についてはあたしの方でも少し調べてみたわ。目立った悪評はないみたいだし、きっといい夫婦になるわよ」

一樹「そうか。それならよかった」


少し違う話になるが、商品の品揃えに関する研究を聞いた覚えがある。

同じジャンルでも、色々な会社が色々な製品を世に出している。

それらをたくさん集めれば、客のニーズに合う物が見付かる確率は上がる筈だ。

ところが、実際には迷った挙句どれも買わずに帰る客が増えると言う。

同じジャンルの商品なら3種類程度に抑えた方が客が買って行く率は上がるそうだ。

結婚相手の選択に関しても、似たような心理は働くのかも知れない。


周囲に同世代の異性が3人とかなら、自分にとっての最良を選ぶのは難しく無いだろう。

しかし、交通網や通信網が発達するにつれて様々な異性との接触機会が増えていく。

大きな成功を果たした者や、容姿や能力に優れた異性の情報も入ってくる。

インターネット越しも含めれば、選択肢は数百万数千万或いは数億人かも知れない。


選択肢が増えると言う事は一見すると良い事ばかりの様にも思える。

だが、実際にその恩恵を受けられるのは「選べる者」だけだ。

そうで無ければ、無数の選択肢はむしろ苦悩を増やす事になる。


沢山の選択肢の中から自分にとっての最善を選び、決断出来る事がまず大前提。

そうでなければ、どれも選べないままに年齢を重ね、時機を逸する事になる。

自身の「選択」であったなら、どれも手に取らないと言う生き方もあるだろうけどね。


対象が物であるなら、購入資金はもちろん、適切に保管出来る場所や知識が要る。

仕事であるなら、それが勤まる能力がある事と能力があると信用されている事が必要。

対象が人であるなら、自分自身も相手から選ばれ得る人間で無ければならない。


これらの条件が満たせないなら、選択肢は無数にあるようで実は少ない。

今の自分に手が届くもの、努力すれば手が届くであろうものを篩にかける必要がある。

その上で、自分にとってのベターを選び決断するのは、重要なものほど難しい。

それでいて選択出来る時間は限られていて、いいものから先に持っていかれる。


「いい男はいつだってゲイか既婚者なのよ」とは誰の台詞だったかな?

若い内に多少強引にでも選ばせた方が、結果として良い人生になるのかも知れない。

余程性根が曲がって無ければ互いに影響しあいながらいい夫婦になっていくのだろう。


アーニャ「あたしだけ取り残されちゃったわね、仕方ないけど。マリーみたいに女らしくもないし、冒険者で剣士を名乗る割りにリリーみたいに強くも無い。中途半端なのよね」

一樹「アーニャだって十分かわいいし強いだろう。結婚したがる男はいくらでもいるんじゃないのか?」


いつだったかマリーも似たようなことを言っていたか。


アーニャ「ありがとう。でも、そういう一樹だってマリーの方がいいんでしょう?」

一樹「いや、それは・・・」

アーニャ「ところで、一樹はあたしのパンツの臭いは覚えてくれたのかしら?」

一樹「いや、かいでないから!」

アーニャ「あら残念」

一樹「お前、そういう趣味だったのか?」

アーニャ「違うわよ。あの時は変な事を言ってごめんなさいね」

一樹「何の事だ?」

アーニャ「パンツの話よ」

一樹「ああ、あれか」


初めて会ったときの『パンツ泥棒』の件か。

俺は仮面を付けていたが、マリーは俺だと感づいていたようだった。

アーニャも探りを入れてきたんだったな。


アーニャ「今思えば、あたしはマリーに嫉妬してたのね」


ん?嫉妬とパンツがどう繋がるんだ?

遠まわしな告白って訳じゃ無さそうだが。


アーニャ「あの時、一樹は男なら女の子のパンツに興味を持つのは珍しくないって言ったわね」

一樹「そりゃー、実際そうなんじゃないか?」

アーニャ「でも、女の子のパンツに鼻を突っ込んでる姿を見られるのはさすがに嫌なんじゃないかしら?」

一樹「いや、あれは・・・変なこと思い出させるなよ」

アーニャ「正直、あたしもちょっと引いたわ。けど、一樹は本当にマリーを探し当てて助け出してきた。そのことは本当に感謝してるのよ」

一樹「あれは・・・なんというか、俺も必死だったからな」

アーニャ「そうね。だから思っちゃったの。あたしの為にここまで必死になってくれる人はいるのかな、って」


「攫われたのがアーニャでも同じ事をした」

そう言葉にするのは簡単だが、本当にそうだろうか?

もちろん、アーニャを全力で助けようとはしただろう。

だが、マリーの時ほど必死になれていただろうか?


アーニャ「無理にフォローしてくれなくてもいいわよ?ちょっと弁解がしたかっただけだから。あれじゃまるで痴女よね。どうかしてたわ」

一樹「いや、実際パンツ1枚で多少なりとリスクが減るなら、あれはあれで合理的な判断だろう」

アーニャ「そう?じゃあ、また一樹にパンツを預けようかしら?」

一樹「そういう事なら匂いの追跡が得意な部下がいる。まず匂いがなくて密閉性の高い容器を用意するからその後で受け取ろう」

アーニャ「冗談よ。真面目に応えないでちょうだい」

一樹「俺は本気だよ。あの時は現場に俺しかいなかったからああしたが、事前に受け取れるならより確実な方法を取る。俺にとってアーニャが大切な友人なのは本当だ。何かあればきっと助けに行く」

アーニャ「そう?ありがとう。でもパンツはやめておくわ」

一樹「そうか?悪くない案だと思うがな」


ガーディアン達はダンジョンコアを通じてある程度経験を共有できるらしい。

なら、ジュリエッタに匂いを嗅がせれば900体以上の分身で広範囲を捜索できる。

匂いの付いたパンツをガラス容器に保管しておけば、割といい保険になりそうだ。


アーニャ「ところで、いい仕事はないかしら?『白百合』も解散しちゃったし、今後の身の振り方を検討してるところなのよ」

一樹「戦える女は大歓迎だよ。女性向け施設の警備とか女性要人の直衛警護、女囚用監獄の看守とか、欲しい場所はいくらでもある」

アーニャ「そうなの?女剣士だけでも中隊規模くらい居たじゃない?」

一樹「いや、彼女らはなんというか・・・人と接するのは苦手なんだよ。敵を叩き潰す分には問題ないんだが、一般施設の警備や要人警護には向かないんだ」


戦うだけなら大隊規模でも師団規模でも用意できるけどね。


アーニャ「そうなの?まあ、そういう事ならしばらくここに住もうかしら?改めて冒険者パーティーを探す気分でもないのよね」

一樹「歓迎しよう。ただ、警護対象によっては基本的にうちの領民から選出することになる。よかったらそれも検討しておいてくれ」

アーニャ「王国籍を捨てて一樹に忠誠を誓うことが条件だったかしら?」

一樹「まあ、そういうことになるな」

アーニャ「王国籍を捨てるのはちょっと厳しいわね。でも、今更戻るわけにも行かないのよね。一応縁談はあったんだけどね、相手が居るって蹴ってきちゃったのよ。一樹の愛人って事にしてもらえないかしら?」

一樹「おいおい」

アーニャ「分かるでしょ?マリーもリリーも結婚したの。あたしもそういう事を考えなきゃいけない年齢なの」

一樹「そういえばそうだったか」

アーニャ「一樹だって妾の2人や3人はいるんでしょ?」

一樹「いや、それは・・・」


妻が3人で、キャシーとシェリーはどういう扱いになるんだ?

兎人族の女達は種だけでいいって話だからノーカウントでいいのか?

マティルデとセレーナはさすがにノーカウントでいいよな?


アーニャ「ほんとにいるんだ?じゃあ1人くらい増えたっていいじゃない?それとも、やっぱりあたしじゃ不満かしら?」

一樹「いや、そんなことは無い!ただ、俺が育った地域は一夫一婦制で妾とかとは縁遠い地域だったんでね、慣れないんだよ」

アーニャ「そうなの?一樹はあちこちで女に手を出してるみたいだから、魔族ってそういうのに奔放なのかと思ってたわ」

一樹「それはこっちの世界・・・いや、異種族との交流は慣れないもんでね。勝手が掴めずに居る間に成り行きでだよ。『魔族』でも地域によっては一夫多妻だったり、妾も一般的だったりするしな」

アーニャ「そうなんだ?ちなみに王国も原則は一夫一婦制よ。でも妾や愛人を作る男は多いし、女も夫の子を2、3人も産んだら後は他の男との情事も黙認されるのが通例ね」

一樹「なんだそりゃ?3人目以降は他の男の子供を養わないといけないのか?」

アーニャ「流石にそれは無いわ。その場合は金貨5枚程度の賠償金を払って相手の男が子供を引き取るの。妻もお腹が目立つ間は実家や保養地に身を隠す事が多いわね」


流石に託卵は無いようだが、夫も浮気を認識した上で夫婦関係を続けるのか。

寛大だな。いや、夫が妾を作るなら妻の浮気も容認しないと不公平ではあるな。


一樹「なんというか・・・奔放なんだな」

アーニャ「そうかしら?一樹の所はどうだったの?」

一樹「結婚したら男女とも他の異性と寝る事は許されない。寝た場合は不倫した2人がそれぞれ金貨50枚程度の賠償金を払って即離婚だな」

アーニャ「あら?魔族って意外とお堅いのね。でも、あたしは妾くらいがちょうどいいわ。故郷はともかく、今の一樹には何人も妾がいるんでしょ?」


お堅いか。海外ではその辺、もっと自由な国も多いんだっけ?

出産適齢期は20歳前後というが、10代で生涯唯1人の相手を決めろと言うは酷だ。

厳格な一夫一婦制というのは晩婚化を促進して国を衰退させるものなのかも知れない。

遺伝子の多様性を保持するという観点からもあまり良いシステムじゃないのかな?


一樹「本当にいいのか?1人増えても大差が無いというのであれば、妻だってすでに3人も居る。俺も慣れなくて戸惑っている所ではあるんだが4人目でよければ歓迎しよう」

アーニャ「せっかくだけど遠慮しておくわ。そこまで厚かましい女にはなりたくないの」

一樹「厚かましい?」

アーニャ「今になって結婚したとして、何を根拠に男爵夫人としての権益を主張しろと言うの?もしもあたしが一樹が無名の時から苦楽を共にして、今の地位を築くのを支えて来たのなら利益を享受する資格はあるわ。或いはあたしに同程度の地位があって、あなたに相応の利益を提供するという事でもいいわね。でも、今あたしが結婚して男爵夫人を名乗るなんて、ただの寄生じゃ無いの。どの面下げて他の先輩奥様方の間に割り込めばいいのよ?」


貞操観念だけでなく、その辺も飽くまで対等を求めるというわけか。

日本の婚活市場では、女性が求める高すぎる条件がよくネタにされていたな。

高い経済力や社会的地位を求める事自体はなんら不思議な事では無い。

だが、彼女らは何を根拠にその妻として利益を享受するつもりなのだろうか?

自らが社会的地位を持つか、夫の地位の確立に貢献してこそのセレブか。

確かに、それこそが自立した女性、対等な夫婦の在り方なのかもしれない。


一樹「分かった。アーニャを妾にするとして、俺はどうしたらいいんだ?」

アーニャ「生活費は基本的に自分で何とかするつもりよ。ただ、子供ができたら出産前後の生活費の援助、あとは怪我や病気で動けない時はちょっと助けてもらってもいいかしら?」

一樹「子供?まあ、出来たときはそのくらいはなんとかしよう」

アーニャ「なら、契約成立ね」

一樹「随分とドライなんだな。そんな簡単に決めていいのか?」

アーニャ「あら?一樹とはそれなりに長い付き合いだと思うけど?」


『パンツ泥棒』の一件以来か。

俺にとってはこっちの世界で一番付き合いの長い人間だな。


一樹「確かにそうだな。アーニャなら俺も信頼できるよ」

アーニャ「ありがとう。ところで、子供は5人くらいでいいかしら?」

一樹「へ?」

アーニャ「足りない?頑張れば8人くらいはいけるかもしれないけど」

一樹「いや、そうじゃなくて。縁談を断る為の愛人設定じゃないのか?」

アーニャ「そうなんだけど、どの道子供は生まないといけないじゃない?相手は自分で選びたいな、って思った時に浮かんだのは一樹の顔だったのよ」

一樹「それは光栄だが、そんなに急がなくてもいいだろう」

アーニャ「そうも行かないわよ。いつまでも若いわけじゃないんだもの」

一樹「それは確かにそうなんだけど」

アーニャ「それに、愛人といっても依存するつもりは無いの。いつまでもその日暮らしの冒険者って訳にも行かないでしょ?」

一樹「ん?まあ、そうだな」

アーニャ「じゃあ、5人でいいのかしら?あたしもそろそろ落ち着いた職を探すつもりだけど、その為にもまずは子供は必要だもの」


ん?どうも話の繋がりを見失ったぞ?


一樹「えーと、仕事の話と出産の話はどう繋がってるんだ?」

アーニャ「何言ってるの?子供が居なきゃまともな役職に就けないじゃない」

一樹「そうなのか?」

アーニャ「そうよ!あれ?前に知ってるって言ってなかった?」

一樹「いや、初耳だ」

アーニャ「そうだったかしら?王国では女が安定した職に就こうと思ったら大抵は子供が2人か3人以上居る事が条件になるのよ。5人も居ればまず文句は出ないと思うわ」

一樹「そうなのか?大変だな」

アーニャ「ほんとね」


地球では考えられない話だが、まあ合理的ではあるのかな?

人口維持に必要な出生数が女性1人当たり2.4人とかだっけ?

それに、出産前だといつ辞めたり長期休暇したりするか分からない。

重要なポストを任せるとなると雇う側に不安が残るだろう。


一樹「うちの領ではそういう条件設定は禁止することにするかな」

アーニャ「領主が禁止したからって簡単に無くなる物でも無いんじゃない?」

一樹「それはまあ、そうなんだけどな」

アーニャ「それに女が子供を産まないと国が衰退するのも事実だわ。あたしの方も、子育てが一段落した後のほうが仕事に集中できると思うの」

一樹「なるほど」


働く側も、重要な仕事を任された状況では子作りに気が引けてしまうかな?

仮に産休育休の制度が充実していても、キャリアが中断されてしまう。

休み明けの人間関係の再構築や業界情報のキャッチアップが大変だ。

子作りを終えてから本格的に就職する方が、お互い気兼ねなく働けるのか。


アーニャ「乗り気じゃなさそうね。あたしじゃご不満かしら?」

一樹「いや、そんな事はない!ちょっと別の事を考えていた」

アーニャ「ひょっとして、まだマリーに未練がある?」

一樹「いや、そんな事は無い!」

アーニャ「そう?あたしは愛人の立場だし、仮に一樹が他の女とよろしくやっても文句は言わないわよ?」

一樹「そうか」

アーニャ「その代わり、あたしも子供を5人産み終えたら後は好きにさせて貰うわ。それでどう?」

一樹「何も不満などないよ。ちなみに、子供の性別とかは問われないのか?」

アーニャ「どうだったかしら?男の子が歓迎される雰囲気はあるけど、そこは問わないって組織が多いはずよ。当人でどうにかできる部分じゃないものね」

一樹「わかった。よろしく頼む」

アーニャ「ええ、改めてよろしくね。さっそくだけど、どっかに女剣士が住み込みで働ける場所ないかしら」


上目遣いで俺の目を覗き込んでくるアーニャ。


一樹「大部屋で構わないか?他の使用人もいるし、露骨な贔屓は避けたい」

アーニャ「全然オッケーよ!よろしくね、ご主人様」


個人での戦闘能力はともかく、パーティーをまとめてきた実績はある。

それに、要人警護や女性向け設備の警護などで戦える女の需要もある。

アーニャを雇い入れることは無駄にはならないだろう。


それにしても、こんなにも急に『白百合』との関係が終わってしまうとはね。

いや、『白百合』というよりはマリーか。いろいろ頼みたい事はあったのにな。

だが、遅かれ早かれこうなる事は疾うに覚悟していた筈だ。


マリーは王都で人間族の男と結ばれ、王立魔術学院に進むのが幸せなんだろう。

だが、仲人おばばとやらが選んだ、よく知りもしない男と子供を作るのが幸せか?

いや、それがこの世界の慣わしというのであれば俺が口を挟むことでは無いな。

白馬の王子様を待ち続けて婚期を逃した女の嘆きなら地球で厭きるほど聞いてきた。

ただ1人の運命の相手など居ない。そうとも、居る筈など無いんだ。

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